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哭澤(なきさわ)の神社(もり)に神酒(みわ)すゑ禱祈(いの)れども
王(おほきみ)は高日知らしぬ
右一首、類聚歌林(るいじゅうかりん)に日はく、檜隈女王(ひのくまのおおきみ)の、泣澤
神社を怨むる歌といへり。
哭沢の神社に神酒を供えて、皇子がこの世に止まられるように祈ったけれども、
高市皇子は天に昇って、高い天を治められるようになってしまった
※ 哭澤の神社 :奈良県桜井市にある。イザナギノミコトがイザナミノミコトの死んだと
きに流した涙から生まれたとされる泣沢女(なきさわめ)の神を祀る
※ 神酒 :神に供える酒
※ 高日知らず :高日は天の意味で、亡くなると天上に戻って天を治めると信じられていた