実はこんな本を読んだ。
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経度への挑戦 (角川文庫)

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↑　占星術は天体観察なしには

　　本当には理解できないものなのかもしれない。

最近酒井さんは

「やはり天文学を知らずしてホロスコープを
語ることはできないのではないだろうか」

という気がして、実際の天体観測が
どういう理屈でこんな図面
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↑（※注、これは酒井さんの出生ホロスコープである）

になるのか、ということを、科学史的な面と
数学的な面から再構築しているのであった☆

そんな感じで昨日よんだのがこの本。

もうめっちゃ面白くて３時間で読了。。。

私は知りませんでしたが、実は17世紀後半というか、
１８世紀を迎える直前までなんと、人類は経度を正確に
測る術がなかった、というんだから驚きです！！

酒井さんみたいに、エルフィンやマイバースディなどの
影響で子どものときからホロスコープに親しんでしまうと、
なんか、ああいう天体図というのがあたかも古代からあった
かのような錯覚をしてしまって、それゆえに占星術をみんな
盲信してしまう部分はあるのだろうと思う。

占い師側で、占術に箔をつけるために、占いの歴史をものすごい
古代までさかのぼらせてしまうからだ。

しかし占星術に限っていえば、黄道１２星座が固まってきた
のは紀元前３世紀のエジプトか、紀元１世紀のプトレマイオス
が活躍したくらいの時代なのである。

そして次に大きく転換を迎えたのが17世紀だ。

占星術のホロスコープを本を参考に手書きで
作ってみたことのある人ならわかるでしょうが、
今のようなホロスコープの割り出し方というのは
そもそも

「経度」

が決まっていないとできない。

その経度自体が、１７世紀後半まで決まっていなかった
というのをこの本で読んで、酒井さんはけっこうショック
である。。。

このことをきちんと知識として知っている占い師さん、
果たしてどれだけいるだろう。

やはり占星術は天文学なのだから、天文学を知らずして
占星術は語れないし、天文学を知ることでいっそう星占い
の迫力が胸に迫ってくる気がする。

今の時代は占いの部分だけが独り歩きして、実際の
天空観察をしないくせに人の運を語りたがる。

それは問題だと思う。

さて、緯度は赤道から南回帰線、北回帰線を挟んで
平行に走っておりますね。

赤道帯では太陽は天頂まで来るし、諸惑星なども
天頂を通りますが、緯度が南に下がれば少しずつ
北寄りになり真上を通過することはなく、緯度が
北に昇れば南よりになり、やはり天頂に来ることはない。

太陽が正確に天頂に来る南限北限が、北回帰線、南回帰線
というわけですね。。。

この現象はなんとプトレマイオスが活躍していた紀元１世紀
頃にはすでに知られていて、プトレマイオスが世界地図を
作る試みもしていたそうな。。。

ただ、緯度を天空から探ることは用意でも（太陽高度を
見ればいいだけなので）、問題はタテ線である経度のほうだった。

プトレマイオスは自作の世界地図の経度を、けっこう適当に
引いていたらしい。。。

紀元前２世紀頃に活躍した哲学者、エラトステネスが、エジプト
のアレキサンドリアからシエナの街までの距離を測り、地球が
丸いことを示唆してから、１５世紀にコペルニクスやガリレオが
現れるまで、キリスト教会だけはガンとして地動説を認めなかった
が、実はけっこう科学者たちの間では古くから

「地球は丸い玉であるっぽい」

ことは知られていたんだね。。。我々が習う世界史だと
コペルニクス以降で大きく変わった、みたいに教わるけど、
実際は航海術や測量術の世界では、地球が丸いことを
前提に考えられていた。

よくよく考えてみれば、ポルトガルの商船が日本にはるばる
やってこれて、貿易を盛んにしていたのは、グーグルアースで
確認してみると日本とほぼ緯度が同じだからかも知れない。

この本でも書かれていたが、大昔は経度の基準があいまいで、
正確に経度を測る術がなかったから、どうしても太陽高度だけで
ラクに予測できる緯度、緯線をたよりに航海しがちだったそうな。。。

