セイのまったりB級映画のブログ

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B級映画や特撮映画・番組のブログです。映画ネタバレ注意。ホラー映画やパニック映画が苦手な方はご注意ください。

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X-MENシリーズは原作も映画も好きですが、

CM見て久々にお茶吹きましたよ。




ウルヴァリン -SAMURAI-





・・・・・・・・・・え、なにこれ?


ま、まじ?本気でこんなタイトルなの?


え、嘘ですよね!?嘘だよね!


ウルヴァリンさん日本語でサヨナラ・・・とか呟きながら倒れたりしないよね!?






・・・・・・企画した奴、一歩前へ出て歯を食いしばって目をつぶりなさい、いや出ろ。今すぐ!!




あの偽ガッチャマンで「うわぁ・・・・・」と思ってたら次はコレですよ。アホなのか?日本もアメリカもバカしかいないのか?

【ジャンル】ダークヒーロー気味映画


【こんな人におすすめ】ザ・フライとか好きな方


【こんな人にはおすすめできません】近くにムヒが無い人


【ストーリー】

原子力研究所の研究員ジムは、研究所にロボットが導入されたことにより肩ポンされて仕事を失い、おまけに同僚が妻と浮気しているところを見かけてしまい完全にヤケクソになり投身自殺をしようとするが、たまたま出会ったデーブと言う男に慰められ酒場で一緒に酒を飲む。しかしデーブの目的はダメ男を助けることなどでは無く、人体実験に使えそうな、つまり死んでも誰も気にしないような人間をスカウトすることであった。蚊を使った新型ワクチンの実験に利用され命を落としたジムであったが、そのワクチンと勤務先の原子力研究所で身体に浴びていた放射能が反応し、蚊の能力を得た超人へと変貌。その能力を使い、自分を傷つけた人間にしょっぱい復讐を開始するのであった。


【感想】

打率1割のポンコツ打者であるアルバトロスフィルムですが、グレイヴ・エンカウンターズという奇跡的特大ホームランをかっとばしました。そしてその次に僕が見たアルバトロス配給の映画がコレです。

ストーリー的には「ダークマン」とか「ザ・フライ」のように意図せず異形の姿になった男が・・・・というものです。そもそも主人公が私怨のためにしか能力を使わないのでヒーローと言う感じがあまり無く、見た目も帽子を取ったフレディみたいなグチャグチャの顔面なのでイロモノ臭がキツイ映画です。

ただ、蚊人間そのものは意外と悪くなく、強靭なパワーで人間をとっ捕まえて蚊の口吻で血を吸いつくしたり大量の蚊を操って姿をくらますのとか結構面白いです。ま、普通のヒーローの能力に比べるとクッソ地味ですが・・・・



後、ラストで最大の障害となるのが巨大電撃殺虫器なのは笑いましたw



個人的には蚊取り線香でピンチになる描写とかあったらもっと面白かったんですが・・・・モスキートマン、日本で誕生してたらコンビニの店先とかでアッサリ感電死してたんじゃないでしょうか。いやぁ~、アメリカでよかったね!

ターゲットが嫌な上司とかクソ浮気妻とかそんなんばっかりで強敵と戦ったりする展開にならないので規模があまりにも小さくて全然爽快感が無かったり、蚊のくせに羽で飛ばない(多分予算不足で飛ばせなかった)とかアルバトロス映画らしいダメ要素なんかもありますが、


そもそもインパクトだけの出オチ映画であること、そしてアルバトロスが配給してること・・・以上を考慮すれば意外と楽しめるB級映画かなと思いました。100円レンタルぐらいならいいかも・・・っていう感じのB級ですね。

