プロのつぶやき864「フォーカスと集中」
雨が多かったり…日中はとても蒸し暑かったりですが、朝晩はだいぶ涼しく心地よい陽気になってきました。雨が降っていない朝は…息子に先に車で店に行かせて、僕は30分弱歩いて通勤するようにしています。途中の田んぼが稲刈りはじまっています…台風で稲が倒れかけていましたが、なんとか大丈夫だったようです。
昨晩は達郎のバンドでキーボードを長く担当している難波弘之さんの鍵盤生活40周年記念ライブに行ってきました。18時開演で休憩はさみ終わったのが22時半…4時間半というお腹いっぱい楽しさマックスのコンサートでした。
難波さんのプログレバンドSENSE OF WONDER と出ずっぱりで…最初のゲストBurryさんはそのままギター最後まで弾きっぱなし…玲里ちゃんは流石の歌声で素晴らしいし…高嶋政宏さんはプログレマニア全開…シークレットゲストの達郎はUKロック畑のバックにブリティッシュロックを機嫌良く、楽しんで歌ってました。プロが趣味的に楽しんで最高に楽しくて豊かな大盛り上がりな時間でした。難波さんと達郎の「青い影」プロコルハルムはジーンときて遠くなった10代が目の前に現れました。
そんなこんなで…錦織圭の全米オープンが終わり…いつもの生活リズムに戻ります…素晴らしい結果でした、マレーに勝ってのベスト4…ワウリンカ戦は流石に疲れきってしまったようです。しかし、毎年確実にステップアップして、その努力が伝わってきます。
解説やインタビューのなかで…フォーカスと集中の話しがでました…あと、Calmとフォーカスという話しも出ました。Calmはさかもとこーひーの紅茶カームデイズと重なりますが…この場合は冷静の意味が強いようです。
スポーツではよく集中集中と言いますが…僕はそんな集中って言われてもうるさくて集中できるか!!って思ってました…だから弱かったのかもしれませんが…で、集中と言っても…何に集中するのか?そこが大切なんだよなーとも思ってました。
そこにフォーカスという言葉が出て来たので…そうそう、フォーカスなんだと手を打ちました。フォーカスならばどこにフォーカスするのかに集中しますからね。
カッピングの場合…勿論、味や香りに集中するのですが…どこにフォーカスしてカッピングするのかで感じられるものが全く違ってきます。
味わいのきれいさにフォーカスするのか?…甘さや口当たりにフォーカスするのか?…酸味の質やボリューム、キャラクターにフォーカスするのか?…余韻の心地よさや長さにフォーカスするのか?
焙煎のサポートのカッピングの場合は…初期の火力はどうか?…水分抜きはどうか?…ロースティング工程でのカロリーの過不足は?きちんと成分がデベロップしているか?…ロースティングポイントは的確か?…それぞれにフォーカスしてカッピングしています。
素材のカッピングの場合は…基本的なことをカッピングして…さかもとこーひーのお客さんにとって魅力的かどうか?どういう魅力をお届けできるのか?…そのフォーカスが重要だと思ってます。
カッピングというとフローラルとかシトリックとかベリー、チョコレート等々香りを表現することに最初にフォーカスしがちですが…香りばかりにフォーカスしていると…基本的な味わいのきれいさや甘さや口当たりの心地よさを見逃しがちになってしまいます。
香りはとってもデリケートですし…ひとりひとり敏感さも違いますし…敏感な香りも違います…ですからこのコーヒーはこんな香りがあってと言ってもピンとこなかったお客さんは???になってしまいます。
しかし、雑味があったり、口当たりが薄かったり、重かったり…そういった感じはわりと多くの方が同じように感じられると思ってます。きれいな味わい、心地よい甘さや華やかさ口当たりや余韻、そんな魅力は伝わりやすいと思います。
なので、そういった基本的な味わい、美味しさにフォーカスしてのカッピングを息子には教えていて…少しずつ細かい部分まで感じて表現するようにステップを踏ませています。
昔から集中よりも…何にフォーカスするかを重視してきていましたが…勿論、そのフォーカスするものが的外れでは残念ですけれども…マイケルチャンや錦織圭の話しにでてきたので…ガッテンした次第です。
そうそう、プロのつぶやき862「さかもとこーひーが一番美味しい時…。」でサンク・オ・ピエのディナーでのこーひーの美味しさについて書きましたが…その常連さんから…ブログをみて、デザートにたどり着くまでの料理やワインの流れもイメージしていることについてとっても嬉しいメールを頂きました。
とっても、励みになります!! まぁ、これは達郎がゲストに呼ばれて好きなブリティッシュロックばかり楽しく歌うのと似ていて…自分の土俵では無いので、食事に脇役として何が出来るかにフォーカスしているんです…レストランやカフェの役にたてるのは楽しい仕事です。
さかもとこーひーは「部屋中にひろがる香りと後味の美味しさ」を大切にしています。