2018年1月25日。

13歳のお誕生日を迎えた桃太郎。

その翌朝早く、桃太郎は神様の元へ還っていきました。
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まだ一歳になったばかりの時にひき逃げに遭い、脊髄の11番から13番という、最も大切と言われる所を粉砕骨折した桃太郎。

大手術を受けた後の先生からの一言は、『助からないかも知れないし、助かっても一生涯、歩けないし、自己排泄も出来ないでしょう。』でした。

桃太郎を連れて帰り、泣きながらオムツをして桃太郎を三階に置いて下の階で少しの間用事を済ませてから行くと、

なんと!

歩けない動けないはずなのに、トイレシーツをひいてある方にオムツがコロンと転がっている?!

ちゃんとその中に用を済ませ、律儀に脱いでいるなんて(笑)

その事態を一瞬で理解できないでいた私は狐につままれた感覚に陥ったほどです。

そして、なんとその2週間後にはヨタヨタ左右に何度も倒れながらも前脚をフルに使って後脚を見事にカバーして歩いてみせる姿を見せてくれた桃太郎でした。

こんな奇跡が世の中、本当に起こるのだと桃太郎は教えてくれたのです。

それからも3年おきぐらいに3ヶ月くらいのタームで痛みと共に歩けなくなることが何度かありました。

言葉を持たない桃太郎の、目に涙を溜めて痛みに耐える姿を、祈りを込めて摩ることしか出来ない、痛みや苦しみをどうもしてあげられない自分の無力さが悔しかったし、

ほんの一瞬の事故という出来事の為に、桃太郎の一生が不自由や痛み、苦しみを強いられることへのどうしたらいいかわならないほどの申し訳なさを感じ、自分を責め続ける私に、

『母ちゃん!大丈夫だからね!』と言わんばかりに、いつも必ず奇跡の復活を見せ続けてくれた桃太郎でした。

藤沢まで一緒に車椅子を作ってもらいに行ったよね!

車椅子が出来るまでの間、近くの公園に行った時の草木の緑と桃太郎の白いコートのコントラストの美しさは今も目に焼き付いているよ!

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出来上がった桃太郎専用の車椅子も、作ってくれた職人さんが驚くほど早く乗りこなして、爆走してみせてくれたんだよね^_^

本当にイカした凄いヤツだよ!桃ちゃんてば!



そして・・・、

脊髄の損傷からくる後脚の麻痺の他に、とても大きな目を持つ桃太郎は、よく目に傷がつき、エリザベスカラーをしては、何ヶ月という単位で動物病院に何度も何回もかかり続けた私たちでした。 

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病院では先生に威張る、威張る(⌒-⌒; )

私が先生の代わりに、指示通り桃太郎の処置をしたりしていたほどでした(笑)

それでもいつも必ず復活してくれ、先生さえも驚くほどの回復を見せ続けてくれた桃太郎です^_^

【伏見桃太郎 】改め 【不死身桃太郎】です!

それでも・・・、

薬も沢山投与したし、歩けなくなったり、いろんな不自由を強いられてきた桃太郎だったね。

後脚の不自由さ故に、あちらこちらで擦りむいた両脚や、

血が通いにくくなって血色の悪い薄い色になってしまった肉球や、

同じく血が通いにくくなって、耳の毛細血管に血が行き渡らず、耳のフチが硬くなり、ポロポロと剥がれ落ちてしまった両耳や、

正に満身創痍だっただろうに、本当に、本当によく頑張って生きて生きて、命いっぱいにキラキラした眩しいほどの輝きで生ききってくれました。

最後の最後まで、痛みや苦しみを押し隠し、私に心配かけまいとした桃太郎。

最後の夜。

さくらの時と同じように、桃太郎と出逢ってから、ずっとずっと恐れていたその時が近づいていることを感じていた私は、

桃太郎をベッドに上げて、桃太郎と手を繋ぎながら、夜中の1時半過ぎまでこれまでの感謝を伝えました。

『桃ちゃん、生まれてきてくれて、お母さんを選んでくれて本当にありがとうね!』、

『今年もまた大沢川に桜を見に行こうね!』と、これまで共に歩んできた時間に想いを馳せながら、伝えきれないほどのたくさんのありがとうを伝えました。


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最強寒波が押し寄せ、この暖かい清水まで風花が舞う中、何も食べなくなった桃太郎を連れて、いつもの杉山先生の所へ行ったその日。

『寒くない?桃ちん。』と毛布をかけ直すと、その隣で、いつも5匹の中でも仲良しの菜々子が、まるでこれから起きることをすべてわかっているかのようにぴったりと桃太郎に寄り添って寝てくれていました。

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うつらうつらと眠りに落ちながらも、ふと目が覚めては桃太郎の背中に手を当て、息をしているか確認し、

朝5時、3度目のその時、桃太郎の背中が動いていないとわかった瞬間。

飛び起きて、全盛期の半分以下になってしまった軽い桃太郎を抱き上げ、名前を呼びながら大声で泣きました。  

胸の奥が締め付けられる痛みを感じるほど悲しいのに、やっと楽になったねと安堵した気持ちが入り混じった、相反する感情を同時に感じるなんともいえない感じを持て余す、さくらの時と同じ感覚に包まれながら泣きました。