【ジャンル】スラッシャー映画


【こんな人におすすめ】マイケルよりジェイソン派の人


【こんな人にはおすすめできません】ジェイソンみたいな殺人鬼がダメな人


【ストーリー】

マイケル・マイヤーズによる惨劇から10年が経過。当事者であったローリーは1年前に事故で他界。マイケル本人はルーミス医師の決死の自爆攻撃により10年もの間、こん睡状態に陥っていた。しかし、あの恐怖の殺人鬼を病院に置く恐怖に耐えきれなくなった院長はマイケルを移送することとなり、その移送中に看護師たちの「ローリーにはジェイミーという娘がハドンフィールドにいる」と言う言葉に呼応するかのように突如マイケルが目覚めて看護師を惨殺し逃走。マイケルがジェイミーを殺すためなのかハドンフィールドへと行こうとしているという情報を耳にしたルーミス医師もハドンフィールドへ向かう。僅か7歳の少女ジェイミーに恐怖のブギーマンが迫る・・・・・


【感想】

「1」でスラッシャー映画の基礎を確立し「2」で完全に現在まで続くスラッシャー映画の骨組を作りつつも「3」でマイコーと全然関係の無いわけのわからない超絶駄作ポンコツ外伝を産み出してしまったハロウィンシリーズ。製作も「あっ、やばっ、「3」完全にやっちゃったわ!ナシナシ!!「4」からはまたマイコーの話やろう!」となったのか、この「4」では「2」から完全に直結した続編になりました。

ちなみに「1」「2」のヒロインローリーは既に交通事故で他界(その後「H20」でやはり生存していたことが明らかに)、ヒロインは娘のジェイミーに移りますがこの子がまた「4」「5」ではロリコンおじさんに追いかけ回されて「6」では怪しいカルト教団にとっつかまって子供まで孕まされた挙句にその後殺されてしまい「H20」では製作から「ジェイミーなんか最初からおらんかったんや!ローリー最高や!」と存在まで消されてしまう悲しい存在である。

さて、この映画は単発で見れば、「まあそこそこ」なスラッシャー映画である。ごく普通、と言った方が正しいかも。ジェイミーを演じる子役の恐怖に怯える演技(特に不安気な目)は光るが・・・・。そして何よりもマイケルそのものがコレジャナイ感に満ちていてる。

まずあの「亡霊にように突然現れて無機質な機械のように淡々と殺す」と言うのが薄れ、殺し方がやけにパワフルになっている。人間の額に親指を突き刺して殺したり、ライフル銃を奪いとって何故かそれでぶっ刺したりと、完全にホッケーマスクさんに影響を受けてしまったようである。以前の肉切り包丁でメッタ刺しにしておきながら「・・・・・?」と意味不明に首を傾げて死体を投げ捨てていたマイケルはどこ行っちゃったのか。マスクも新調したのか妙につるっと綺麗で何か違う・・・・と不満ばかり出てきてしまう。

登場人物の方は前述のジェイミー以外は取りたててコレと言う人物もいないのだが、マイケルが10年も寝込むほどの爆発に巻き込まれたのに顔に火傷の跡がついてちょっと脚が不自由になっただけで全然元気なルーミス医師もどうかと思う。(と言うか自分で自爆したんだからマイケルよりも近距離で爆風に巻き込まれてるはずなのですが)もうマイケルよりこのじいさんの方が丈夫なんじゃないかとw 劇中でもマイケルに投げ飛ばされて窓ガラスにぶちこまれたのに普通に復帰してくるし。

オチは僕は嫌いでは無いが、映画全体としては本当に「普通のスラッシャー」であり、ファンとしてもマイケルが妙にジェイソン化してしまったことが非常に不満のある作品である。音楽は相変わらず素晴らしいのですがねぇ・・・・

【ジャンル】モンスター映画


【こんな人におすすめ】木曜洋画劇場の代わりにどうぞ


【こんな人にはおすすめできません】木曜洋画劇場が嫌いな人


【ストーリー】

貸し倉庫「ストレージ24」に訪れたチャーリーと友人のマーク。目的は恋人と二人で貸倉庫を借りていたもののその恋人と別れたチャーリーが、その荷物を取りに行くためである。しかし、貸倉庫に入った直後に大規模な停電が発生、二人は閉じ込められてしまう。道中聞いた「軍用機の墜落」が原因かと予想するもののどうしようも無く、倉庫内にいたチャーリーの元恋人らと共に脱出を試みるが、倉庫の管理者が地下で惨殺されている死体と、謎の生物の姿が発見されて・・・・・


