野村萬斎/野村万作 親子の舞台をみにいってきました。


去る秋の雨上がりの日に


吉祥寺月窓寺にて行われた薪能(たきぎのう)。




ほんのりと夜の帳が降り始めるころから

三々五々、集まる人々で

ぎっしりと埋まる境内。




樹齢何百年にもなる大きな樹々の下で

皆が静かに

心をひとつのものに向かって

集中させている



その日の為に作られた能舞台を

赤々と照らす松明。




張りつめた空気に

更に甘くなっていく夜の光。



虫の鳴く声や 風の音 樹々のざわめき



あたりはすっぽりと闇に包まれて


いつのまにか

あの世とこの世を自在に行き交う幽玄の世界に

迷い込んでいた

驚きの体感。







世を捨て

身を捨て

心を捨てて

絶対無力の空洞になって

その身を風に

雲に

なにか大きなものに任せることで

許され 癒されていく あの感覚。




自分があまりにも無力な存在であること

無用な存在であること


その心地に久々に

連れていかれる 

異界への旅。






神事としての能、

異界と出会う物語を求める人。



日々の訓練の賜物として

何か大きなものと太く繋がり

その舞台を提供する能楽師たち。





刻々と移ろう世と 

太古から変わらぬ自然の理の中で。



日本の伝統芸能の凄さを

実感しました。


***


アーユルヴェーダが

3000年以上も昔からの

伝承医学であり



現代に生きる我々に

提示できる深淵があるとしたら



それはこのような形ではなかろうか

と、


日常と非日常の狭間を

行き来で出来る存在としての

セラピスト

という理想。




日々いらしてくださる

お客様との時間が

翌日からより

大切なものとなった

私でした。


Great Thanks for  Ryoko Nitadori