年収1千万円を超えるタクシー運転手さん達の特集番組で、
幾つか面白いお話を聞きました。


・個人タクシ―は経営者向きの人でないと大変だということ
・バブル期以降も、コンスタントに稼ぐコツがあること

前者は当然ですが、心からなるほどと思えました。

「個人タクシーは、勤務体系が自分次第なので、サボったり、
 パチンコに行ったりして、自滅する人が少なくない・・・」

「個人タクシーは、マネイジメント能力と営業力が大切。
 それがないなら、タクシー会社に帰属した方が良い。
 まるで、独立起業家とサラリーマンの対比のよう」

ちなみに私は、会社を辞めた後、一つだけ誓いを立てました。
『5時までは絶対に飲まない! 仕事以外では』

続いて後者は、本当に勉強になりました。

「世の中の流れを徹底的に勉強する。
 新聞を何誌も毎日読み、インターネット、雑誌にも目を通す」

「そうすると、人の流れが読める。例えば、コンサートがある日は、
 終演時間にその辺りを流すと、お客さんが掴まえられる。
 また、様々な情報、気配りが常連さん獲得へ寄与する」

“確かに!”、そう思いました。
なぜなら、そんなタクシー運転手さんに会ったことがあるからです!

今から15年ほど前、私がまだ30歳過ぎだった頃。
当時私は、財務・税務責任者として、あるM&Aを担っていました。
その時の相手側は、私よりも20歳以上年上、業界のキレ者。

始めは慎重にことを進めていましたが、打ち合わせが長引いたある日、
その方の部下とその方、うちの人事部長と私の4人で飲み、一変しました。
じっくり話すと、めっちゃ面白い方で、なんと出身地・京都が一緒。

それからは、なごやかにM&A作業が進み、うちが買収側なのに、
遅くなった日には、よく飲みに連れて行って頂けるようにもなりました。
時には、仕事の取り組み方まで教えてくださったのですが、
その方が、スーパー個人タクシーの常連さんだったのです。

都心から離れた場所に住むその方は、日付が変わるといつも、
決まった個人タクシーへと電話されていました。
ある日、その方の家とは逆方向の私の家まで送って下さり、
その時、そのタクシーに初めて乗せて頂いたのですが・・・

本当にビックリしました!!!
ソファーはゆったり、しかも、ビール、お水、コーヒー、ユンケル、
雑誌、果ては、様々なCDまで常備されていました☆

~ 飲みたくなったらお酒♪ 眠たくなったらベッド♪ ~
まるで、ピンクレディーのUFO状態でした・・・(古いですか?!)

とっても感銘を受けたので、その方にいろいろ聴いてみると、
何名も常連のお客様がいて、その方々からお呼びが掛かりそうな
時間までは、都内のオフィス街近くを流して連絡を待つとのこと。

考えてみれば、遠くに住む人ほど、心地よいタクシー、
寝ていても安全に送り届けてもらいたいものですよね。

実際、私がお世話になった方は、いつもその方に電話されており、
飲んだり、カラオケを延長しながら、1時間待ったこともありました。

締めは、いよいよ
出張で出向いた海外でのタクシー運転手さんのお話を!!

そこは英語の通じない国だったので、宿泊ホテル名を見せ、あとは、
片言現地語やり取りだったのですが、乗って暫くすると不安が・・・

明らかに、来た道とはコースも景色も違っていました。
そして、送り届けられた場所は、宿泊ホテルとは全く別の場所・・・

違うと告げると、少し悩んだ素振りを見せながら街中をぐるぐる。
行きの料金を遥かに超え、内心“やられた!”と落ち込んでいると、
暫くして、やっとホテルに着きました。

ここまでぼったくられるとは、“ト・ホ・ホ・・・”と思いながらも、
運賃を尋ねると、悩んだ素振りの運転手さんが書いた金額は、

なんと、表示された運賃からは“はるかに”、そして、
行きの運賃からも“ずっと安い金額”だったのです!!!

どうやら本当に行先を間違えていたようで、時間が掛かって悪いと、
とても安い金額を提示したのです(会話では確認できませんでしたが)。

夜中でとても疲れていたのですが、嬉しい気持ちで元気になれたので、
チップのない国ではありましたが、深夜だからと、
行きの運賃を上回る金額になるよう、チップを添えて手渡しました。

運転手さんは、申し訳なさそうに、でもとても嬉しそうでした。

『万国共通☆ ビジネスで成功するヒント!』

それは、たゆまぬ努力とサービス精神、

そして、やっぱり、
全ての基本は、“誠実さ”、
宇宙法則そのものだと感じた出来事でした☆

ちなみに、この旅には後日談までありました。

なんと私たちは、クレジットカードの入った配布を
そのタクシーに忘れてしまい、連絡先も判らぬまま、
翌日早朝には、日本へと帰国することになってしまったのです。

本当に落ち込みました。。。
それでも、仕方ないので、急いで、カード会社に使用停止の連絡をし、
完全に諦めようと自分に言い聞かせていたところ、
出張先のホテルより連絡がありました。

なんでも、あのタクシー運転手さんが、
私たちの財布ではないかと思い、
翌日、わざわざホテルまで届けてくれたのでした。

お陰様で、数日後には、日本にいる私たちの手元へと、
海を渡って、その財布が戻って来ました☆

勿論、中身は全てそのままで!!!!!

やっぱり、全ての基本は“誠実さ”だと、改めて痛感し、
心から感謝で一杯の“大切な旅のエピソード”となりました。





本当に、有り難しです♪