蕎麦を啜る | sakigokochi

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気まぐれにあれこれ


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                  愛してる



         

                  ただの


                  一言だけ


                  君はわたしに


                  そう言ってくれた





                  ただ不器用に


                  ただ真っすぐに




                  あの時の


                  君の


                  その言葉を


                  信じていないわけではない




                  ただ


                  君と


                  わたしの


                  愛してる


                  が


                  重ならないだけ





                  だから


                  きっと


                  今も


                  わたしは


                  君を


                  愛してる





                  ただ


                  重ならないままの


                  お互いの


                  愛してる


                  を


                  そのままに


                  したくないだけ




                  わたしは


                  君を


                  傷つけて


                  しまっただろうか





                  またね


                  と言って


                  振り返らないまま


                  歩いてゆく


                  君の背中を


                  見送った後


                  蕎麦を啜ると


                  胸が


                  閊え


                  苦しくなった





                  @sakigokochi