まとめ・11
日本酒の復権を目指してもいよいよまとめに入ります。
○完全復権への課題
日本酒の強み
A 世界一多様化が可能な酒
○ 100年の暗黒時代から黎明の時代へ
○ 100年後を目指した取り組み
長期熟成酒研究会では、平成17年から進めている「日本酒百年貯蔵プロジェクト」の
10年目の会を、昨年(平成27年)の11月に実施しました。
33社の蔵元が、100年間の貯蔵を目指して造った酒を、元醸造試験所の醸造工場で
あった赤レンガ棟(現在は国の重要文化財)に貯蔵しているもので、100年後を目指す
本命の酒ほかに、10年ごとにその途中経過をチェックするために、同じ酒のサンプル
各10本を同時に貯蔵しているものです。
参加の33社が、100年後を想定した酒の造り方を見ると、非常にバラエティに富んで
おり、それぞれの蔵元の考えや夢が読み取れます。
○ 日本酒百年貯蔵プロジェクト・参加酒の内訳
米を原料とする日本酒の、そのタイプや品質を決める主な要因は、米の品種とその
精米歩合、酵母の種類と酒母の造り方、仕込み配合などですが、各社のそれは
○ 米の品種
トヨニシキ 山酒4号 山田錦 改良信交 チヨニシキ 酒米菊水 美山錦 五百万石
赤穂雄町 コガネマサリ 西海134
○ 精米歩合
90%(4社) 70%(4社) 65%(1社) 60%(5社) 55%(1社) 50%(3社)
45%(1社) 40%(3社) 35%(5社) 不明6社
○ 酒母の種類
速醸酛 生酛 酵母仕込み 山廃酛 高温糖化酛 超短期酒母
○ 酵母の種類
岩手2号・No77のブレンド 山形酵母 山形KA・山形16-1 小川酵母 末廣酵母
自家酵母 協会7号 701号 協会10号 アデニン要求性酵母 協会7号 金沢系
金沢系アキタコンノNo24 協会1401 熊本酒造研究所酵母 ND-4
○ 仕込み配合(麹歩合)
100% 99,6% 97,5% 60% 35% 25% 23% 22,2% 21,3% 20%
○ その他
貴醸酒
実に多様で、現在の日本酒造りの常識を覆すものがたくさんあるのに感心します
が、100年間貯蔵熟成という、全く経験のない未知の世界に向かって、それぞれの
蔵元が託した夢の大きさが読み取れます。