ポルトガルからジブラルタル海峡を抜けると地中海に
出るけど、問題は地中海からインド洋に抜けるのが
昔はどうだったんだろうなぁ。。。

今はエジプトのスエズ運河を、大型船舶も通れるように
なっていて、スエズ運河からインド洋に抜けられるけど、
たぶん昔はここを通るのって今ほどラクじゃなかったかも。。。

そうなるとポルトガル船が進む航路は陸地づたいにヨーロッパ
大陸を進んでロシアから南下して日本を目指すか、いったん
大きく南下して南アフリカの喜望峰を回ってインド洋から
やってくるか。。。

そう考えると昔のポルトガル人はめちゃくちゃ
偉大である。。。

あんなくっそ果てしない距離を、命がけで航海してはるばる
日本までやってきてくれたんだもの。。。

カステラもテンプラもポルトガル人が教えて
くれたらしいので、ますますカステラ食うわ。。。

はぁ～。。。。途方もねぇべなぁ。。。

しかも経度があいまいなままで、バスコ・ダ・ガマや
コロンブスなどは、独自の航海術で海を渡っていたらしい。。。

さて、経度がわからないということは、どういうこと
でしょう。と考えてみると実は、経度がわからない
ということは

「時差がわからない」

ということであり、時差がわからないという
ことは、時間経過による暗算で航行距離を
測る、ということがあいまいになる、ということです。

エラトステネスの時代から、地球が丸いことを
支持する人はたくさんいましたが、決定的なのは
マゼラン率いるスペイン船団が世界一周を成し遂げたこと。

地球が玉であるなら、その円周は360度であることは
みなさん習いましたよね。。。

ということは、360度を24時間換算すれば、
ある港を基準地として、そこからまっすぐ
１時間進めば、基準地との時差が１５分、という
ことになりますね。。。

もしも大洋でさまようことがあっても、基準地
の現在時刻さえわかれば、あとは甲板上で
太陽とか、星月を観測すれば船の現在時刻がわかる。

あとは船を、基準地（目的地）と同じ時刻になる
ポイントまで操船すれば、太陽高度を元に緯度を
割り出して同じ緯度まで経度沿いに進めばいいだけに
なります。

めっちゃ心強いですね。

現代人の我々が聞くと、なんだそんなの、当たり前
じゃねぇか！！　と感じますが、それは今、

「時計」

というものが当たり前にあるから言えることで、
17世紀以前には１日の誤差が15分以下という
精度の確かな時計はなかったらしい。。。

15分の時差でおよそ1600キロメートルだそうですから、
時計が１日に15分ズレればもはや目安としてあてに
なりません。。。

イギリスもスペインもフランスも、東アジアや
インドとの貿易でくっそ儲かっていたので、
これからもじゃかすか東アジアを目指したいところ。

しかし、航海術が船長の力量次第で変わるため、
悲惨な海難事故が続出していて、あのキャプテン・クック
でさえ経度がわからなかったばっかりに一度逃げ出した
ハワイに潮の流れで戻され、ハワイで殺されてしまったそうな。。。

そんなわけで、さすがに経度を正確に測れる
技術を確立しないとマズイということで、イギリス
議会は1714年、経度問題を解決した者に莫大な
報奨金を与えるという

「経度法」

を制定したそうな。。。

んで、この本は、この経度法の賞金を目指した
天文学者たちと、一人の天才時計職人との
静かなる戦いを描いた科学史。

この本を読んでかなり、

「アストロラーベ」

とか

「四分儀、八分儀、六分儀」

とか、羅針盤の基礎的な考え方が理解
できた気がしました☆

なんと現在の占いブログでは当たり前である

「月の位置」

も、実は長らくガリレオやハレー、初代グリニッジ天文台長
であったフラムスティードといった偉大な学者たちを
悩ませてきたらしい。。。

なんとあのニュートンまで月の運行表作成に
駆り出されていたってんだから、占星術師の
みなさんはそんな気軽に

「今日はかに座の満月～♡　

女神のパワーがぁぁぁ♡」

みたいなことを気軽に言うのはやめてください。( ´艸｀)