【感想】

イギリス産のクリーチャー映画です。あまり予算が掛かってない感じで、物凄くイイと言うわけでもないのですが「手堅い作り」のB級怪物ホラーです。

「貸し倉庫」といっても日本ではあまりピンとこないんですが、まぁコンテナ倉庫を何十も並べてそれぞれが部屋みたいな感じになってると思っていただければいいかと思います。本当はもっとこれを活かして欲しかったところですが、ただの閉鎖空間になってしまってちょっぴり惜しい感じ。そして怪物の造形はB級にしてはボチボチ、と言った感じですがやや直球すぎてどっかで見た気がするデザインなのは勿体ない。

しかしこの映画、「もったいない」部分もありますが製作側も「もったいない」精神を持っているのか、怪物はかなりアップで映してくれますし、ちょっとお金をかけたであろう上半身だけの死体は惜しげもなく画面に映してくれていい感じ。「せっかく金かけたんだから怪物と死体は撮っとかなきゃ勿体ねーぜ!」的な考えが見え隠れしますw

そして人間のキャラクターの方ですが我儘でバカっぽかったチャーリーと、クールで冷静なマークと言う二人の構図が非常時になり少しずつ二人の隠れた部分が出てくるのは中々悪くないです。

本来は僕も「エイリアン2」ぐらいに延々と怪物との攻防が見たいですがぶっちゃけ、こんなB級映画の予算でずーっと怪物との戦いを描くのは予算も時間的な尺も基本的に無理なので、だいたいのB級映画でこういった人間同士のやりとりで繋ぐわけですがこの部分は結構重要です。

この映画では前述の「元カノに未だ執着してるバカなチャーリー」が次第に「全て失ったからもう俺に怖い物は無いぜ!とか言いつつ元カノはやっぱ好きだから助けたいぜ!」という、いい意味のバカと言うか映画版ジャイアンみたいなキャラになって行くのに対して、一歩引いて冷静に物事を見るキャラだったマークは次第にその冷徹さ、卑怯さ、打算的思考などを見せるようになってきて周囲も二人に対する評価が逆転するのは面白いですね。・・・・まぁ、「んな痴話喧嘩やってないで怪物から逃げる方法考えろよ!」って思わないでも無いんですけどw

さて怪物の方に話を戻しますと、犬のぬいぐるみに怪物が反応するという特徴を活かして主人公達が一矢報いるのは一応、「冒頭で犬に噛みつかれていると思われるシーンがありそのため犬のぬいぐるみに警官反応をする」という理由付けがあったからまだいいものの、バールのようなもので刺されただけで死ぬ怪物ってどうなのかと・・・・まぁ、このあたりもB級ですねぇ。


と、ここまで結構褒めました(?)が最後にダメポイントを。


ヒロインがブサイクすぎる・・・・・これだけは擁護出来ない。

なーんか魚っぽいと言うかネコザメみたいな顔した女優さんです。ダメだこれ。

キャラ的にもあまり好きでは無いタイプです、でも最後に掌クルクルーしてもう一度チャーリーと付き合おうとモーションかけたら「いや、俺一人で歩いて帰るわ」って言われたとこはビッチざまあああwwwwってちょっと嬉しかったです。

自分からマークと二股かけた上にチャーリーと一方的に別れておいたくせに、後でマークが本当はクズで途中で死んだからってもう一回チャーリーと付き合おうなんてそんな都合のいいことが通るわけなかろう!


総評としては、ホントにかるーいB級映画。怪物が出てきてちょっと怖くて少しグロもあって、あっ、でも過剰な期待はしないでね!

