現在の海苔養殖の技術の基礎を作りましたイギリスのキャサリン・メアリー・ドリューさんの功績を讃えて、毎年4月14日熊本県宇土市でドリュー祭が執り行われています。
宇土半島が面する有明海では、海苔(のり)の養殖が盛んに行われています。
その有明海を望む住吉神社に、キャサリン・メアリー・ドリュー(1901~1957)という女性の顕彰碑が建っています。
養殖海苔の恩人
キャサリン・メアリー・ドリューの顕彰碑
日本人は古くから海苔を食べていましたが、採集が大変で貴重なものでした。江戸時代初期にノリヒビといわれる竹や木の枝を干潟に立てて作る方法が考え出されましたが、海苔の種は確実につくものではなく、海苔の生産は不安定でした。
昭和30年代までは、金を出して種がよくつく場所で種つけをし、自分たちの漁場に持ち帰って海苔を育てていました。
大損することもあったので、人びとは天候や環境に左右されず、確実に種つけできる方法を望んでいました。
人びとの望みに光をもたらした人こそ、イギリスの海藻学者ドリューでした。
それまで海苔の胞子が春に海苔の成体から放出され、秋にノリヒビにつくことはわかっていましたが、夏をどう過ごすのかが不明でした。
イギリスのマンチェスター大学で海藻の研究をしていたドリューは、1949年(昭和24年)のある朝、海岸を散歩していてカキの貝殻に黒い糸のようなものを見つけました。
それを顕微鏡で見てみると、
カキの殻にもぐった糸状の生物(糸状体)でした。つまり、海苔の胞子は貝殻に潜って夏を過ごすことを発見したのです。
海苔の胞子が付いたカキ殻
カキの殻にもぐった糸状の生物(糸状体)でした。つまり、海苔の胞子は貝殻に潜って夏を過ごすことを発見したのです。
海苔の胞子が付いたカキ殻
ドリューは九州大学の瀬川宗吉教授にこのことを伝え、教授から熊本県水産試験場へ伝達されました。
それから研究が重ねられ、ついに人工採苗に成功しました。海苔生産に関わる人びとにとって悲願の海苔養殖への道が開かれました。
まさに、
ドリューは人工養殖の生みの親、今日の海苔養殖発展の恩人
といえる人です。
海苔生産に関わる人びとは、ドリューをたたえるために募金を集め、日本を代表する海苔漁場、有明海を望む住吉神社の一角に昭和38年(1963年)に顕彰碑を建てました。
毎年4月14日には顕彰碑の前でドリュー祭が行われ、日本とイギリスの国旗が飾られ、ドリューが大学で学位を取ったときに身につけたガウンと帽子が顕彰碑に着せられます。
【参 考】
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