太宰帥大伴の卿の宅に宴してよめる梅の花の歌三十二首
833
毎年(としのは)に春の來(きた)らば斯(か)くしこそ
梅を挿頭(かざ)して樂しく飲まめ 大令史(だいりゃうし)野氏宿奈麿(すくなまろ)
毎年毎年春になったら、今日のこの宴のように、梅の花を頭に挿して楽しく酒を飲もう
834
梅の花今盛りなり百鳥の 聲の戀(こほ)しき春來たるらし 小令史田氏肥人(ひびと)
梅の花が満開になり、たくさんの小鳥たちの鳴く声も恋しく思う春が来たようだ
835
春さらば逢はむと思(も)ひし梅の花 今日の遊びにあひ見つるかも 藥師高氏義通
今日のこの遊園で、春になったら逢いたいと楽しみにしていた、満開の梅の花をみるこ
とができた