みたいな、そんな映画です。

【ジャンル】スラッシャー映画


【こんな人におすすめ】シリーズファンの人、スラッシャー好き


【こんな人にはおすすめできません】1作目のクオリティを求めている人


【ストーリー】

空港までへのドライブをするライアンとミシェルのカップル。何やら別れ?ぽい雰囲気を出してる微妙な二人は道中、突如交通渋滞に巻き込まれてしまう。なんと道路脇の干拓地から死体がザクザク掘り起こされているというのだ。不安を覚えつつも二人は無駄にアルマジロを轢き殺したりしながら道を進む。更に途中立ち寄ったボロボロのガソリンスタンドで見るからに怪しい店主に絡まれる。するとカウボーイ風の男・テックスが店主から助けてくれて送りだされるが、去り際に二人は店主がライフル銃を持ちだしてテックスを射殺するのを目撃!驚いた二人は車を飛ばすが後ろから謎の車が迫ってきて動物の死体を投げつけてきた。その拍子にタイヤがパンクしてしまう。恐怖におびえながらタイヤを交換する二人。すると、二人の背後からチェーンソーの爆音が聞こえてきて・・・・・・



【感想】

「悪魔のいけにえ」というホラー界の歴史に名を刻む名作があります。テキサスのド田舎を舞台にキチガイ殺人一家が若者たちをフルボッコにするというだけの映画ですが当時どころか今見てもなお恐ろしい映画です。

しかしながらこの「1作目」はどうやら偶然すごい映画が出来たようで、2作目からはパッとしません。

巷での評価も1:神作 2:ふざけてんのかコレ 3:え、3作目あるの? という感じです。

だからといって今更1作目の感想は世界中のホラー好きが僕なんかよりも優れたレビューを書いていますし、2はあまりにも酷い(最初の襲撃シーンはいいんですけどね、あとはデニス・ホッパーがハッチャケてるのしか覚えてない)。と言うことで、存在すら知らない人が結構いそうな「3」の感想を書いてみようかと思いました。

基本的な流れは完全に「1」と同様ですが、「2」よりはまだ「1」の気持ち悪い薄汚い感じが辛うじて出せているように思えます。殺人一家の異常性も「2」よりはマシか・・・・ただ、家族構成をわざわざ変更した割には前作と結局は被ってるキャラもいたり、少女を一家に入れてみた割にはあまり出てこず異常性も薄い。なんだかキチガイ一家と言うより小悪党の一味みたいで、やはり微妙感が・・・・。

冒頭のシーンで二人を助けておいて中盤で一家の一員として登場するイケメンのカーボウイは、まあ中々いいですが死に方がただ焼死するだけと妙にアッサリしていて、どうも消化不良気味です。ただしもう1つのEDではヤツは焼死したと思われた後に再びしつこく出現、最後は森に仕掛けられてたトラップに串刺しになって死ぬのでこちらが採用されてたらもう少しいいキャラになってたと思います。ちなみに我らがレザーフェイスはマスクが若干マイナーチェンジし、脚にコルセットをはめています。なんかあったのか?

あ、あとついにじいちゃんが微動だにしなくなったのはどうかと思いますw 銃弾が当たった時に血が飛び散っているのを見ると生きてはいたんでしょうけどね。

また、「ゾンビ」のSWAT隊員で有名なケン・フォリーが出ているのも見逃せないポイントです。あえて元軍人とかじゃなくてただのサバイバルゲームマニアなのがなんとも・・・・そこは軍人でよかったんじゃないか?w

ここまで書くとなかなかいいホラー映画みたいに思えてくるのでダメポイントもしっかり列挙しておくと、まず夜の場面がやたら多いので何が起こってるのかイマイチ分かりづらい。この辺は予算不足で凝ったメイクが出来なかったのを誤魔化すためなのか・・・・?だとしたら序盤の無駄にアルマジロ君を轢き殺すシーンとか要らんかっただろと言いたいですが・・・・。


そして個人的に一番オイオイと思ったのが前述のケン・フォリーがついにレザーフェイスと対峙するするシーン!!そこでのBGMが!!!なぜかバリバリのメタル!



・・・・・・え、なんでそこでメタル使うん・・・?



ごめんなさい、メタルがダメとかじゃないんですがあまりにも合って無いんですよ・・・・・。



まぁ総括しますと随所に「1」っぽい要素を持ちつつも「1」ほどの出来では無い、というこの「惜しい」感じが僕は結構好きです。一応がんばって「1」に近づけよう、とはしてるものの大体しか「1」のこと思い出せずに適当に作っちゃった感がユルくてなんだか嫌いになれず。


最後に。・・・・・・・・今更ですけど邦題おかしいですよね、「レザーフェイス逆襲」って何ですか?レザーフェイス”の”逆襲とかじゃないのか・・・・?

