日本ダービーメモ②(別路線組)

テーマ:
・青葉賞1着馬は21頭中7頭複勝圏(重賞格上げ後参照)
前走1番人気なら12頭中5頭複勝圏。本番と同距離の重賞なので心身疲労レベルは高い。
前走2番人気以下1着で当日3着以内になった2頭(11ウインバリアシオン、04ハイアーゲーム)はともに2走前4着以下で、1頭は3走前1番人気4着、もう1頭は3走前500万下と、当然直近の心身疲労が懸念されるだけに蓄積ストレスに注意。
前走1番人気1着だった場合でも2走前に2200m以上のOPで連対していた2頭は凡走していて、長距離OPで連続好走というのはカテゴリーストレスを増大させるもので好ましくはないだろう。

また3着以内になった7頭中6頭が前走で7番手以内の競馬をしている。東京2400mという単調な条件だけに活性化されていることが望ましいし、追込ストレスなどは避けたいが、残る1頭11ウインバリアシオンは前走4角13番手。これは当日不良馬場の追込競馬という特殊な環境になったせいだろう。

タイプ的には純粋なL系は分が悪い。延長の広いコースという青葉賞の条件がタイプに嵌まった馬は同条件で相手強化という文脈ではパフォーマンスを落とす可能性が高いということだろう。


・青葉賞4着以下は9頭中2頭複勝圏
2桁着順か人気薄激走かと両極端。前走3番人気以内なら5頭中2頭複勝圏と、心身疲労から解放されている形なら決して悪くないステップになる。

3着以内になった2頭の2走前は毎日杯1着と皐月賞3着。このあたりリズムとストレスのバランスがポイントになるが、この2頭はブラックタイド産駒とアンバーシャダイ産駒でS要素ないしC要素が強い。延長の東京2400mという単調すぎる条件では嵌まらなかったタフなタイプが、ストレスが薄れての相手強化になる本番で巻き返したことになる。L要素が強い青葉賞1着馬の相性が悪いことと丸っきり正反対の性質を持つデータ。
他のパターンの好走可能性も十分あるだろうが、トライアル凡走だと既に賞金がある馬でないと出走すら厳しくなるので、そうなるとある程度の実績馬→鮮度は高くない馬が多くなるということになるが…


・京都新聞杯連対馬は22頭中5頭複勝圏(2002年以降参照)
当日人気を下回った馬が4頭しかいない。その4頭中3頭が当日4角12番手以降で、延長の追込が展開やタイプに合わなかったケースになる。もう1頭は延長スローで凡走のS系。延長が合わなさそうな文脈に注意したい。スローペースなら量が豊富なタイプが無難。
また3着以内になったのは全て前走1着馬で、前走1着馬に限れば13頭中5頭複勝圏になる。別路線・平坦外回り・本番とは別距離ということで疲労レベルは低め。
さらに2走前も1着だった馬に絞れば7頭中4頭複勝圏とかなりの好走率。2着馬がもうひとつなことの裏返し的に、勢いに溢れる連勝馬の殴り込みが面白い。
ただ4着以下になった3頭の2走前は平坦で広いコースの2300m以上で、2走続けて同質で単調な条件を走ってきた馬は活性化面でイマイチか。当日9番人気5着と善戦はした11クレスコグランドは2走前京都2400mだが重馬場だったので、少なくともタフさや忙しさを含む記憶を重ねておきたい。この3頭は全て当日4角12番手なので、やっぱり活性化に欠けていたか、というのはある。

そして唯一連勝中ではない形で3着以内になった04ハーツクライは2走前が皐月賞5番人気14着。さすがにGⅠ経由で好走続きだとストレスが上回る恐れが強いので、リズムとストレスのバランスからは妥当なところだろう。いちおう2走前にタフで忙しい記憶を重ねているということになる。

タイプ的にはスローペースなら量系が好ましいとは書いたが、別路線の優位性を活かしきるなら当日はタフな流れになって心身疲労の影響が出やすいレース質になった方が相対的に有利だとは言えるか。


・プリンシパルS連対馬は19頭中1頭複勝圏(2003年以降参照)
こちらも別路線の前哨戦で本番とは別距離だが、前走1着馬は12頭出走して複勝圏ゼロで、唯一3着以内になったのが前走1番人気2着と力を出し切れずストレスが少なかった馬。
東京のOP特別という緩さが、ダービーと同質な属性を帯びてしまっていてカテゴリーストレスを高くしているということか。当日5着以内になった3頭中2頭が当日重馬場か不良馬場で、前哨戦と本番との関係性はより異質であった方がよいという示唆にも伺える。
そして3着以内になった09アントニオバローズの2走前は皐月賞12番人気9着。GⅠ経由なので前走凡走が好ましかったわけだが、京都新聞杯組同様2走前以前には忙しい経験をしていた方がベターということでもあるか。


・NHKマイルC連対馬は12頭中3頭複勝圏
前走1番人気で当日2番人気以内なら3頭中2頭複勝圏。別路線で距離も短いとあって比較的ストレス少なく消化した実力馬には有利なステップ。4着以下になった01クロフネは当日重馬場。さすがに心身疲労がないわけではないので、当日あまりにタフな競馬になって体力の要求量が大きくなりすぎると厳しいものがある。
また前走4角12番手以降が3頭全て凡走で、大幅延長だけに後方すぎた馬は追込ストレスが懸念される。

2走前を見てみると3着以内になった3頭中2頭が毎日杯1番人気1着で、残る1頭は皐月賞2番人気6着。このあたりは他の別路線組に近い傾向でリズムとストレスのバランスに注目だが、ずっとマイル路線だった馬よりはやはり中距離タイプがベターか。


・NHKマイルC3着以下は36頭中2頭複勝圏
3着以内になった2頭は前走3番人気以内で人気を下回っていた。1頭(02タニノギムレット)は当日1番人気の実力馬で、ストレスが少ない別路線組としてかなり有利な立場ではあった。
2頭は当日4角先頭か12番手かの極端な脚質なので、巻き返しにくさを象徴しているとは言えるが、当日人気薄だった07アサクサキングスは逃げられなかった逃げ馬のショック付きで、やはり期待値ではショック形ということになろう。

また2頭の2走前はともに皐月賞で人気を下回る凡走。心身疲労の問題もあるがクラシックGⅠでもある程度人気になる実力馬だったということで、マイル路線を歩んでいた馬がいきなりの大幅延長で巻き返すというのも少し考えづらいが。


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日本ダービーメモ①(皐月賞組)

テーマ:
※1990年以降参照

・皐月賞連対馬は45頭中21頭複勝圏(中山開催参照)
皐月賞1着馬は(8-3-3-9/23)、皐月賞2着馬は(2-3-2-15/22)で、勢いがある1着馬が優勢。皐月賞2着からダービー1着になったのは前走1番人気と当日1番人気。

45頭のうち2走前が弥生賞だった馬は13頭中6頭複勝圏で、弥生賞4着以下だった2頭は当日連対している。弥生賞1~3着だった馬は当日3着以内になった4頭中2頭が1番人気を裏切ってのもので、残る2頭のうち1頭は当日単勝1.1倍。圧倒的実力馬05ディープインパクトを除けば普通に連続好走できたのは93ナリタタイシンだけで、それでも同馬も当日3番人気3着なので人気を上回れた馬は1頭もいないことになる。ちなみにナリタタイシンとディープインパクトは鞍上武豊。レベルの高い2000mの重賞を連戦してきたストレスには細心の注意を払いたい。

