鈴田滋人さん | 紙魚日誌 ― どんな本にも読者はいる

鈴田滋人さん



紙魚日誌 ― どんな本にも読者はいる

鹿島市の主催による鈴田滋人さんの人間国宝認定祝賀会に行ってきました。おめでたい席に私までご招待くださり、懐かしい人々と旧交を温める機会がもてたこと感激もひとしおでした。
それこそ長い付き合いで、鹿島に出向いた折にはときどき家にお邪魔しますが、工房で製作中の彼を見たことは一度もありません。祝賀会場で披露された製作中の映像を拝見すると、その顔はにこやかに談笑するいつもの彼ではなく、神々しいほどの厳しい表情、まごうかたなき美の追求者の面持ちでした。
生前のお父さんにうりふたつで昔にタイムスリップしたような錯覚に捉われます。
人間国宝になってしまったけれど、会えばいまだに「しげ坊」「けーたちゃん」と呼び合う間柄で、昔からの自然や習俗の記憶を共有しています。
極度の集中を余儀なくされる日常にあって、「これからはよく食べることとよく寝ることに努めたい」という滋人さんに心から祝福と声援を送ります。
最高に嬉しい一日でした。

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写真は佐賀県が発行している広報誌「ざんざ」2008年秋号、鈴田滋人特集号から引きました。