【ジャンル】コテコテのゾンビ映画、グロ描写の重量打線


【こんな人におすすめ】80年代ぽいゾンビ映画を見たい人


【こんな人にはおすすめできません】食事中の人、グロ耐性の低い人


【ストーリー】

湿地帯にあるマングローブの林に囲まれたとある村。ここでは水質汚染により魚やカニが段々と不漁になりつつあり人々の暮らしに深刻な影響を与えていた。そんなある日、村の青年ルイスの目の前にカニを捕りに行った仲間が重傷で帰ってきた。彼を介抱するルイスだったが、ついに息絶えたと思われたその仲間は突然起き上がり、ルイスに襲いかかってきた。時を同じくして、マングローブ林の湿地帯から次々と水死体が蘇り村に向かって歩き始めていた・・・・


【感想】

ブラジルから届いたゾンビ映画です。この映画の特筆すべき点はグロ描写。CGを使わず(そもそもCGが無いのかも)アナログな特殊メイクに頼ったゴアシーンは今となっては逆に新鮮です。

おまけにゾンビと関係無い日常のシーンの1つ1つまでもが、衰退しつつある超ボンビーな村なので超絶汚くて気持ち悪いです。普通のゾンビ映画ならば序盤の日常シーンは後のゾンビ出現までの軽いジャブとして不気味な雰囲気を少し匂わせてたりとか、逆に平穏さを描いて後で怖がらせるための踏み台だったりするんですが、この映画に関してはもう最初っからグチャグチャっとしてて気持ちが悪い!!

例えるなら1番打者がいきなり塁に出ようとするどころか初球フルスイングでホームランを狙ってきてるような超重量打線みたいなハイパーグロい映画に仕上がっています。

ゾンビが出てきてからのゴア描写も相当なもので、内臓内臓アンド血飛沫・・・・。もうこれ、ゾンビを撮りたいんじゃなくってただ単にグロい映像を撮りたいだけなんじゃないか?とすら思えてきます。主にゾンビ側が、ですが身体も頭も壊れる壊れる。ここまで凄いとホント有る意味清々しいです。中盤からは本気で内臓と血のオンパレードなので慣れて無い人はかなりきついと思います。

ゾンビ映画の中でも「サンゲリア」とかの汚い系に位置するゾンビ映画なので、よほどのゾンビ好きの人にはお薦めしますが軽い気持ちで食事中に鑑賞してリバースしたりしても責任持てませんのでご注意を。何となくですが、サンゲリアや悪魔のいけにえ、死霊のはらわたと言った辺りのホラーを見て作ったぽい雰囲気がありますね。ゾンビに限らずそういった昔のコテコテホラーが好きな人にもお勧めです。

【ジャンル】生物パニック


【こんな人におすすめ】クローネンバーグ映画を見てみたい、でもビデオドロームはまだ怖い人


【こんな人にはおすすめできません】内臓系がダメな人


【ストーリー】

リゾートホテルの一室で、医学博士の男が女性を惨殺し自らも自殺するというおぞましい事件が発生する。警察が捜査を進めるも不可解な点が多く捜査は難航、時を同じくして医者のロジャーは自身の住むマンションで不思議な病気が蔓延していることを知り独自に調査を始める、すると前述の博士が行っていた研究が明らかとなってきた。それは寄生虫を人間の臓器の代わりにあてがうという新たな臓器移植の研究であった。殺された女性は博士の教え子であり、実験台にされていたのだ。しかし寄生虫に脳を支配された女性は凶暴化し、博士は止むをえず彼女を殺害し自分も責任を取る形で命を絶ったと言うのが殺人事件の真相であった。しかし博士の誤算は寄生虫により性衝動が抑制できなくなった彼女が既に多くの男と関係を持ち、寄生虫が蔓延し始めていたことであった・・・・・・


【感想】

デビット・クローネンバーグという映画監督がいます。「ビデオドローム」というカルト人気を誇る映画にてその地位を確立したホラー映画監督です。ホラー映画が全盛期だった時代、人々はホラー映画に日常では体験できないモノを求めました。