2走前が弥生賞以外なら32頭中14頭複勝圏で、2走前が2月なら5頭中3頭複勝圏、2走前が人気を下回って3着以下なら7頭中4頭複勝圏。
2走前に3月の重賞(弥生賞除く)で連対していた場合は9頭中5頭複勝圏で、5頭は全て皐月賞1着馬。皐月賞2着だった3頭は全て当日4着以下になっている。皐月賞1着で当日4着以下になったのは13ロゴタイプのみ。総じて蓄積疲労に注意なことは確かだが、2走前弥生賞の馬も含めて、きついストレスに耐えて皐月賞を勝った馬はそれほどダービーでも崩れていないと言える。ストレスのせいで勝ちきれなかった馬はダービーで脆く、それが皐月賞1着馬優勢のデータに表れているものと思われる。

ここで皐月賞2着馬のみのデータを見てみる。
すると当日3着以内になった7頭中5頭が2走前は人気を下回って3着以下で、残る2頭の2走前は2月のマイル重賞とOP特別1番人気1着。2走前4着以下は6頭中4頭複勝圏で、当日人気を下回った馬が1頭もいない。というか全て当日4着以内。皐月賞2桁人気激走だったサンツェッペリンやシックスセンスが崩れていない。このあたりはオークスにおける桜花賞連対馬がそうだったように、蓄積疲労要件としてよくあるパターン。蓄積疲労が少なく、皐月賞時点でのストレスレベルが低い馬ほど良いということが伺える。きついストレスに耐えて皐月賞を勝った馬が崩れにくいデータとは対照的な傾向。
皐月賞2着からダービー馬になった95タヤスツヨシ、90アイネスフウジンがそれぞれ2走前は1番人気6着、1番人気4着だったというのが如何にも象徴している。このあたりの微妙な差異には気をつけておきたい。

13ロゴタイプや96イシノサンデーなど、S要素が強い皐月賞馬は延長で広いコースへの流れ鈍化が合わないリスクがある。このあたりもストレスのせいか展開のせいか、あえて敗因は定かにはしないが。


・皐月賞3~5着馬は43頭中13頭複勝圏
前走5番人気以内(29頭)でなおかつ前走が人気を上回る着順ではなかった場合は25頭中10頭複勝圏。そこそこ好走のゾーンだけに力を出し切っていなかったタイプが好ましい。

その25頭のデータから見てみる。3着以内になった10頭中8頭が前走の1角か2角で10番手以降。後方からの競馬で凡走していたタイプで、極端な脚質が嵌まらなかったパターンに近い。またその8頭中6頭が2走前に弥生賞を差して連対していた。皐月賞では弥生賞を差して連対したストレスがあって末脚が鈍っていたということで、そのストレスが薄れたダービーで巻き返した形。当日の脚質についてはそれほど問わないが、前走も当日も4角10番手以降だと追込馬の延長になってよろしくないので、ある程度の活性化か位置取りショック付きがベター。

一方、皐月賞で9番手以内の競馬をしていた馬はというと、11頭中2頭複勝圏でイマイチ。ただ3着以内になった2頭は前走やや重で、前走非良馬場の場合は3頭中2頭複勝圏と一変する。好走したその2頭の皐月賞がどんなレースだったかというと、ともに1角14番手以降の差し追込が連対。やや重の小回り激流というタフなレースで展開的に不利だった先行好位組が延長の流れ鈍化で巻き返した形。
特にその2頭(12ディープブリランテ、10ローズキングダム)がディープインパクト産駒とキングカメハメハ産駒であるように、量的なタイプにはタフで忙しい競馬からの延長広いコース替わりというオプションが効果的だったということにもなる。またこの2頭は2走前がスプリングS1番人気で2,3着。弥生賞連対のストレスがあった追込馬の巻き返しとは違っていて、単純に蓄積疲労が少なめに押さえられていた。逆に前走やや重で先行していたがダービーでは凡走した10アリゼオはスプリングS1着。

ここまでは力を出し切っていなかった馬を見てきたが、残りの18頭、皐月賞で人気を上回る着順だった馬も見ておく。
内訳は18頭中3頭複勝圏で、3着以内になった3頭中2頭は2走前4着以下、残る1頭が2走前1月で皐月賞は休み明け。皐月賞で人気を上回って好走しているわけだから、当然直近の心身疲労にダウンしてしまわないように2走前以前の範囲でカバーしておくことが好ましい。皐月賞を休み明けで好走すること自体が例外的ではあるが、その10エイシンフラッシュはそのままダービー馬の座まで駆け上がった。

また前走9番手以内の競馬だった95オートマチックは前走やや重→当日良馬場で、量系10エイシンフラッシュも前走やや重→当日良馬場。先行好位組や量系のこのパターンに注意で、前走追込馬なら92マヤノペトリュースが前走良馬場→当日やや重であるように逆に当日タフな競馬になって差し届く形もある。力を出し切っていなかったパターンの追込馬では01ジャングルポケット、98スペシャルウィークが前走良馬場→当日非良馬場。ともにダービーでは3角10番手以降が連対する追込決着。


・皐月賞6着以下は77頭中8頭複勝圏
前走5番人気以内なら27頭中7頭複勝圏。オーソドックスに人気を下回っていてストレスが少なかった馬がベター。まずはこの27頭を見ていく。
まず3着以内になった7頭中2頭が当日4角13番手以降、4頭が4角3番手以内で、残る1頭も3角では3番手だったように、惨敗からの巻き返しによくある形として極端な脚質が嵌まるケースが中心になる。前走も極端な脚質であることが好ましい。
そして7頭中3頭が前走良馬場で当日は重馬場か不良馬場であるように、大きなショック材料があれば巻き返しの可能性も上がる。当日重か不良馬場なら4頭中3頭が3着以内になっている。当日良馬場の場合は前走やや重だった00アタラクシアが好走しているが、同馬は量系デインヒル産駒。皐月賞3~5着馬の傾向にもあったが、やや重のタフな流れを先行して凡走していた量系タイプの延長広いコース替わりには注意したい。
3着以内になった7頭中4頭には前走と今走との馬場変化があったことになるが、残りの3頭のうち2頭は2走前弥生賞連対で、もう1頭はスプリングS1着。皐月賞は前哨戦好走のきついストレスで惨敗していて、ストレスが薄れたダービーで巻き返した。特に2走前が弥生賞連対なら4頭中3頭複勝圏で2頭はダービー馬になっているように、皐月賞最主要トライアルのストレスとその後のリズムの形成からは期待値が高い存在になる。皐月賞時点でのストレスレベルが高いほど好ましいと言えそうか。
(この範囲から巻き返してダービー馬になった2頭は2走前弥生賞逃げ切り1着の09ロジユニヴァースと2走前弥生賞追込2着の99アドマイヤベガ。 弥生賞を極端な脚質で連対した甚大なストレス。そのストレスで皐月賞凡走。ともに皐月賞では弥生賞でのパフォーマンスも評価されて1番人気だった)

