けっこう大した男だと思っていても、結局、女でつまらなくなっている男って幻滅する。
アタシは松田優作が好きだった。
理由は、彼は、常日頃から仲間たちに
「おまえたらは、オレに勝つことができない。なぜなら、オレは24時間映画のことを考えているからだ」
と、いっていた。
と、いう逸話をきいたからだ。すげぇー。大した男だと思った。そんなタンカをキレるなんて、よほど自信があるのだ。そして、評価もされている。単純にすごいと思った。
アタシは力を見せびらかす男が好きだ。いや、見せびらかすくらいの力を持っている男がだ。
力は、金を持っているとか、頭がいいとか、そういう問題じゃなくて、自分に自信があるかどうか。そんなところに感じるんだと思う。
だいたい、アタシらみたいな物書きなんて、絶望感と劣等感に満ちている。
だから、力の方向に向かう。
ちょうど、草木が太陽に向かうように。
見せびらかすだけの力を持ち合わせていない口だけの男は殺しても殺し足りない。
えびぞー。けっこう、悪くいわれているが、アタシは納得する。歌舞伎のことは大学で何回か観に行ったくらいだから、まったくわからないけれど、あれだけの美貌で、家柄がよく、かつ、才能がある。なんて、あんな風に高飛車になってしかるべきだ。だれだってなるよ。あれなら。
だから、アタシは、えびぞーは悪くないと思っている。あの振舞は当然だ。
で、優作にもどるが、そんなすごい映画人のくせに、私生活では、l若い女に乗り換えて、再婚したりするでしょー。もぉー。幻滅したぁー。それ知ったとき、マヂ、幻滅したぁー。すごいヤダー。
優作が急にアタシの中で価値のない存在になったものだ。
でさぁ、黙ってらんなくてさ、いっちゃうけど。
まっちゃん。結局、お天気おねえさんかよ!
全然ダメじゃん……。
すごいヤダー。すごいヤダー。しかも、デキ婚。ヤダー。
まっちゃんには世間でいわれるような才能を感じたことはないし、そもそも、知らない人だから、なんなんだけど、いま、アタシの中では、すっごい、つまらない男になり下がっている。
アタシの友達たちから、ずいぶん、彼の話はきいてるが、そんな、常人だったとは、がっかり。きいてた話とちがぁーう!!
女の価値はその男で決まる。
なんていわれていたが、いまや、アタシは「男の価値こそ女への態度で決まる」と思う。
アタシはいろんな男をみてきたが、女にうつつをぬかしている男はたいがい、会社をつぶしたり、借金で自転車操業だったり、意味もなく、クルーザーとか買っちゃって、そっこー、売り払ったりと、バカな人生を歩んでいる。
対して、女嫌いに等しいような男は概して成功している。地味に小さい会社や自分ひとりで自営業。とかやってたりするから、目立たないが、蓋をひらくと、腐るほど金を持っていて、何十億もする西麻布のビルをいきなり、買ったりした男もいた。
で、アタシがいいたいのは「英雄色を好む」って嘘だよねぇー。ってこと!
さもなきゃ、あれって、日本では通用しない。どうよ?
ってか、なんか、つまらなくなるのかなぁ。お笑い界。
アタシって笑いのツボがズレてるとかいわれるけど、けっこうブレイクする人、あててるんだよねぇ。
笑いとセックスがなくなったら、この世は真っ暗闇だ。
ああ、今日こそ、あれを使おう。あれを。タイのね!