すなわちスプラッター、スラッシャー描写、簡単に言えば「血」です。ホラー映画の元祖とも言える映画「ハロウィン」で恐怖を味わうことを覚えた観客は、次にもっと過激な物を求めるようになり「13日の金曜日」や「血のバレンタイン」といった映画で「血」を見ることを覚えたのです。しかし人間の欲求は尽きないもので、観客は「血」よりも更に過激で恐ろしいものを見たくなりました。

そこでクローネンバーグが観客に見せたものが「内臓」です。恐怖→血→内臓、そして現在では内臓でも満足できなくなった観客は残虐性や痛々しさをホラー映画に求めて「SAW」などの作品が生まれてきたという時代の流れがあるのです。

さて、この「シーバース」は後年のクローネンバーグ作品ほどの強烈な内臓描写はまだ出てこず、全体的にはサスペンス映画にやや近いです。しかしながら、のっけから女性を殺して腹をかっさばいた上に自殺するオッサンなどはクローネンバーグらしさが既に隠しきれずに飛び出そうとしているかのようです。人々に寄生する生物もナメクジのような生殖器のような気持ち悪い「内臓」を意識したかのような造形をしていて、もうこの時からクローネンバーグは「血」以上の物を求め始めた観客に対して内臓をぶちまけたくて仕方無かったのかもしれません。

彼がどういう考えでこの映画や後のビデオドロームを撮影したかは定かではありませんが、まだこの「シーバース」ではまともな映画を撮ろうとしていたものの、更に内臓ぶちまけたい衝動が強くなり、ギアが一段上がってもう誰も追いつけないところに突っ走ってしまったのが「ビデオドローム」と考えるとなかなか面白いです。

と言うか、シーバースに寄生されてるのはクローネンバーグ本人なんじゃないかと僕は疑っています。ただし彼に取りついた寄生虫が暴走させたのは性欲や食欲では無く、「内臓や気持ち悪い映像をフィルムに残したい衝動」のようですが・・・・・

【ジャンル】バカ+グロ+エロ+生物パニックホラー


【こんな人におすすめ】バカとグロとエロが好きな人


【こんな人にはおすすめできません】ちゃんと怖い映画を見たい人


【ストーリー】

ビクトリア湖で古代種のピラニアが大量発生した事件から1年後。アリゾナ州でウォーターパークを母親から相続したマディは開催を間近に控えて義父と共に準備に追われていた。しかしある日湖で二人の友人が行方不明になり、自身も”あの”ピラニアと遭遇する。なんとかピラニアから逃げおおせたマディは1年前の事件に関わった生物学者の映像を動画サイトで見つけ、話を聞きに行くことに。すると「ピラニアの能力からすれば湖から水を引いているプールの排水溝を突き破ることも可能」と言う結論に達し、マディはプールの開催を思いとどまろうと考えるが・・・・・・


【感想】

昨年公開された「ピラニア3D」の続編にあたる作品です。全体的なノリとしては前作とほぼ同じで、


「金かけてバカ&エロ&グロを撮ろう!」


と言うただそれだけの方向に舵を全力でぐるぐる切ってみましたという、くっそB級映画ですw

しかし前作がキチンとストーリーが(定番ながらも)立てられていてホラー映画としてもそこそこ面白かったのに対して、今作はどちらかと言えば「バカバカしすぎて笑える」という晩年の13金シリーズみたいな雰囲気です。

これは監督がアレクサンドル・アジャからジョン・ギャラガーへ交代したこともあるかと思います。「ハイテンション」や「ヒルズ・ハブ・アイズ」のような客がどん引きするほど血飛沫や内臓を撮るアジャ監督に対してジョン・ギャラガーは「フィースト」の監督なので、いわばグロの中に笑いをぶち込んでくる監督です。

前作と比較してみるとお色気シーンに関してはあまり変わらず(性器がバンバン出るようになったけど・・・・)ですが、予算の関係もあるのか後半のパニックシーンが前作よりやや弱く感じます。