続いて前走6番人気以下で6着以下だった馬を見てみると、50頭中1頭複勝圏でかなり厳しい。いちおう当日5着以内なら6頭いるので、そちらを参考にしてみる。
すると6頭全てが当日4角3番手以内か10番手以降で、やはり極端な脚質が嵌まる形になっている。そのうち4頭は前走4角14番手以降で、追込馬の延長にはなるのだが皐月賞では流れの中に参加しなかったことが消耗の抑制につながるということか。それでも2走前以前に先行や速い流れのレースを経験していたりするので、さすがに活性化に乏しすぎるようでは期待値は下がるが。
前走好位から競馬していた2頭については2走前8着と2走前1月で、前走追込馬には2走前3月重賞好走もいる。このあたり望ましい消耗度の参考として押さえておきたい。

そして唯一馬券圏内に絡んだ98ボールドエンペラーだが、皐月賞では良馬場グリーンベルトで追込不発。ダービーではやや重前崩れで追込炸裂。これは皐月賞3~5着馬の傾向同様ということだが、何を隠そうその年のダービー馬は皐月賞で追込不発の3着だったスペシャルウィークである。
98年は皐月賞で同じ負け方をしていた2頭によるワンツーだった。皐月賞で先行して連対のセイウンスカイ、キングヘイローは揃って凡走で、両レース間のギャップが如何に激しかったかを物語っている。


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オークス回顧

テーマ:
スローベターな桜花賞組、ハイペースベターな別路線組、というのが基本的な構図。
レースは縦長で35.1-59.8-34.5。上がりは速かったが前半やや流れたのもあって矯めて差した馬有利なオークスでよくある決着に。完全なスローではなかったのでステップイマイチな馬が多かった桜花賞組からはシンハライトが1着で、2~5着には別路線組が入線。

ここから事前のステップ評価とともに各馬を個別に。

1着1人シンハライト[D:やや蓄積疲労が上回る、スローで速い上がりの差し競馬なら]
流れの中に入らず追込に回る位置取りで消耗を押さえ、得意の速い上がりの差し競馬に持ち込んだのがよかった。年明け以降のOP3走が人気を下回ることのない好走続きで、高いストレス耐久性を示されお手上げ。

2着2人チェッキーノ[C:ストレスあるがまだ鮮度あって、鮮度とパワー活きるレース質なら]
馬場と流れとレース傾向から外差し有利は明白で、特に問題のないステップでレース質、位置取りも合致していたので無難な結果。それで勝てないのも物足りないが。
パワー・体力は牝馬の中では上質で、全兄コディーノと違ってまとまった素直さが牝馬戦では活きるのでクラシック適性は牡馬の兄より高い。

3着5人ビッシュ[C:蓄積ストレス皆無、経験値低いがスローより締まった流れベター]
馬体増は吉。ストレス皆無→鮮度抜群なディープ産駒で、鮮度要求率の高さを誇示。戦績からは軽い高速上がりだけが能の馬でもなく、鮮度と適性が締まった流れに合致。位置取りショックを絡めたのは好感だったが、最後は追込勢に差し込まれる。

4着10人ジェラシー[C:L要素がステップに噛み合わないがよほどスムーズなら]
可能な限り揉まれたくないHarbinger産駒なので、8枠で前走4角2番手から当日4角17番手と、流れの中に入らない鞍上の位置取り転換が奏功して外差し競馬にも嵌まる。S的経験を補完しておきたかったが。

5着8人ペプチドサプル[C:一気の相手強化なので追込に回る形がベター、鮮度活きれば]
もう少しメリハリのある戦法がよかったが、相手強化で差しに回る位置取りに加えて外を回したのもタイプに合った。4着馬同様、基本的にオークスでは延長適性を示すL要素(量)が活きるが、3~5着になりやすい。

6着12人フロンテアクイーン[C:強調するほどでもないが極端な脚質やショックあれば多少は]
締まった流れを追込に回る位置取りショックはよかったが、リズム・ストレス・鮮度のバランスや速い上がり適性で上位馬にやや見劣る。種牡馬リーディングツートップとL系種牡馬が掲示板を占める決着で。

10着3人エンジェルフェイス[C:間隔開けて多少疲れ取れ、速い上がり向きでもなく道悪ベターだが]
大型パワータイプの先行馬は道悪や前が残る消耗戦でないと分が悪いのがオークスの傾向で、例年通りの速い上がりの差し競馬決着では苦しい。3角6番手以内では最先着だが。

11着4人アットザシーサイド[C:2走前凡走でまずまず、スローを好位に行く形がベター]
シンハライトが上手く持ちこたえただけで、基本的にはスローベターな桜花賞組は苦戦。スローベターなところに前に行く位置取りも体力的に微妙で。もう少しストレスレベルは低い方がよかったか。

12着13人アウェイク[C:ストレスあるも鮮度高い、締まった流れを追込に回れば]
ストレスあり体力豊富でもないので追込に回ればショックにもなったのだが、前走と同じ好位からの競馬で伸びを欠く。よりストレス少なく位置取りショック付きのビッシュ(ディープ産駒でフローラ3~5着)が先着。


[総括]
チューリップ賞→桜花賞→オークスと全て連対してみせたシンハライト以外は基本的には別路線組有利な決着で、速い上がりの差し競馬が向くタイプが揃って上位に。位置取りや適性が展開に噛み合わなかった馬には厳しく、展開次第な拘束力があるオークスらしさを示した。たかが展開、されど展開。
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オークスメモ②(小ネタ)

テーマ:
75テスコガビーは4歳牝特1着→桜花賞1着→4歳牝特3着→オークス1着。オークスでは単勝2.3倍
桜花賞では単勝1.1倍で大差勝ち。オークストライアル4歳牝特を1番人気3着とストレスを吐き出した後にオークスでは8馬身差。
(声に出したくなるレース名、4歳牝特)

87マックスビューティはチューリップ賞(OP)1着→桜花賞1着→4歳牝特1着→オークス1着。
86メジロラモーヌは4歳牝特1着→桜花賞1着→4歳牝特1着→オークス1着。
ともにオークスでは単勝1倍台。圧倒的実力馬でないと克服できそうにない過酷なストレスを耐えて2冠馬になった。

89ライトカラーはエルフィンS2着→桜花賞8着→4歳牝特5着→オークス1着。
使い込まれたローテなら普通は凡走挟んでストレス少ない方が無難。桜花賞と4歳牝特(現フローラS)の間隔が中2週だった当時はよく使われた臨戦過程。


[1990年から2006年までの桜花賞馬のオークス成績とその2走前]

90アグネスフローラ1人2着 チューリップ賞(OP)1人1着
91シスタートウショウ1人2着 チューリップ賞(OP)1人1着
92ニシノフラワー1人7着 チューリップ賞(OP)1人2着
93ベガ1人1着 チューリップ賞(OP)1人1着
94オグリローマン1人12着 チューリップ賞(この年からGⅢ)2人2着
95ワンダーパヒューム7人3着 アネモネS4人2着
96ファイトガリバー4人2着 アネモネS1人3着
97キョウエイマーチ1人11着 4歳牝特1人1着
98ファレノプシス1人3着 チューリップ賞1人4着
99プリモディーネ3人3着 チューリップ賞3人4着
00チアズグレイス5人2着 チューリップ賞1人10着
01テイエムオーシャン1人3着 チューリップ賞1人1着
03スティルインラブ2人1着 チューリップ賞1人2着
04ダンスインザムード1人4着 フラワーC1人1着
06キストゥヘヴン2人6着 フラワーC6人1着