あの月ってものすごく予測不可能天体で、ヒッパルコス
でさえ悩ませていたんだね知らなかったよ！！！

そんな気軽に

「ふたご座満月ぅ～♡」

みたいな気色悪いポエミーなこといえねぇわ。。。(^_^;)

実際ふたご座に月、いないしな。。。(^_^;)

ちなみに航海術的な月の見かたといえば、
月がいったいいつ、どの水平線上の角度（経度）
から昇り、どのような恒星を背景に隠しながら
どういった運行をするのか、ということなのであり、
星占いミーハー姉ちゃんが

「かに座の女神のパワー♡　うふふ♡」

みたいなきっしょくそ寒いことでは断じてないし、
そもそも黄道１２星座のことではないのだ。

文字通り、運行する月が実際の天空のどの星を背景に
隠しながら進んでいくのか、ということである。

それをしっかりともう一度観測しなおそう！　いつまでも
古代ギリシャのプトレマイオスだのアリストテレスだのに
頼ってちゃダメだ！

ということで設立されたのが、英国王ジョージ１世の命で
建設されたグリニッジ天文台なんだそうな。。。

初代天文台長だったのがフラムスティード。

それで思い出したけれど、確か大昔、ルル・ラブアさんの
本か何か忘れたけど、占星術の本でフラムスティードの天星図と
プトレマイオス作の星座表とを並べて掲載していた本を
見た気がするね。。。

つまり、１７世紀に改めて古代からの星図をもっと
詳細に、精密に作り直した、ということだ。

それに太陽の通り道である黄道と、月の通り道である白道は
そもそも座標系としてぜんぜん違う。

いったい何を持って星占いスピリチュアルババアは

「今日はふたご座満月～♡　

モテ女子会しましょ～♡」

と言っているのか。たぶんまぁ、彼らはそこまでたぶん
考えてないし知らないのだろうが。。。
（※注、酒井さんも最近まで知らなかった）

それで、古代より占星術道具であったアストロラーベとか
って改めて見てみると、そーいやぁ現代のホロスコープ
ってもろ

「アストロラーベをそのまんま
書き写しただけのパクリもいいとこ図面」

であることに今更ながら気づいてしまって
本当にショックである。。。（汗）

どうも占星術に使われている座標系には二つあり、一つが
経度を測定するための太陽座標の系。

もう一つはヒッパルコスやヨハネス・ケプラーが
考えたような過去の観測データを元にした比例数
からの天体運動を考える系。

これらを同時に紙の上に表現したものが、
占いに使われている占星術である、という
ことのようだ。。。

しかし、いくら２４時間で１日とはいえ、本当は

「太陽時」　と　「平均時」　では、毎日３分何秒だか
ズレていくのである。。。

そういう時刻補正があのホロスコープになされている
かといえばそうでもない気がしゃす☆

んで、占星術はかつて、17世紀に時計技術や経度測定法、
新しい星図などを取り入れて、現在のような姿に進化
してきたわけだ。

そう考えると、やはりこれからはもう太陽系天体だけでは
ダメだろうし、黄道１２星座ではなくて実際のフラムスティード
版恒星図などで示す現実の星の南中時刻でホロスコープ表現
するとか、太陽系外惑星系のこと、光の屈折、重力派などなどの
科学的進歩とともに進むのが本物の

「占星学」

の姿であり、あり方であろう。

なのになぜだか占い師という人種は思考停止型が多く、
迷信を進化させようという気概が少ない気がする。

紀元前3世紀から17世紀にかけて、占星術は
人類の知の最前線を吸収して生きてきた。

２１世紀の今、また占星術は進化のときを迎えている
のではないだろうか。

現代科学の最前線とともに。。。

というお話です☆

そんなわけで授業料代わりに小説読んでちょ☆

酒井さんが必死こいて連載している占星術大河小説

「VICE－ヴァイスー孤独な予言者」

　　占いとはなんなのか、考えさせるストーリー展開に

　　なっています☆　ぜひ読んでくにゃさい☆

　　リンクはこちら。（全文無料で読めます♡）

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「経度への挑戦」 ～占星術の起源として～

「経度への挑戦」　～占星術の起源として～