隣に寝ていながら、何故その時を見守っておくってやれなかったのかと後悔する私に、優しい人たちは『一緒に寝ているから、安心していったんだよ。』、『敢えてかこさんが寝ている時にいったんだよ。』と声をかけてくれました。

本当に我慢強く、痛みや苦しみを見せまいと、いつでも生命力に溢れ生きる姿は、もうあっぱれとしか言いようのない立派なものでした。

彼の生き様や存在は、正に私の生涯の誇りであり、宝です。

小さな身体で、とてつもなく大きな存在感を放ち続けた桃太郎。 

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寝てる姿ばかりですね(笑)

枕にしたり、されたり^_^

いつも笑いを振りまき、みんなを笑顔にさせた桃太郎。 

すべてを理解していた小宇宙を宿したような深く澄んだ大きな瞳と、

私やみんなを守る為、私の言葉ひとつを決して聞き逃がすまいとピンと立った大きな耳と、

こんなに平らでいいのかと思うほど潰れた愛らしい鼻と、

大きな海苔のついたおむすびみたいな愛嬌たっぷりの口元と、

一歳の時の大手術で一部分へこんだ背骨と、

後脚の弱さをカバーし続けて鍛え上げられた強靭な肩と前脚と、

それとは反対に、事故の後遺症で頼りなげな痩せた後脚と、

うれしい時は可愛く左右に優しく揺れる小さなお尻と、

名前を呼ぶと一緒になってまるで歌を歌うようにリズムをとって吠える意外なほど可愛い啼き声。

そのすべてが愛おしく、

とんでもなく愛おしく、

とても言葉で表現出来ないほど愛に満ち溢れたその存在は、

信じられないくらいあったかくて、優しくて・・・。

そんな桃太郎と過ごした13年間は、神様からのギフトに違いありません。

これは今年のお正月に、もう車椅子に乗せても歩くのさえも億劫になっていた桃太郎が、嘘のようにたくさん歩いてくれ、疲れ果てて菜々子の背中に寝てしまった時の桃太郎です(笑)



きっと桃太郎は、最後に一生懸命すべてを振り絞って歩く姿を見せてくれたのだと思います。



どれほど桃太郎の存在に助けられたことか!

いつも桃太郎はこの上なく桃太郎であり続けてくれました。

ここ2年で段々に、そして、最近では加速して日に日に痩せて弱っていく桃太郎の姿が、本当に、本当に切なく、愛おしく、

その汚れない、美しく、純粋なたましいに触れる度に素早く癒され、

何も望まず、ただただ私と、私の人生に寄り添い生きるその姿は、淡々と、そして、シンプルに生きることの大切さと尊さを説き続けてくれ、

日々、色々な事に捉われ、醜さや汚さ、そして愚かさ故に、心に隠し持つ武器につい手を伸ばしそうになる私を、正しく愛に還るよう導いてくれました。
 
私を選んでくれたキラキラした命たち。

私より後に生まれて、私より先に歳をとっていく彼ら。

尊い、でも決して長くはないその命を、

私を選んでくれ、全幅の信頼をおいて寄り添い、そのかけがえのない一度きりの生涯を預けてくれる事への感謝に胸がいっぱいになります。 

だから、最後の最後まで見届ける事が、その命を預かる選んでもらった人間の役割。

まったく私はどれほどの愛をもらい続けてきたことか!

おくるのはとても辛いことだし、こんなに切ない事があるのかと思うけれど、

やはり遺るのは【ありがとう】と【愛と感謝】だけです。

私にとってその存在は正に【愛そのもの】。

桃太郎、よく来てくれたね!!!

私を選んでくれてありがとう!!!

さくらやメロンには会えたかな?

かーくんと、そして、桃太郎によく似た作太郎じいじにも会えたかな?(笑)

虹の橋には、いつでも下界を見る事ができる穴があるんだってね!

いつ桃太郎に見られても恥ずかしくないような人生を送ると約束するよ^_^

この世の学びを終えて、あなたにまた会えるその時まで、精一杯生き抜くと約束するよ!

桃太郎。

仲間を次々に従え、強く、優しい正義の味方のあなたにこれ以上にぴったりと似合う名前はないと、名付け親の私は自負しているよ^_^

たくさんの人に愛され、桃太郎だけに桃色が似合うあなたは正に愛のかたまり。

あなたと過ごした13年間は、ありがとうだらけの時間でした。

まるで寝ているだけのような、与えられた命を生ききったあなたの勇姿を、目に、胸に焼き付けているよ。

優しくて、強くて、お茶目過ぎる桃太郎のこと、ずっとずっと忘れないからね!

これからはどこに行くにも一緒だよ!

だってあなたは私の心の中に永遠に生きているのだから^_^

桃太郎。

本当に、本当に、ありがとう!!!

桃太郎。

本当に、本当に、愛しているよ!!!
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