当日4着以下になった5頭中4頭が2走前重賞連対。2走前重賞連対は6頭中2頭複勝圏で、03スティルインラブは2走前1番人気2着、2走前1番人気1着の01テイエムオーシャンは当日1番人気3着。2走前がOP特別または重賞3着以下なら9頭中8頭複勝圏。蓄積ストレスの重要性は改修前も改修後も変わりない。
当日4番人気以下なら3頭中3頭複勝圏で、3頭のうち2頭はOP特別のアネモネSで負けていた。もう1頭はチューリップ賞10着。弱い相手に負けていたり大敗を挟んでいたり、その分評価が高まらない→蓄積ストレスが少ないの裏返し。

OP特別時代のチューリップ賞は桜花賞に向けては直近ストレスが少なくて直結しやすいし、オークスに向けては蓄積ストレスが少なくて桜花賞から連続好走しやすい。有能なステップレースであることよ。

2007年以降の桜花賞馬のうち2走前重賞連対は14ハープスター、10アパパネ、09ブエナビスタで3頭全てオークス連対。桜花賞が外回りになってハードさが薄れた分、疲労レベルや適性のギャップが小さくなったとは言えるか。とはいえハープは当日1番人気2着、アパパネは2走前1番人気2着と全てにおいて力を出し切ったわけではなく、2走前からオークスまで全て1着だったのはブエナビスタのみ。のちの年度代表馬…はさておき、当日良馬場スローで心身疲労出にくく桜花賞上位スライド決着。

オークスメモ

テーマ:
※1990年以降参照

・桜花賞連対馬は15頭中10頭複勝圏(2007年以降参照)
前走2番人気以内なら8頭中6頭複勝圏。4着以下になった2頭は前走3角15番手で当日1角13番手以降。追込馬の延長という脚質面のストレス要因。
前走3角12番手以降かつ当日1角12番手以降で3着以内になった馬は3頭いるが、1頭は前走1番人気2着(10ホエールキャプチャ)、残る2頭は当日単勝1倍台前半の圧倒的実力馬(14ハープスター、09ブエナビスタ)で、3頭中2頭は当日人気を下回っているだけにストレスの厳しさを物語る成績。
前走追込の場合は15クルミナルや09レッドディザイアのように延長で前に行く形がベターで、当日好位を選択すればストレスの懸念を抑えられるが、当然緩い流れの方が前に行く負荷も少なく、この2頭の年の前半1000m通過は61秒超のスローペースだった。

前走3角10番手以内なら8頭中5頭複勝圏で人気薄での激走もあるように期待値は高めだが、4着以下になった3頭のうち2頭は前走逃げ。追込後もよくないが逃げた後もよくないということは単純に極端な脚質によるストレスに注意ということではある。
4着以下になったもう1頭、13アユサンは当日3番人気4着と人気なりではあるが、当日1000m通過が59.6秒の締まった流れで同馬に先着した3頭は桜花賞惨敗馬と別路線のフローラS組。心身疲労(鮮度)の影響が出やすいレース質だった。
アユサンは前走7番人気1着と人気薄激走後だったわけだが、決して人気薄だった馬が悪いわけではない。前走7番人気以下は4頭中3頭複勝圏という好走率の高さで、当日6番人気以下の3頭は全て3着以内になっている。この4頭は全て2走前3着以下で、うち3頭は3走前6着以下。近走成績がそれほど良くなかったから桜花賞では人気薄だったわけで、その反面蓄積疲労が少ないというM的な逆説を備えた馬たちだった。

ここでもう一度桜花賞連対馬15頭を振り返ってみると、当日4番人気以下だったのはその2走前3着以下の3頭で、3頭中3頭複勝圏ということになっている。何故人気がないのか、人気がないとはどういうことなのかを考えさせてくれるデータではある。
2走前4着以下なら4頭中3頭複勝圏、2走前1着なら7頭中4頭複勝圏で3着以内になった4頭中2頭は当日人気を下回っている。

総括すると極端な脚質、蓄積疲労ないし鮮度、心身疲労の影響が出にくいレース質あたりがこのステップが内在する問題ということになる。比較的一般的なストレス要因がフルに立ちはだかるという感じ。


・桜花賞3~5着馬は19頭中3頭複勝圏
3着以内になった3頭は前走3角12番手以内で当日1角7番手以内。桜花賞では追い込んで届かなかった馬が延長で好位に行く順ショックの形。この3頭は2走前か3走前には5番手以内の競馬をしていた。ある程度活性化されていてマイルGⅠの流れでは後方からになっていた馬が延長の流れ鈍化で前に行く形。桜花賞連対馬と比べて巻き返しになる分ショック絡みがベター

また3頭中2頭は2走前チューリップ賞3番人気5着で蓄積疲労が少なかった。一応桜花賞をそこそこ好走しているので蓄積疲労が少なければ好ましいわけだが、もう1頭の14ヌーヴォレコルトは2走前チューリップ賞4番人気2着と連続好走後。 同馬は3走前が前年の500万下。使い込まれていなかったりトップクラス経験が少なかったり、なんだかんだ蓄積ストレスの度合いがどのぐらいか、というのがポイントになる。あとは当日の(心身疲労が影響しにくい)レース質。


・桜花賞6着以下は41頭中3頭複勝圏
3着以内になったのは前走1番人気2頭と4番人気1頭。いずれも前走は人気を大きく下回っていてストレスが少なかった。前走5番人気以内なら13頭中3頭複勝圏。
3着以内になった3頭は2走前が重賞連対で、桜花賞ではそのストレスもあって凡走していた。そして3走前が500万下の13メイショウマンボを除く2頭は年明け2走のみ。鮮度が高かったり使い込まれていなかったり、消耗度が少ない方がベターか。
また2走前が1400mで桜花賞は延長臨戦だった13メイショウマンボ以外の2頭は2走前3角6番手以内で桜花賞では3角12番手以降。この2頭はオークスでは3角8番手以内に付けて巻き返している。マイルGⅠの忙しさに後方から競馬していた馬が延長で前に行って、という形は桜花賞3~5着馬と同様。メイショウマンボは桜花賞が延長臨戦で追走しやすかったこともあって前走3角9番手と後方すぎず、オークスでは3角7番手。2走前に活性化されているのは3頭に共通する事柄で、ここは押さえておきたい。流れ鈍化しがちな大幅延長で巻き返すわけだから当日追込よりは前に行く順ショック形の方がベターということだが、このあたりは流れ次第で、位置取りショック絡みなら違う形での好走があってもおかしくはない。
ただ当日1番人気2着の15ルージュバック以外の2頭は当日やや重馬場か1000m通過59.6秒というタフなレースになっていて、心身疲労の影響が出やすいレース質の方が大幅な巻き返しも利きやすい、言い換えればリズムが良い馬を逆転しやすいということにはなる。

晴れ、良馬場、1000m通過61.0秒という摩擦係数が低いレース質になった2009年は桜花賞1~3着馬がそのままオークスでも1~3着になるスライド決着だった。心身疲労の影響が出にくいレース質。


