今回が決算での議論の報告の最後です。

まず、介護人材育成研修センターについて聞きました。研修センターは外郭団体である社会福祉事業団が実施しているものに練馬区としては補助を出しているという関係です。研修を現場に活かせる体制づくり、そして災害時対策の研修の必要性について課題を指摘しました。

成年後見制度のことは、質問時間の時間切れでほとんど言えませんでした。
成年後見制度や地域福祉権利擁護事業などを実施しているのは外郭団体である社会福祉協議会です。(こちら

成年後見制度は認知症や障害などで判断能力が十分でない人に後見人がついて契約に関することや財産の管理を任せるしくみ。社会福祉協議会はこの制度に関する相談を受けています。まだまだ、活用の仕方が知られていない制度ではないでしょうか。

また、権利擁護センターで実施しているもう一つの事業、地域福祉権利擁護事業というのは、福祉サービス利用の手続き、支払、生活費の払い戻し、預入、公共料金の支払い、通帳などの預かりといった、成年後見制度よりももう少し日常の生活に関わる手続きの部分をサポートする事業です。昨年度の利用者111人で、こちらももっと活用できるものなのではないかと思います。

区としてすべきことは、そもそも成年後見制度とは何かを分かりやすく示し、相談先は社会福祉協議会であることを案内することで、この質問をしたときにはそういうページがなかったので指摘しました。今区のホームページを確認したらそういうページができてたので、この点はもう直してくれたみたいですね。(こちら

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(かとうぎ桜子)
次に、福祉保健区市町村包括補助事業についてです。
これは包括補助ということで、たくさんの事業に関する補助が含まれているということなのですが、いただいた資料によれば、その中に、介護人材育成研修センター支援経費も含まれるということですので、まず、そのことについて質問したいと思います。

介護人材育成研修センターで、昨年度実施された研修のうち、定員を超える申し込みがあるなど、特に参加希望の多い研修には、どのような特徴があるか、お聞かせください。

(高齢社会対策課長)
昨年度実施いたしました研修内容でございますが、特に、昨年度から介護の職員が医療の知識を知ったうえで、医療と介護の連携を深めていく、サービス提供をしていくところで、新たに研修カリキュラムも組みかえたところでございます。

そういったところからも、地域包括ケアシステムの総論のお話であったり、ケアマネジャーが知っておくべき医療知識であったり、またもう一点、受験を行うに当たりましてのケアマネジャー受験対策講座、こういったところが非常に定員を超えるような形でお申し込みをいただいた研修の内容となっております。

(かとうぎ桜子)
特に現場で生かせるような研修の内容である場合、研修で学んだ内容を職場に戻って続けて実践していくためには、職場の中での共有であるとか、同僚や上司の理解なども必要になってきて、なかなか介護事業所の方々は、日々、現場の仕事をしている中で、研修で学んだことをずっと生かしていくのは難しいとお感じになる場合もあるのではないかと思います。

その点で、研修センターが区内という身近な場所にあって、日常的に接点を持ち得る特徴は生かしていくべきではないかと思います。
研修内容を現場で定着されるための工夫について、研修センターとしてどのように取り組んでいるか、それから、区として、現場における介護の質の向上に対するサポートとして取り組んでいることがあれば、お聞かせください。

(高齢社会対策課長)
研修を受講していただきました研修生の方が、各職場に持ち帰りまして、その職場の中で知識を広めていただくことに関してのお話でございます。

事業団の研修センターにおきましては、それぞれの登録事業所の方々に、研修内容やその振り返りということで、アンケートをとらせていただいております。
アンケートの中でも、職場の中で研修報告書を作成したり、そしてまたそれをほかの職員にも会議の場で報告をする。そして今度、受講なされた研修性がリーダーとなって、職場の中で、再度研修を行う取り組みも行われております。
また、熟練者の方々に受講していただく研修におきましては、複数回の研修カリキュラムを組んでおりますけれども、その都度、その都度、講師からの振り返りの中で、研修生が学んだことをどのように職場の仲間にお伝えしていくのか、こういったやり方についても、カリキュラムの中でアドバイス等させていただいております。

また、区といたしましてはということになりますけれども、まず一つは、この事業団に行っていただいております育成研修センターの内容を振り返りながら、運営協議会の場におきましても、区からもご意見などさせていただき、よりカリキュラムの充実を図ることや、そして定員を鑑みて、プログラムを変更していく。そして、そういったものがトータルで介護の職員の方々の質の向上、区民の方の福祉の向上につながるように、協議を定期的に重ねているところでございます。

(かとうぎ桜子)
昨年度、研修センターで高齢者施設の大規模災害対策というテーマの研修も実施したということですけれども、災害対策について、過去の研修、過去にも行われていたのかお聞かせいただきたいのと、受講生からどのようなご意見が出ていたか、また研修内容がどのようなものであったか、お聞かせいただけますか。

(高齢社会対策課長)
災害対応に係る研修ということでございますが、直近の資料では、平成21年度から実施しております。これは定期的に、毎年行っている研修でございます。

研修の内容というものは、その都度その都度変わってまいりますけれども、昨年で言えば、高齢者施設において大規模災害が発生した際に、入所者の方がいらっしゃいますので、その方に対するケアであったり、広域的な連携、そして、事業を継続していくためのBCP、こういったところを学んでいく研修というものも行っております。

また、東日本大震災のときには、介護の職員の方が災害現場でどのようなことができるのか、どのようなことをなすべきなのかを研修のテーマとして取り上げさせていただきました。

受講生からのご意見ということでございますが、やはり研修を受けてみて初めてわかるポイントが多かったことや、日ごろの備えと、そして事業をいかにスムーズに継続していくところが重要だと、こういったご意見をいただいているところでございます。

(かとうぎ桜子)
先ほどのご説明の中で、研修の内容としては、やっぱり介護制度が変わる部分とか、自分が資格を取得するためであるとか、現場のことであるとか、そういったところが研修として人気がある部分なのかと思いますし、なかなか日々の対応が優先されるので、災害対策については、どちらかというと、日々のことよりも後になりがちな部分もあるということが心配なところです。

ただ、東日本大震災の状況を見ても、要援護者への支援という点で福祉施設に求められた対応も多くありますし、訪問介護の事業者としても、利用者の安否確認を果たす役割も大きかったと伺いますので、災害に対する研修というものを、ぜひもっと多くの方に参加していただけるように働きかけるとか、研修内容も、さらに回数を増やすとか、充実させていく必要があるのではないかと思います。

区として事業団に対してそういった意見も、ぜひ言っていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

(高齢社会対策課長)
私どもといたしましても、研修の内容というものは、日々変わっていくととらえておりますし、介護の受講生の皆様が求めているものも変わってくる。こういった観点から、事業団、そして区、介護の事業者の皆様にお集まりいただきまして、運営協議会を設けております。この運営協議会の中で、私どもからもご意見申し上げるとともに、事業団がより充実した研修体制が組めるようにと、引き続き支援を図ってまいります。

(かとうぎ桜子)
ぜひよろしくお願いします。

それで時間がないので、意見だけ申し上げますけれども、同じ補助事業の中に、権利擁護センターの運営費があります。社会福祉協議会が権利擁護センターということで、成年後見制度とか地域福祉権利擁護時事業をやっていらっしゃいますけれども、まだまだ十分に活用されていない面があるかと思います。

成年後見制度のことについて、練馬区のホームページにあまりきちんと載っていないし、社会福祉協議会のリンクなどもわかりづらい状況にありますので、区としても、ぜひ多くの方に成年後見制度のことがわかりやすいような啓発をしていっていただければと思います。