今回は「地域活動支援センターⅢ型」というものについて質問した内容をご報告します。

精神の不調があり体調が不安定だと、あらかじめ約束した曜日に作業所に通うことが難しい場合があります。私の友人で精神障害のある人の中にも、「体調が落ち着いているときにはいろいろな活動ができても不調の時は起き上がるのもつらくなってしまう」という人がいます。

あらかじめ決まった日に必ず通わなければならないと決まっていると、起き上がれない日がある人にとっては通いきれなくなってしまうのです。そこで、体調が良いときに行くことができて、レクリエーションなどができる場が必要です。
そのための事業形態の一つが「地域活動支援センターⅢ型」ですが、現在区内には精神障害のある人のためのものと中途障害の人のためのものの2か所しかありません。その人の体調や障害の状態に合わせた多様な居場所がもっと必要ではないか、という趣旨で質問しました。

(かとうぎ桜子)
地域活動支援センターⅢ型事業費について伺います。

これは、精神障害のある方の居場所である地域活動支援センターⅢ型の事業費への補助ということですけれども、まずこのⅢ型の事業の目的、役割についてお聞かせください。

(障害者支援推進課長)
地域福祉支援事業とは、地域の特性、練馬区の特性や障害者等の状況に応じて柔軟な事業形態をとることができます。
精神障害者を対象としてこの事業は、地域の中ではすぐに作業所や就労につくことが難しい方を対象に、社会復帰の促進や地域の生活の安定化を図り、次のステップに移行することを目的として、概ね3年間の利用期間を想定してございます通過型の事業として実施しているものです。

(かとうぎ桜子)
精神障害のある方が日中活動する場所として、作業所だとなかなか体調が不安定な場合に通い続けるのが難しい、あらかじめこの曜日に行くと決めていても、体調が悪くて家から出られないということが起こってくると、作業所ではなかなか日中活動の場として活用できないということが言われています。

それで、区内4か所に地域生活支援センターがありますけれども、それだけでも、必ずしもその人の体調に合わせたきめ細かな支援ができるとは限らないという点から、体調が不安定な方も元気で、少し体調がよくて来られるときには訪ねてきて、お友だちと話したり、活動する居場所として、地域生活支援センターⅢ型の役割が求められていると私は捉えています。

これまでこの間取り組んできた地域活動支援センターⅢ型の実施状況をお聞かせいただきたいのと、それについて区としての見解をお聞かせください。

(障害者施策推進課長)
精神型対象事業については、昨年10月から実施したところでございます。登録が16人というところで、毎月の延べ人数でいいますと59から100人程度、実利用は日々10名程度を想定しているものでございます。

これら、先ほどのことも踏まえ、事業が充実した、来ることが楽しいという声をいただいております。

なお、先ほどの委員からのご指摘も踏まえて、精神障害者については病気で休む方もいるということを含めて、アウトリーチ等の、いわゆる事業者がその方に働きかけをしてくださいということも求めております。また、運営に当たっては、保健相談所および障害者地域生活支援センターと連携をとって進めているところです。

(かとうぎ桜子)
この地域活動支援センターⅢ型、現在、精神障害の方を対象にしたもののほかに、中途障害の方のためのものもありますけれども、この2か所で、今示されている来年度からの障害者計画の中には、来年度からの計画期間中で、このⅢ型の施設は2か所から増やさない、そのまま維持ということになっています。

精神障害に関して言えば、先ほど述べたように体調が不安定な方の居場所がまだまだ不十分な状況がありますし、中途障害に関しても、余り支援できる期間が多くはないという中で、Ⅲ型の事業所がそれぞれ区内に1か所ずつしかない状態は課題であると私は思います。区内に1か所だと、行きたいと思っていても、物理的に行きづらい方がいると考えられるからです。

今後、既に実施されているこのⅢ型の事業所の実施状況の検証をし、当事者や家族の意見を聞きながらⅢ型の事業の役割の整理、区内に必要な箇所数の検証も行って、数を増やしていくことも検討すべきではないかと思いますし、作業所などの事業所でも、就労まで至らない障害のある方の日中の居場所が不十分であるということについて、課題として捉えて、それぞれの事業所としての独自の取り組みをしようとしているところもありますので、そういった声の聞き取りもしていただければと思います。

障害のある方が地域で過ごせる居場所が不十分だということは、ぜひ今後の課題として捉えていっていただければということを意見として申し上げておきます。