・フローラS連対馬は31頭中9頭複勝圏(00年以降参照)
前走2番人気以内なら13頭中7頭複勝圏。長い距離のGⅡなので心身疲労には注意したい。前走3番人気以下は18頭中2頭複勝圏とかなり相性が悪いが、前走4番人気2着の10アグネスワルツは前走が休み明けで年明け以降1走のみ。前走14番人気1着の03シンコールビーは2走前500万下7着、3走前500万下14着で年明け以降3走。ともに蓄積ストレスは至ってクリアで使い込まれてもいない。
前走2番人気以内の13頭も見てみると、3着以内になった7頭中4頭は2走前が500万下か未勝利戦。残る3頭は2走前重賞で、うち2頭が人気を下回って3着以下。2走前フラワーC3人2着の13エバーブロッサムは3走前が未勝利戦。いずれも蓄積疲労の少なさや鮮度の高さを踏まえており、7頭中5頭が2~4走前に新馬戦か未勝利戦に出走していた。トップクラスを使い込まれていてストレスを蓄積していると期待値が下がるというのは基本的な話だが、直近の疲労レベルが高いだけにより重要になっている。

フローラS連対から当日3着以内になった9頭中6頭は当日降雨のやや重馬場か1000m通過60秒未満。タフなレースになった方が王道路線の桜花賞組に対して別路線の鮮度がアドバンテージになる。当日スローでもよほどの量系なら好走例も。タフなレースなら中距離馬の体力が桜花賞組のマイラーに対して優位性があるということでもあるか。


・フローラS3着以下は35頭中2頭複勝圏
3着以内になった2頭は前走3着。前走6着以下からは14頭いて掲示板に載ったのは00レディミューズのみ。大半が当日超人気薄で能力やリズムに難があるということだが、そのレディミューズは前走2番人気9着で2走前が桜花賞2番人気6着。過度に使い込まれていたので凡走続きのノーストレスだったことが逆に幸いしたことになる。さらに当日やや重で逃げる位置取りショック。巻き返しにくさを象徴するショック材料。

視点を変えて前走3~5着の範囲を見てみると、21頭中2頭複勝圏で3着以内になった2頭はともに前走3番人気3着。人気を上回っていなかったのでストレスはそれほどでもなく、2走前か3走前が500万下でトップクラスを使い込まれてもいない。またこの2頭は1600m以下の重賞を経験しており、緩い中長距離しか経験がない馬は巻き返しにくいか。
そしてこの2頭は当日1角1番手と15番手。巻き返しにはよくある極端な脚質が嵌まる形で、当日逃げた馬は前走は逃げておらず、ショック付きなら当然好ましい。
あとはやはり鮮度が高い別路線組でなおかつ心身疲労レベルも高すぎないので、その優位性が活きるレース質、道悪や締まった流れがベターということになる。


・スイートピーS連対馬は21頭中2頭複勝圏
3着以内になった2頭はともに当日1000m通過が60秒未満。特に当日3番人気1着の06カワカミプリンセスの年の1000m通過58.1秒というのは1990年以降のオークスで最も速いラップ。タフな消耗戦になったことで心身疲労がある桜花賞連対馬(キストゥヘヴン、アドマイヤキッス)は伸びを欠いた。別路線で2走前500万下、3走前新馬戦と極めて鮮度が高いカワカミプリンセスが勝ち、2着には桜花賞大敗で疲労少ないフサイチパンドラ。オークスで別路線の優位性が活きる時を象徴するレースだったわけだが、同馬と07ラブカーナは阪神内回り1400mやローカル小回りを経験していた。OP特別の東京1800mという極めて緩いレースからの相手強化になるので、忙しくS質な経験を積んでおいた方が戸惑いにくくベターだろう。
また2頭は前走3角5番手と7番手。大幅延長だけに緩い条件を追い込んでいたようではストレスが懸念される。前走追込は避けておきたい。


・忘れな草賞連対馬は20頭中5頭複勝圏
前走2番人気以内なら11頭中4頭複勝圏。急坂阪神の長距離OPという条件だけにそれなりに心身疲労には注意。
前走3番人気以下から当日3着以内になった前走5番人気1着の98エリモエクセルは2走前6着で3走前ダート戦。蓄積ストレスや疲労軽減要素など、心身疲労懸念ステップではセオリーとも言えるチェックポイントには注意を払っておきたい。

前走1角3番手以内は8頭中1頭複勝圏で3着以内になった02ユウキャラットも2番人気3着と力を出し切っていない。緩い長距離OP特別を気分良く先行して好走していた場合、マイラーも参戦するオークスでは楽に先手を取れない恐れがあり、精神的負荷を受けやすい傾向にある。といって追込好走後の延長も好ましくなく、当日3着以内になった5頭中4頭は前走1角4~9番手の好位差しだった。
また3着以内になった5頭全てがローカル小回りやダート戦など忙しくS質な条件を経験していたというのは同じく緩いOP特別からの臨戦になるスイートピーS組と同様の傾向ということになる。


長距離戦考②

テーマ:
ひと昔前は秋天では1番人気が勝てないというジンクスがあった。近10年の春天での1番人気はディープインパクトしか勝ってないみたいだけど、ちょっとした逆転現象になってる。ちなみに近10年の秋天は1番人気4勝。
ライスシャワー、ビワハヤヒデ、サクラローレル。ひと昔前に秋天1番人気で敗れた馬の中にはL要素が強くて春天では勝つ、いかにもステイヤーが含まれてたりする。中距離主体、サンデー系主体になって長距離の不安定感が増したのが近年で、L系ステイヤー血統が減少した顕れとも言える。とはいえビワハヤヒデとサクラローレルは持ち込み馬。内国産主体になったとも言える。日本でLの血は栄えないか。

過去10年の春天で当日1番人気で凡走した馬の中には精神コントロールが難しいステゴ産駒2頭(ゴールドシップ、オルフェーヴル)、ダンス産駒1頭(フォゲッタブル)。京都外回りの単調さに集中しにくい面もあろうが、この3頭はいずれも菊花賞連対馬。ステゴの受難、または春天(0-0-1-18/19)のダンスインザダーク産駒など、菊花賞とのギャップが味わいどころ。
あとは種牡馬リーディングツートップのディープ産駒2頭、キンカメ産駒1頭が凡走。こちらは体力もうひとつで疲労耐久力も低い。

ダンスインザダークやハーツクライ、ネオユニヴァースなどは確かにスタミナ豊富でステイヤーをよく出す血統だけど、精神的にはS要素が強くて安定感がない。そこが昔のステイヤー血統とは違うところ。
C要素が強いステイゴールドにしてもオルフェ、ゴルシは気性的に不安定で、不安定さを補うなら母父メジロマックイーンよりは母父デインヒル(欧州ND)というのが春天連覇のフェノーメノが教えてくれてる。量を補う配合がベター。母父メジロマックイーンだと無尽蔵の体力はあるかもしれないけど、C系同士の配合は狂気的で騎手を振り落としたりもする。後継としては黄金配合と素直な配合、どちらがベター?

