長忌寸意吉麿(ながのいみきおきまろ)の歌八首
 
行縢(むかばき)、蔓青(あをな)、食薦(すこも)、屋梁(やのうつはり)を詠(よ)む歌
3825
食薦(すこも)敷き蔓青(あをな)煮持(にも)ち來(こ)(うつはり)に 
                行縢(むかばき)懸けて息(やす)むこの公(きみ)
 
屋外で食事をするための敷物と、野菜を煮て持ってきてください。山野を歩く時に履くむかばきを、棟木に掛けて休んでおられるこの君のために
 
 
荷葉(かよう)を詠む歌
3826
蓮葉(はちすは)はかくこそあるもの意吉麿(おきまろ)が 
           家にあるものは芋(うも)の葉にあらし
 
 
なるほど、これが本物の蓮の葉(他所で見かけた美しい女性)なのですねえ。なんとも立派なものです。 それに比べてわが家にあるのは、似ているようでもやっぱり里芋の葉ですわい
(同じ女でも自分の妻は見劣りがする)