日本酒はようやく暗黒の100年を抜け出そうとしています
○ 日本酒完全復権の問題点
① 大手メーカーの怠慢
今、日本酒復権への流れが起きていることは間違いなく、そのけん引役を純米酒が担
っている一端を、大手メーカーが、秋の需要期に向けて発表した新商品に見ることがで
きます。
H社 : しぼりたて純米1,8ℓ
T社 : 純米辛口1,8ℓ ・ 純米大吟醸720ml ・辛口純米2ℓパック
O社 : 純米大吟醸1,8ℓ ・ 純米にごり酒180ml
N社 : こしひかり純米酒720ml
S社 : 特別純米720ml ・特別純米生貯蔵720ml ・純米原酒720ml
K社 : 純米酒720ml
各社それぞれ純米酒を前面に出しながら、しぼりたて・にごり酒・ 生貯蔵など季節
へのこだわり、原料米の品種へのこだわり、辛口など味へのこだわりなど、付加価値を
高める工夫も見られます。
☆ 復権の足を引っ張る
しかしこれらの蔵のほとんどが、全国の出荷ランキング10位以内に入る、超大手の蔵
ばかりであるにもかかわらず、それぞれの蔵の昨年度の純米酒(純米吟醸酒を含む)の
出荷比率を見ると
H社 : 6,4% T社 : 1、0% O社 : 1,7% N社 :2,5%
S社 :-不明 K社 :15,0% 全国 : 18,0%
と、全国平均に遠く及ばないどころか、トップ銘柄のこれらの社が、全国平均を4%以上
も引き下げているのが現状です。
各社それぞれの事情があり、その戦略の表れであると思われますが、
日本酒の完全な復権には、これらの社の戦略の見直しが必須です。