Sの対極がL(量)であることを意識させられる。精神的な安定感をもたらす量。同じ京都長距離GⅠだけど、ダンスインザダークが強い菊花賞はS的で、欧州NDが効く春天はL的。

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[春天勝ち馬の菊花賞成績]
15ゴールドシップ 1着
14フェノーメノ 不
13フェノーメノ 不
12ビートブラック 3着
11ヒルノダムール 7着
10ジャガーメイル 不
09マイネルキッツ 不
08アドマイヤジュピタ 不
07メイショウサムソン 4着
06ディープインパクト 1着
05スズカマンボ 6着
04イングランディーレ 不
03ヒシミラクル 1着
02マンハッタンカフェ 1着
01テイエムオペラオー 2着
00テイエムオペラオー 2着
99スペシャルウィーク 2着
98メジロブライト 3着
97マヤノトップガン 1着
96サクラローレル 不

・・・過去20年の範囲ではヒルノダムール、メイショウサムソン、スズカマンボ、メジロブライトなどL要素が強い馬は菊花賞で3着以下だったケースが目立つ。

95ライスシャワー 1着
94(阪神)ビワハヤヒデ 1着
93ライスシャワー 1着
92メジロマックイーン 1着
91メジロマックイーン 1着
90スーパークリーク 1着

・・・ここはL要素が強い菊花賞馬が春天でもステイヤー資質を見せつけた時代。

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今年含めて近5年の阪神大賞典勝ち馬の父がハーツ、ステゴ、ステゴ、ステゴ、ハーツというのが如何にタフなレースであるかを物語ってる。

オルフェとゴルシは阪神大賞典では連対を外したことがないけど、春天には合わせて4回出て連対したのは15ゴルシだけ。オルフェのライバル、ハーツクライ産駒のウインバリアシオンも春天には3回出て連対したのは14年だけ。
この3頭は菊花賞連対馬。菊花賞と阪神大賞典はどちらもタフなレースで親和性が高いけど、比較的単調な春天では落とし穴がある。

オルフェの全兄、ドリームジャーニーは09年に3着になり、その後GⅠ2勝を挙げる充実の最中にあったが、それでも比較的単調な条件、流れだった春秋天皇賞では連対を外している。締まった流れの小回りグランプリではどちらも完勝。
天皇賞は京都・東京という広いコースで行われて、グランプリは阪神内回り・中山内回りという小回りコースで行われて。オルフェやゴルシもグランプリでは安定感があった。

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スーパークリークは父ノーアテンション、メジロマックイーンは父メジロティターン、ライスシャワーは父リアルシャダイ、サクラローレルは父レインボウクエスト、メジロブライトは父メジロライアン。90年代の長距離砲は大体L要素が強くて、精神的に安定してる。京都外回りだけに大きな武器。(菊花賞も京都外回りやけどな!)
2000年代に春天連覇のテイエムオペラオーもやはりL要素が強いオペラハウス産駒。父ステゴで春天連覇のフェノーメノは母父デインヒル。欧州ノーザンダンサー、クソみたいなLの国の補助が活きる。
広いコースで少頭数のドスローを折り合って、というのが欧州の基本なので一日の長があるとは言えるか。さっき挙げた近年の体力系種牡馬が全てサンデー系で、米国→日本と栄えてきたのだから若干ズレるのも仕方ないか。(このあたりは同じような話を繰り返してるようですが、執着があるんだか憂いがあるんだか・・・)

欧州色たっぷりなトウカイトリックが春天を勝てなかったのはもったいない。ステイヤーズS、万葉S、ダイヤモンドS、阪神大賞典…3000m以上のOPはほとんど勝ったけど、春天はそういうところを使い込んだせいでステップイマイチな年が多くて(菊花賞は不出走)。

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[1990年以降の春天連対馬のうち前2走とも3000m以上だった馬]
12ビートブラック 14人1着
00ラスカルスズカ 3人2着
91メジロマックイーン 1人1着

3頭中2頭は武豊騎乗の4歳馬。残る1頭は2走前ダイヤモンドS6着、前走阪神大賞典10着のビートブラック。生涯鮮度が高くてストレスを抑える騎乗が上手い武豊、あるいは惨敗続きによってカテゴリーストレスを溜め込まずに済んでいた近走不振馬。メジロマックイーンの場合は2走前が前年の菊花賞で、記憶自体も遠い。


[過去10年の連対馬のうち前走3000m以上だった馬]
15ゴールドシップ 阪大1人1着
15フェイムゲーム ダイヤ1人1着
12ビートブラック 阪大6人10着
08アドマイヤジュピタ 阪大4人1着
06ディープインパクト 阪大1人1着

[その馬の2走前]
15ゴールドシップ AJCC1人7着
15フェイムゲーム AJCC3人12着
12ビートブラック ダイヤ4人6着
08アドマイヤジュピタ 日経新春1人4着
06ディープインパクト 有馬1人2着

5頭中1頭は前走が休み明け。2走前が年明け以降の4頭は全て人気以下の着順。
5頭中4頭が前走1着なので勢いがあった方がいいとは言えるが蓄積疲労は抑えたい。2走前も3000m以上だったビートブラックだけは前走も惨敗。印象的。


[その前の10年間で前走3000m以上]
03サンライズジェガー 阪大4人10着
02ジャングルポケット 阪大2人2着
00テイエムオペラオー 阪大1人1着
00ラスカルスズカ 阪大2人2着
99スペシャルウィーク 阪大2人1着
99メジロブライト 阪大1人2着
98メジロブライト 阪大1人1着
97マヤノトップガン 阪大1人1着
96ナリタブライアン 阪大2人1着

[2走前]
03サンライズ 京都記念3人12着
02ジャンポケ JC2人1着
00テイエム 京都記念1人1着
00ラスカル 万葉1人1着
99スペシャル AJCC1人1着
99メジロ 日経新春1人1着
98メジロ AJCC1人1着
97マヤノ 有馬2人7着
96ナリタ 有馬2人4着

9頭中3頭が前走休み明け。
4頭が2走前1月で1番人気1着。
2頭が2走前2月でうち1頭は2走前も前走も惨敗で蓄積疲労クリア。2走前京都記念1番人気1着なのが00テイエムオペラオー。母父ブラッシンググルームの4歳馬。

00年はそのオペラオーとともに2走前万葉1着、前走阪大2着と3000m以上で連続連対していたラスカルスズカ(武豊騎乗の4歳馬)が連対しているが、当日は12頭立ての少頭数。レース中の摩擦が少なければ心身疲労の影響が出にくく、1~3番人気が上位独占という結果。同じく阪神大賞典連対馬がそのまま本番でも連対した99年も当日12頭立て。
前走3000m以上の連対が減った近10年、うち9年が当日16頭以上の頭数で、レース中の摩擦が多い分心身疲労の影響は出やすく、馬券も荒れやすくなっている。実力馬が春天を避けるとは言うけれど、出走頭数で見ると近年は集まりやすいんですね。抜けた実力馬がいない分、混戦めいて頭数が揃うのか。

2走前が1月なら蓄積疲労は深刻なレベルではないと言えるが、4頭全て2走前も前走も2番人気以内で、4頭中3頭が4歳馬。5歳だった99メジロブライトは当日12頭立て。疲労噴出軽減のキーワードはいつだって、どんなレースだって大体同じ。大まかに基本を押さえておけば応用していけるということですな。
また9頭中8頭が2走前3000m未満でもある。2走連続3000m以上だったのは00ラスカルスズカだけ。前2走とも2番人気以内、武豊騎乗の4歳馬、当日12頭立て。

