4jioyatu 江戸風俗を題材とした作品を描き有名になった著者の有名な「オヤツ」をテーマにしたショートストーリー集。



『チョウシ屋のコロッケ』は姉妹の他愛ない会話がショートストーリーとしてまとまっている。
帰宅した姉と、自宅で年賀状を書く妹。
ガサツな姉と、神経質そうな妹。
正反対の二人の会話に、チョウシ屋のコロッケが小気味よく絡む。
コロッケのあたため方1つ取っても二人の手法は全く違う。
短い物語の中で、姉妹の仲の良さと日常が伝わってくる。



4時という中途半端な時間は、ハンパだからこそ口寂しくなると著者は説く。
その口寂しさとはなんだろうというのを読み、なるほどと思った。

カラー写真で各テーマになっている「オヤツ」の写真があり、お腹がすいてしまう本だ。
食べたいなと思わせる演出が散りばめられている。
超短い物語なので手軽に楽しめる1冊となっている。


新潮社 2004年>


著者: 杉浦 日向子
タイトル: 4時のオヤツ