議会の医療・高齢者等特別委員会で「地域包括支援センター本所の民間委託」について報告があったこと、以前のブログ でも詳しくご報告しましたが、この問題について改めて一般質問で取り上げましたのでご紹介します。

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(かとうぎ桜子)
地域包括支援センター本所の民間委託について伺います。

区は従来、行政直営で運営してきた4か所の地域包括支援センター本所のうち3か所を来年度から民間委託する方針を出しました。その大きな理由は、主任ケアマネジャーの確保が困難であるからと伺っていますが、特に高齢者虐待への対応という重要な点でしわ寄せが生じないか懸念しています。虐待対応のうち、立ち入り調査と保護については行政が実施するものの、虐待の相談・通報の受理、事実確認、安全確認、他機関との連携と問題解決については委託した地域包括支援センター本所が対応することになるからです。

虐待対応を委託することに慎重にならなければならないのは、当事者の個人情報の取り扱いにより一層の慎重さが求められること、個人情報保護の点から民間事業者が対応する場合に警察など他の行政機関との連携に支障が生じないか懸念されること、虐待の有無に関しての判断が誤らないよう明確にしておかなければならない責任の所在が不明確になることなどが心配されるからです。
区としては現在、具体的にどのような方法で虐待問題への対応を民間委託しようと考えているのでしょうか。情報公開および個人情報保護運営審議会の資料によれば、区の作るマニュアルを参考に、委託する事業者に虐待対応マニュアルを作成させるとのことですが、具体的にどのような点に留意して進めるのでしょうか。また、区との役割分担をどのように考えているのかをお聞かせください。

福祉部長
地域包括支援センターについてです。

地域包括支援センターは、早期発見に努め、虐待があった場合、関係機関と連携して、高齢者の保護や家族の負担軽減等の支援を行っています。
平成27年度から、区は、法律上可能な範囲で、相談・助言、虐待通報の受付、高齢者の安全確認等の業務を民間に委託します。委託事業者は、虐待に関する通報等を受けた場合、客観的な事実に基づき、迅速・正確に情報を把握して、速やかに区に報告する役割を担います。

区は、委託後も、委託事業者から虐待通報の報告を受けたときは、緊急性等の判断や総合調整の役割を担い、検討会議を開催し、個別の事情に応じて関係機関との連携による対応方針を決定します。
一方、委託事業者は、単独で虐待の有無の判断等を行うことなく、対応方針に基づき、区や主治医、介護支援専門員等の関係機関と連携し、チームの一員として解決に当たります。委託事業者が、高齢者の安否確認や継続的な相談に応じるため、高齢者や家族等と接する際、関係者の尊厳の保持に留意した適切な行動をとる必要があります。そうした観点から区は事業者に対してマニュアルを定め、日頃から研修を行うよう求めます。

今後も区は、委託事業者と協力して、虐待予防の広報・啓発に努めるとともに、虐待の会解決に向けて、高齢者の権利擁護を優先し、成年後見制度の活用や老人福祉施設への入所措置等、主体的に役割を果たします。また、委託事業者が確実に業務を履行できるよう、適切に指導・監督を行います。