[おまけに90~95年の連対馬で前走3000m以上…その2走前も]
92メジロマックイーン 阪大1人1着…有馬1人2着
92カミノクレッセ 阪大2人2着….日経新春2人1着
91メジロマックイーン 阪大(中京)1人1着…菊花賞4人1着
90イナリワン 阪大2人5着…有馬…有馬4人1着]

4頭中3頭が前走休み明け。2走前1月の92カミノクレッセは前2走とも2番人気以内の5歳馬。92年は阪神大賞典連対馬のワンツーで、当日14頭立て。少頭数でもなく多頭数でもなく。
2走前も3000m以上だったのは前走休み明けだった武豊騎乗の4歳馬、メジロマックイーン。


・・・以上のデータを総合して、2走前が2月で前2走とも3000m以上になるダイヤモンドS→阪神大賞典というステップを経て当日連対できたのはビートブラックのみ。心身疲労の蓄積が最大級に懸念されるため、それを解決する形としての前2走惨敗。

同質の経験が最も近い位置にあるというのが"本番と同条件の前哨戦"というやつで、そういう経験が近くにあるとストレスの種になるというのがステップ論の基本。記憶(経験)が"どの遠さにあればいい"、というよりも"近く(前走あるいは2走前3走前)になければいい"、近くにあるのならその記憶を薄めるための惨敗も悪くないというニュアンス。ステップ的な蓄積ストレスの問題だなぁとデータ調べてると感じる。

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最後にやりたい小ネタ。菊花賞連対馬の春天成績。
1990年以降の京都開催の春天において菊花賞連対実績馬は延べ62頭出走して26頭複勝圏。

C要素が強い99菊花賞勝ち馬ナリタトップロードは3回出走して3回とも複勝圏だが全て人気以下の着順。毎回ステップもイマイチだったけど。
その時の菊花賞2着馬でL要素が強いテイエムオペラオーは春天2戦2勝。レース中に緩急が生まれやすい古馬戦(当時は緩みっぱなしだったけど)では立場が完全に逆転。

98菊花賞を逃げ切ったセイウンスカイに対して、春天では逃げ切りを許さなかった98菊花賞2着馬スペシャルウィーク。S要素が強い逃げタイプよりもC要素とともに量の供給も受けているサンデーサイレンス産駒の方に軍配。

ステイヤー血統としておなじみでL要素が強いリアルシャダイの産駒は6回出走して全て5着以内、4頭複勝圏。春天2戦2勝のライスシャワーや6番人気2着、8番人気4着のステージチャンプなど、さすがの適性を示した。

3冠馬をはじめクラシック3冠全てで連対していた馬はナリタブライアン、エアシャカール、ディープインパクト、オルフェーヴルがいて当日人気に答えて連対したのは06ディープインパクトのみ。C要素やS要素が突出して強いタイプはやや安定感を欠く。ディープインパクトは当日武豊騎乗のSS産駒。"精神の"安定感を欠くと言えばよいか。1番人気2着の96ナリタブライアンを差し切ったのはL要素が豊富なサクラローレル。

なんといっても派手なのがダンスインザダーク産駒。12回出走して複勝圏ゼロ、当日10着以下が9回の凄まじさ。精神コントロールが難しく、飽きやすいS系の真髄が光る。



つづく?

天皇賞春メモ②

テーマ:
・大阪杯連対馬は20頭中6頭複勝圏(阪神開催参照)
1着馬は(3-1-2-7/13)で2着馬は(0-0-0-7/7)と、阪神大賞典組と同様に2着馬が冴えない。同じくGⅡの前哨戦だが、心身疲労があって勢いに欠ける2着馬はイマイチか。
ひとまず1着馬と2着馬をまとめて見ていくが、当日3着以内になった6頭中5頭が前走1番人気で、ストレスに注意ということが強調されている。そして前走1番人気ではなかった09ドリームジャーニー以外の5頭は比較的L要素が強い。大幅延長かつ単調な京都替わりなので非C系または非S系がベターだろう。

脚質面では3着以内になった6頭は当日4角7番手以内。4角10番手以降だと当日1番人気で2回凡走したキズナや2番人気10着の04ネオユニヴァースなどかなり旗色が悪く、ただでさえ追込が決まりにくい天皇賞春で大幅延長の追込馬というのはいただけない。大幅延長らしく活性化・機動力を活かしたい。
ただし当日3角3番手以内というのも5頭いて連対したのは1番人気2着の93メジロマックイーンだけと、心身疲労があるだけに流れの中に入りすぎるのもあまり良くない。道中は軽く控えて我慢して、徐々に進出していく形が嵌まりやすい。

2走前を見てみると3着以内になった6頭中4頭が前年で前走は休み明け。残る2頭のうち1頭は2走前京都記念2番人気3着と人気を裏切っていた。ここでも例外的なのが09ドリームジャーニーで、2走前は中山記念で4番人気2着と連続好走中だった。例外的な同馬を除けば短期・中期のストレスが少ない馬が好ましいということになるが、なぜ例外だったのかを考えないとデータ分析の甲斐がない。
そこでもう少し掘り下げて見てみると、2走前が1800m以下だったのは20頭中4頭。短い距離を経由されていたので疲労が抑えられていたということに。そして同馬は3000m以上のレースは当日が2回目の出走だったように、何かとカテゴリー鮮度の高い馬には注意が必要ではある。長距離OPを使い込まれていることはマイナスになりやすく、長距離をほとんど経験していないことが逆にプラスに働くというMらしい逆説。


・日経賞連対馬は36頭中15頭複勝圏(中山開催参照)
前走2番人気以内なら15頭中8頭複勝圏だが、2番人気1着だった場合は2頭いてともに当日人気を下回る着順になっている。前走で人気を上回っていると良くない、つまりはストレスに注意ということになる。
前走1番人気または2番人気2着だった馬は13頭いて、当日人気を下回って4着以下になった馬は1頭しかいないように直近ストレスが少ない場合はなかなか安定している。阪神大賞典や大阪杯と比べると若干ハードルが下がっているとも言える。
4着以下になった1頭、91カリブソングは日経賞含め年明け以降に重賞を4走していてその全てで連対。これではさすがに蓄積疲労の懸念が大きすぎる。当日4番人気10着と惨敗に終わった。

前走2番人気以内だった15頭の2走前を見てみると、2走前が前年、すなわち前走が休み明けだった場合は6頭全てが当日3着以内。直近ストレス、蓄積疲労ともに少ない馬はかなりの安定感を誇る。
前走が休み明けではなかった場合は9頭中2頭複勝圏だが、当日人気を下回って4着以下になったのは2走前に重賞で連対していた2頭だけなので、ひと押しに欠くが決して悪くはない。やはり蓄積疲労があると良くないということではあるが。3着以内になった2頭(12ウインバリアシオン、91ライスシャワー)はともに2走前も2番人気以内で年明け以降2走の4歳馬。できるだけ中長期のストレスが少ない方がベターということだろう。またこの2頭は3000m以上への出走は当日が2回目で、1回目には菊花賞連対という経験を積んでいた。

では前走3番人気以下だった、人気以上に走って連対していた馬はどうかというと、21頭中7頭複勝圏。唯一当日1着になった馬が当日12番人気だったように、激走後だからといって侮れない。

