高校生の時、明智光秀に狂っていた。生身の男性には興味はなく、ひたすら彼が好きだった。文学少女であった私は、粗野で権力志向で突き進む武将より、有職故実をはじめとする朝廷のマナーを熟知し、文芸面に優れ、洗練された光秀に憧れた。

 

 その光秀が起こした「本能寺の変」は日本史上謎とされ、いろいろな憶測がされてきたが、近年、研究が進み、絡み合った糸が少しずつ解けてきている感がある。


 著者は光秀の子・於つる丸の子孫。天正10年6月2日未明の謎を、詳細なデータ分析で書き上げた。人の心のミステリーが一点に集結した時の恐ろしさ。その時、歴史が動く!