序盤で出ていたお股カメラとかの馬鹿シーンがちゃんと後半の襲撃シーンでの死に方の伏線になってたりとかは面白いですが、そもそも肝心のグロさが少し弱まった印象。前作は本気で目を背けたくなったり気持ち悪いぐらいにショッキングでえげつない描写(救助されてる女性の身体が真っ二つにちぎれるとか)がありましたが今作は首が吹っ飛んだりはするもののカラッとした印象で、ギャグ描写が挟まれることもあって怖さはあまり無いです。

逆にいいところはフィーストの監督だけあって小ネタはなかなかで、前述のとおりそのせいで怖さが薄まったというデメリットもあるものの前作以上に悪ノリしてて面白いです。デヴィット・ハッセルホフが本人役で出て自虐シュールギャグを展開したり、前作で脚を失った保安官が義足にショットガンをはめて無双してみたりなどなど・・・・・ここら辺は好みが分かれるかもしれませんね。

総評として前作の外伝、おまけ的に見るのなら面白いと思います。一本の映画としては時間的にも話的にもボリュームが足りないかな?「グロ」を減らして「バカ」を増やした感じです。前作ほどでは無いですがB級グロ映画としてはそこそこ、といったところでしょうか。

【ジャンル】

モキュメンタリー&モンスターパニック、オチ放り投げ風味


【こんな人におすすめ】POVで恐怖を感じたい人


【こんな人にはおすすめできません】スッキリ終わらない映画がダメな人


【ストーリー】

ドキュメンタリー映画の撮影が趣味のライアンは友人達と森へキャンプへ出かけ、友人たちの姿を撮影しながらキャンプを楽しんでいた。しかし森の奥から不気味な獣の鳴き声を聞いたり、谷底で見たことも無い奇妙な動物の姿を目撃。更に夜中にキャンプへ銃を手にした不審な男が現れたため夜明けを待って下山することにしたが、朝になると仲間の一人が消えていた。森から叫び声が聞こえたためにライアンは森へ向かうが・・・・・


【感想】

POV方式+モンスターホラー、という形式の映画です。POV映画はこのブログでも何度も取り上げているのですが、この映画はちょっと珍しいです。以前の記事で「POVは低予算でリアリティを出すか、またはトンデモな映像を撮ってそんな馬鹿な!感を出す、の2種類がある」と書いた覚えがあるのですが、この映画はどちらとも違う・・・・と言うより、両方です。かなりトンデモな映像を撮っているのにも関わらず、妙にリアリティがあって怖いのです。

最初は主人公たちが山でふざけてて、女の子がケツ出したりオッパイ出したりしてバカみたいに遊んでるだけの場面に始まり、中盤近くまでもただ動物の声が聞こえたり怪しいオッサンがフラフラ歩いてキャンプ地に出て来たりとか、ただそれだけで非常に不安になります。「まさか、雰囲気が怖いだけタイプの映画か・・・・」と僕も中盤までは思っていました。

が、中盤以降この映画はブレーキがぶっ壊れたのか制作者がぶっ壊れたのか、怒濤のように話が進んでいきます。声の主であった毛むくじゃらの汚いゴリラみたいなのが襲撃してきたり、その怪物から逃げ回った先で異常な事態に巻き込まれたりしていきますが、その「異常事態っぷり」が非常に上手い。

見ているこちらにもほとんど説明は無く、逃げ回る映画の中の人物とほぼ同じようにパニックに陥っていきます。次にどうしたらいいのか、どころか今何が起こっているのかも分からず、本当に自分も同じ状況になっているかのような恐怖を覚えます。

人間は「変化」を恐れます。

今さっきまでこうだった、という状況が激変するのは怖いのです。この映画の中盤以降はとにかくシチュエーションの異常さと急激に変化し続ける状況に振り回され、だんだん本気で恐ろしくなってきます。ラストも本当に唐突に説明なども無く終わるのですごく頭に残る映画です。

疲れてる時に見たりすると本気でパニックになるかもしれません。

おそらく意識的に作った感じでは無く、偶然このような異常な雰囲気の映画が出来あがったように思えますが、POVホラーの中では相当に出来がいいです。映画の神様がこんなB級映画にちょこっとだけ立ち寄ってくれたのかもしれません。

