華麗な薔薇を着飾る貴族(婦人)たち

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現代の薔薇に 多大な功績を残した ナポレオンの妻
ジョゼフィーヌ皇妃

1763年6月23日~1814年5月29日

フランス革命(1789年7月14日~1794年7月27日)
薔薇に陶酔し フランスのパリ郊外のマルメゾン宮殿の庭に
薔薇園を作った ナポレオン一世の妻 ジョゼフィーヌ皇妃が
登場します。 以後 ジョゼフィーヌは、薔薇の歴史には
かかせない人物となりました。


ジョゼフィーヌ皇妃は、フランスの西インド諸島マルティ二ーク
島で 裕福な貴族の娘として誕生します。

1779年アレクサンドル・ド・ボアルネ子爵と結婚し 長男
ウジェ-ヌ(1781~1824)と 長女オルタンス(1783~1837)
一男一女が生まれますが、1783年に離婚します。

……

その後ナポレオンと出会い 求婚されたジョゼフィーヌは
1796年にナポレオンと結婚し

1804年 ナポレオンが皇位に就いたことで、ジョゼフィーヌは
皇妃となります。

……

ジョゼフィーヌは、恋多き女性でもあったようです。
数々の情事を受け止めてくれたナポレオンをジョゼフィーヌは
次第に真摯に愛するようになっていきます。

… が、反対にナポレオンが、他の女性へと気持ちが移って
いくことになります。

ナポレオンと愛人との間に 息子が生まれたことや
ジョゼフィーヌとの間に嫡子が生まれないことを理由に
1809年に離縁し

ナポレオンは、マリー・アントワネットの姪でもある
オーストリア皇帝の娘 マリー・ルィーズと再婚します。

……

その後のジョゼフィーヌは?

ナポレオンが ジョゼフィーヌ皇妃のために贈られた
パリ郊外のマルメゾン宮殿で 余生を送りながら
亡くなるまで 皇帝の妻としての「皇后」の称号を保持し
続けていました。

植物が大好きなジョゼフィーヌによって、たくさんの種類の
植物が宮殿の庭に植えられました。

特にジョゼフィーヌの愛と情熱は、多くの薔薇へ注がれて
いきます。

ヨーロッパや東洋へも人を派遣し、たくさんのめずらしい
薔薇の品種を収集しました。

庭園に集められた植物を ベルギーの植物画家
ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ(1759年7月10日~1840年6月20日)
に描かせ
後世に記録を残しています。

また育種家の ジャック・ルイ・デメス(1761~1839)
アンドレ・ドゥポン(1756~)など マルメゾン宮殿内に招き
新しい新種など 続々と生み出すなど 世界で初めての
「人工交配」が行われ、多くの薔薇を生み出しました。

ジョゼフィーヌが、植物…  特に薔薇にかける 愛と情熱が
なければ 現代の多種多様な薔薇が、こんなにも広がりを
見せることがなかったとも言われ、薔薇の歴史上多大な
影響を 現代に残しました。

マルメゾン宮殿の庭園には、約250~300種類
約3万本にも及ぶ薔薇が植えられていたと言われます。

…… つづく



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