久々の歌舞伎鑑賞教室、「紅葉狩」国立劇場にて。 | とりこ なの。

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大好きな舞台観劇と、大好きなタッキー&翼について。

舞台はミュージカル、滝翼は翼寄り。



歌舞伎鑑賞教室。

みなさんはご存知だろうか。
国立劇場で毎年6、7月に上演される、1時間ぐらいの歌舞伎の演目+わかりやすく面白い解説、がセットになった、お手頃価格の入門編の歌舞伎である。

お値段も、S席3000円、A席1500円という超破格。

まあ、あれです、ほぼ芸術鑑賞の学生団体向けです。1階席はほとんど高校生ばっかり。
でも、おかげで解説がすごくわかりやすい。
しかも、歌舞伎に興味が持てるように工夫されている。

過去に私は2回ほどこの歌舞伎鑑賞教室を観劇したことがあり、その面白さにいつも感心しているのですよ。


で、今回久々に観に行ったのは、そうです、勘のいいあなたならお分かりですね。
演目「紅葉狩」。

今年の滝沢演舞城2013で、上演された滝沢歌舞伎の中に、この紅葉狩が入ってたんだよね!
紅葉狩。
私は聞いたことのない演目だった。
歌舞伎を観始めて4年くらいだけど、その間上演された事あったかなぁ。

機会があったら観たいと思ってたんだけど、まさかこんなに早く訪れるとは!ラッキー!

てことで行ってきた。

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この歌舞伎鑑賞教室、まずは最初に、「歌舞伎のみかた」という、解説がある。
これは、生まれて初めて歌舞伎を見るという学生のために、様々な工夫が凝らされている。

まずはビジュアルで心を掴む。
歌舞伎界を代表する若きイケメン、中村隼人!
中村錦之助さんの長男で、今年20歳、端麗なマスクとその長身で、押しも押されぬビジュアル担当。

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そして、中村虎之介くん。
人間国宝・坂田藤十郎さんの次男、中村扇雀さんの長男、若干15歳。(つまり孫)
かわいいかわいいかわいい!
虎ちゃんかわいいー!

photo:04




開演と共に暗転、場内には突如ドラマ・ガリレオのオープニングテーマが鳴り響き、(しかもわりと長い)、曲が終わり客電が付くと、舞台上には着物姿の隼人くんが笑顔で立っているという、もはや何を観にきたかわからない始まり。

でも掴みはオッケーですね!
花道から、虎之介くん登場。

で、このふたりが面白おかしく、まずは舞台の上手と下手といった初歩の初歩から、回り盆や揚幕といった歌舞伎に欠かせない機構・用語を説明していく。

この紅葉狩という演目、前半は舞踏、後半は立ち回りという、一粒で二度おいしい構成。
そこで隼人くんは珍しく女形を担当!
ふたりから男性の体つきを、どうやって女性らしくみせるかの説明も。

皆さんご一緒に~、まずは肩甲骨をガッと背骨の中央に寄せて、そのまま肩を落とし、片方の足を内側に、そして腰を落としたまま歩く!(無理。泣)


そしてこの紅葉狩という演目、演奏の三味線がとても特徴的なんだとか。

何が特徴的かというと、歌舞伎において、伴奏やストーリーテリングを担う三味線+唄、これには3種類の音楽があるらしい。

1、常磐津連中
2、竹本連中
3、長唄

の3種類です。よく歌舞伎の演目の下に、書いてあるよね。○○連中って。
で、それぞれから弾き手と唄い手がひとりずつ舞台に上がり、ここでもガリレオのテーマを、なんと!三味線で!弾く!

普通は一つの演目には一種類の○○連中しか付かないらしいんだけど、紅葉狩は、全部出るんだって。そして掛け合いとかするんだって。

隼人くん曰く、「こんなに感じの違う3種類が、どう化学反応を起こすのか楽しみですね(ニッコリ)」
しかし、正直私にはその違いがわからなかった。
多分みんなわからないと思う。ごめんなさい。(笑)

そして20分の休憩を挟み、いよいよ紅葉狩の上演へ。


まずは殿様的な人、将軍平維茂。
演舞城では、ひかるくんがやってたっけ?←うろ覚え

そして姫。これは滝沢さんがやってたね。
扇子を美しく翻して舞う。
将軍維茂は、中村錦之助さん。隼人くんのパパ。イケメン。

イケメンの父親もイケメンなのだ。
いやむしろ、イケメンの父親だから息子もイケメンだと言うべきか。
隼人くんどんどん活躍して下さい。
とっかかりは何でもいい、とにかくもっと若い人に歌舞伎を好きになって欲しいのです!


しかし前半の舞踊部分は、眠い。
そりゃそうだ、姫に化けた鬼が、将軍に酒を飲ませて眠らせてその間にとって食おうって話なんだから、見てる方も眠くなって当たり前だ。

しかも久々に、イヤホンガイド借りるのサボったからなー。
借りれば良かった。切実に後悔。

そうこうしてる間に、将軍は眠りこける。
一旦姫とその腰元たちは引き上げる。
そこに虎ちゃん登場!

虎ちゃんは、何とかっていう神様の使いで、眠ってる将軍を起こしにきた山神の役。
もうこれがね、似合ってて似合ってて、やばいくらい。

起きろよー、って言いながら、持ってる杖でコツコツしたり、将軍をゆさゆさしたり。
かわいいのなんの。
動きもくるくるしてる。
ちょっと子供で、筋肉が弱くて、回転の後によろめいてるけどね。
そこはご愛嬌。

滝沢歌舞伎も、この山神役を誰かで出せばよかったのに。

で、ハッと目を覚ました将軍と、鬼へと変身した姫との一騎打ちが後半の見所!
姫と鬼の両役をやるのが、中村扇雀さん。

鬼に変身した扇雀さん、ドスの効いた姫の声色、うますぎる!
白塗り立役の錦之助さん、美しすぎる!


舞い散る紅葉の葉。
みるみるオレンジに染まる舞台。
その中での流麗な殺陣。

美しい。とにかく美しい。
歌舞伎って、そうなんだよ、綺麗なんだよねって、思い出させてくれるような作品でした。



歌舞伎鑑賞教室、いいね。
間違いない。
毎年6月、7月ですよ。

歌舞伎が敷居が高いと思っているアナタ!
絶対行った方がいい。