ただ、本当に「何があったのか」最終的にはこっちが想像するしかない映画なので、スッキリキッチリ説明されている映画を求めている人はちょっとお薦めしかねます。

投げっぱなしジャーマンどころか、道端で後ろから突然ジャイアントスイングをかけられるぐらいの投げっぱなしなので、そこら辺だけご注意ください。

【こんな人におすすめ】ブラックジョーク、コメディが理解できる人


【こんな人にはおすすめできません】上記がダメな人。特に血がダメな人


【ストーリー】

裕福な資産家の息子バーバナス・コリンズは、そのプレイボーイさがたたって魔女に呪いをかけられて家族と恋人を失った上にヴァンパイアと化し200年もの間、棺に閉じ込められてしまう。その間にコリンズ家はすっかり没落してしまうがひょんなことからバーバナスは目覚めてしまい、自らの屋敷に舞い戻る。コリンズ家の家族と共に現代社会への適応に苦労しつつも一家を立て直そうとする彼だが、その前に未だ生き続けていた「あの」魔女が現れて・・・・・


【感想】

ティム・バートンとジョニー・デップのコンビ映画といえば僕は「シザー・ハンズ」のイメージが非常に強いのですが、近年は「スウィーニー・トッド」のようなコメディに暗さを足して笑いというよりも苦笑に近い映画が多かったりします。ティム・バートンという人はこの手のブラックな笑いを好むのですが、日本人には若干肌が合わないかもしれません。

この映画では復活したヴァンパイアの現代社会に適合出来ないズレてる加減や、細かい言いまわしはなかなか笑えますが、ヴァンパイアである彼はちょいちょいリアルに人を襲うのでそこで引いてしまう人はいるかも?まあ、とにかく自己中なヴァンパイアだと言うことですね。ここら辺は好き嫌いでしょうけど、怪物でありながら色々な意味で人間臭いというバーバナスのキャラクターは僕は割と好きです。

この映画、一番近いのは「魔法にかけられて」という映画をヴァンパイアにして、ヴァンパイアものなので全体的にゴシックにして血の描写を入れました、という感じでしょうか?ちょっと日本人にはやはり理解しづらいコメディ映画だと思います。

個人的にヴァンパイアと魔女のHで部屋がバキバキに壊れるのと、ラストの痴話喧嘩(?)は好きっちゃあ好きです。ただラストの喧嘩に関しては「永遠に美しく」というブラックコメディ映画の喧嘩シーンのオマージュっぽいんですが、あっちの方がむっちゃくちゃでスゴいので少し惜しいかな。(あちらはライフル銃で恋敵の腹に大穴を開けたり、首を思い切りねじったりします)あと、一家の娘が人狼なのはチョット蛇足というか唐突かも。たぶん伏線無かったし。

総評として、若干「作り手が内輪で盛り上がりすぎてる」のを感じる映画かなと思います。面白いことは面白いのですが、すこし見る側を置いてけぼりにして作る側が楽しくなっちゃってる感じが。バートンとジョニデなら、もっと面白く出来たとも思うので少し残念な感じ。もっと意外性や斬新さがある映画だと期待していたのですが・・・・・。と言うか、



ぼちぼちティム・バートンとジョニー・デップは離れた方がいいのでは。



「愛では無く支配」という言葉が劇中で出てくるのですが、この二人「パートナーでは無く馴れ合い」になってきてないかな?

バートンはそろそろ自分の作る映画のパターンがマンネリして飽きられていることに気付いた方がいいし、ジョニデもあまりに持ち上げられすぎてせっかくの演技の幅が狭くなってることに気付いた方がいい。パイレーツもチョコレート工場もスウィーニー・トッドも全部同じコスプレ大会に見えるぜ。ファンとしてそんなジョニー・デップは見たくないです。

バートンの方は個性というかこの人はそういう映画、で済むけどジョニー・デップはそろそろバートン作品から卒業した方がいいでしょう。もっともっと色んなことをやれる才能のある俳優なんだから、そんなキムタクみたいなことしないで欲しい。