NET Marketing Forum 2007の専門トラック、
「米国市場を席巻!日本導入された行動ターゲティング広告の全貌」のレビューです。

Revenue Science Inc.
General Manager APAC&Service
Tom Kim 氏


この講演では、Revenue Science社の方が来日され、
米国の行動ターゲティング市場について説明し、
最後にiMEDIADRIVEによる日本での成功事例を紹介されました。


米国の行動ターゲティング(Behavioral Targeting:BT)のトレンドから、
BTのセグメント作成の仕組み、
ビジネスモデル例をわかりやすく紹介していただきました。


内容がうまくまとまっていたので、
いくつかポイントとなる点をこのエントリーで紹介したいと思います。





■米国インターネット広告市場のトレンド


検索に相当する時間はわずか5%なのに、
総インターネット広告費の約50%が検索結果連動型広告に費やされている。


95%のオンラインにおけるユーザー行動は、
広告としして有効活用ができていないのが現状。


行動ターゲティングのテクノロージーは、
そのギャップを埋めるためのものだ、
と、まとめられていました。


確かに、検索以外のユーザー行動の95%という、

Webサイト閲覧に対して、広告をいかに有効活用するかという課題は、

今のところBTが最適かもしれません。




■購買検討段階におけるユーザー行動時間に対するBTの取り組み


例えば、ユーザーの車購入検討から購買までの行動をみてみると、
購入を検討し始めてから購買するまで期間は、約8~12時間といわれている。


その期間で、ユーザーが自動車関連サイトに接触する時間は、
総インターネット接触時間のわずか3%。


行動ターゲティング広告では、残り97%にも有効にアプローチする、
と、まとめられていました。




上記の2つのポイントは、
行動ターゲティング広告ニーズの市場背景として理解すべきでしょう。

現在、日本でも同じようなニーズがありそうな気がします。




■レベニュー・サイエンス行動ターゲティング技術:セグメント作成手法


BTのターゲットに対するセグメント作成方法は、
大きく3つがあるそうです。


○カテゴリーベース
→特定のカテゴリーに訪れたユーザーをターゲティング
#いわゆるYahoo!のファイナンスといった1カテゴリのイメージですね。


○コンテンツベース
→有効と思われるキーワードが含まれた記事を閲覧したユーザーをターゲティング
#テキストのキーワードが含まれた記事が軸になると思うので、
#Google adsenseのコンテンツマッチに近い感覚になるでしょうか。


○検索ワードベース
→検索窓にて特定のキーワードを検索したユーザーをターゲティング
#ユーザーの検索キーワードを追うので一番興味関心度合いが強いと言えます。


これら3つを組み合わせてセグメントすることが可能なのだそうです。




■行動ターゲティング導入の際のビジネスモデルパターン


行動ターゲティングテクノロジーを導入・活用する際の、
ビジネスモデルが大きく分けて2つ、
さらにそこから細かく分けて3つにカテゴライズできます。


現状のソリューションを理解する上で、整理しやすいので、
ここは人に説明する際に憶えておくと、ちょうど良いと思います。



<媒体社向け広告ソリューション>


○1媒体社内完結モデル
・媒体社が運営するサイト内にて、行動データを収集し、広告配信を行う。
例)(米国)AOL、ABCNews (日本)日経NET
#このモデルにはYahoo! Japanも入りそうですね。


○ネットワーク展開モデル
・行動データを、他サイトから収集し、アドネットワークにて広告配信。
例)(米国)DASH、JumpStart (日本)iMediaDrive(impAct)
#このモデルは今後ADJUSTとかでも導入されてくるものですね。

#日本で今年騒がれるのはここのネットワークでしょうね。


<広告主向けWebマーケティングソリューション>


○リターゲティングモデル
・行動データを広告主サイトから収集し、他媒体社のサイトにて広告配信。
例)(日本)
#米国では人気が高いものだそうで、iMediaDriveの行動ターゲティングbyクライアントや、

MicroAd Retargetingがこの対象になりますね。



上記の整理はわかりやすかったです。

今後はこの軸で整理すると、新しく出てくるサービスが頭に入りやすいと思います。

行動ターゲティング広告は複雑ですから、

このあたりを憶えておく必要があると思います。






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Tom Kim 氏の後は、iMediaDriveの方が出て、
成功事例として行動ターゲティング広告による
インプレッション効果の事例のリサーチデータを出されていました。


化粧品メーカーさんと@Cosmeで展開した事例だと思うのですが、
それによると、行動ターゲティングで、
ターゲットセグメントされて配信された広告は、そうでない広告よりも、
対象ユーザーにとってインプレッションによる広告認知効果が高かったというものでした。


純粋想起や助成想起、ブランド好意度などで、
ポイントが高く、ターゲティングされた広告は、
インプレッション効果も高いという結論でした。


確かに、より興味のあるユーザーに対して、
広告を重点的に配信できるので、
効果が高まるのは当たり前だと思うのですが、
それがちゃんとリサーチデータとして証明されている点が評価できますね。


もちろんフリークエンシーがどれくらいが最適かという問題はありますが、
広告効果という意味で、認知も獲得も期待できるかもしれないというのは魅力的です。


今後の行動ターゲティング広告(Behavioral Targeting:BT)には、

しばらく目が離せそうにないと感じた講演でした。