2走前を見てみると3着以内になった7頭中1頭は2走前が前年で、残り6頭中5頭には年明け以降の出走歴があったが日経賞以外ではいずれも連対していなかった。唯一日経賞以外に連対があったのが06ストラタジェムで、1600万下を1番人気2着。鮮度の高さで消耗を軽減するといういつものパターンだ。蓄積疲労、中期の消耗度に注意なことは間違いないと見ていい。
そして当日12番人気1着の大激走を果たした09マイネルキッツはといえば当日がGⅠ初出走で3000m以上の距離にも初出走。長期(生涯)の範囲においてもストレスの少なさ、「3000m以上」・「GⅠ」というカテゴリーに対して高い鮮度を誇る馬には大いに警戒したい。
(マイネルキッツは当日多頭数の締まった流れ(ドリームジャーニーが3着の年)になって鮮度が活きたという面もあろうか。前走阪神大賞典1着の菊花賞馬アサクサキングスが1番人気で惨敗して、"経験より鮮度"を象徴)

ここまで脚質には触れてこなかったが、当日極端に後方すぎなければベターなぐらい(4角11番手から連対した馬は当日重馬場でタフな競馬)でそれほど大きな傾向はないが、さすがに前走逃げて連対は良くないか。00レオリュウホウが当日5番人気6着、04ウインジェネラーレが当日6番人気14着。99セイウンスカイも逃げ残れなかったように、中山からということもあってS要素が強調されたタイプ、臨戦はイマイチ。
そういうタイプは01メイショウドトウのように当日後方に控える形が好ましい。14ウインバリアシオンも当日3角14番手、4角8番手で3番人気2着。こういうパターンがあるので阪神大賞典組とは違って後方になるとダメという傾向にはなっていない。セントライト記念連対→菊花賞のステップにも似ている。


・日経賞3~5着馬は31頭中4頭複勝圏
3着以内になった4頭のうちタイプが分からない90カシマウイングを除けばいずれも比較的C要素が強いタイプ。相手強化でパフォーマンスを上げるタイプが面白い。決してS要素ではないこともポイントか。
98年に2頭揃って好走しているが、この年の日経賞は12頭立てで天皇賞は14頭立て。少頭数の前哨戦で凡走していたC系が頭数の増えた本番で巻き返すという、タイプに見合ったオプションが絡んでいた。

3着以内になった4頭中2頭(14フェノーメノ、98ローゼンカバリー)が前走2番人気以内。残る2頭のうち1頭(98ステイゴールド)は3走前が1600万下の4歳馬。最後の1頭(90カシマウイング)は年明け以降5走して連対がなく、7歳馬だが3000m以上の距離には当日が初出走。直近ストレスの少なさ、または何かしらの鮮度の高さがキーワードということだが、それは裏を返すと心身疲労の蓄積には注意しておいた方がいいデータだということでもある。3~5着のゾーンでもGⅡの前哨戦なりの疲労レベルが影を落としている。


・ダイヤモンドS連対馬は8頭中1頭複勝圏
当日人気を下回ったのは8頭中3頭。長距離重賞連対後だが間隔が開く分ストレスが薄れていて、それほど悪くない。が、その人気を下回った3頭中2頭が当日1番人気だったので注意深く見ておきたい。

そこで各馬の2走前を見てみると当日1番人気になった2頭の2走前は有馬記念4人4着、ステイヤーズS1人1着。GⅠや長距離重賞で好走していて近走内容が濃かったので当日人気を集めたわけだが、当然その分蓄積疲労は溜まっていた。さらにこの2頭は3走前に3000m以上の重賞に出走していて、近3走のうちの2走あるいは3走が3000m以上の重賞だったことになる。長距離のトップクラスを使い込まれることによるカテゴリーストレスを着々と蓄積して本番を迎えていた。そして当日人気を下回った残りの1頭についても3走前がステイヤーズS1着で、近3走のうち2走が長距離重賞連対というステップだった。
逆に当日連対した15フェイムゲームは2走前も3走前も3000m未満で、2走前は3番人気12着と惨敗。心身疲労あるいはカテゴリーストレスの蓄積が前走のみと言っていいレベルで、その前走も1番人気1着とあまりストレスを残さない内容だったのでステップの中身としては高い評価ができるものだったと言えよう。

脚質については当日人気を下回った3頭中2頭が当日やや重または重馬場で1角3番手以内。心身疲労がある状態でタフな馬場を先行して流れの中に入りすぎると消耗してしまいがち、ということを押さえておきたい。長距離間の臨戦なので活性化レベルが低すぎるのもまずそうだが。

・・・基本的には「間隔開けて疲れ取れ」と評されるステップだが、前走のデータだけを見ても判別が付かない典型例とも言える。前走1番人気1着は5頭いて、当日1番人気を裏切った2頭も前走1番人気1着。


・(休み明けを除く)その他重賞からは26頭中5頭複勝圏
3着以内になった5頭は全て前走3着以内。前走3着以内なら15頭中5頭複勝圏で、5頭中4頭は中9週以上間隔が開いていた。レベルが高い主要前哨戦や長距離戦ではない上に間隔も開いているとあれば疲労面では相対的に有利で、好調な馬ほど相性が良いということになっている。
中山記念9番人気1着からの中5週だった96サクラローレルにしても前走が1800mと短い距離なので相対的な疲労レベルは決して高くはない。また同馬は前走が1年ぶりの休み明けで、蓄積疲労は非常にクリアだった。
前走が休み明けだったのが5頭中2頭(96サクラローレル、14トーセンラー)、3走前条件戦が1頭(04シルクフェイマス)、2走前出走取消で3走前海外が1頭(10ジャガーメイル)と、前走連対していて当日3着以内になった4頭については蓄積疲労や鮮度(異端性)において何かしらのさらなる後押しがあり、相対的なストレスレベルがより低い好調馬は面白い存在。

また3着以内になった5頭全てが当日3角9番手以内で4角5番手以内。基本的には大幅延長になるので追込馬の延長などは避けたいし、好位より前で早めの競馬をするのがベターとなっている。


天皇賞春メモ①

テーマ:
※1990年以降の京都開催参照

阪神大賞典組から見ていくが、阪神大賞典1着馬と2着馬とでは当日の成績に明確な差があるので、1着馬と2着馬とを分けて見ていく。

・阪神大賞典1着馬は22頭中14頭複勝圏(阪神開催参照)
当日3番人気以内が17頭中12頭複勝圏とまずまずだが、当日1番人気については10頭いて人気に応えたのが3頭と、やや物足りない。人気を集めている理由に気をつけておきたい。

まず当日4着以下になった8頭中5頭が当日の3角か4角で10番手以降になっていて、5頭全てが4角8番手以降。タフな阪神から単調な京都外回り替わりで後方からの競馬だと届かない恐れがある。特にしぶといタイプや精神コントロールが難しいタイプは単調な流れを後方からでは集中できずに惨敗するケースもあるので注意。
当日3角5番手以内なら11頭中10頭複勝圏とかなりの安定感を示しているように、前で競馬できる馬やマクれる馬がベター。また活性化の観点ではあまり近走で長距離戦を使い込まれていない方が無難ではある。
当日3角5番手以内で唯一4着以下になった09アサクサキングスは2走前が京都記念3番人気1着。2走前が2月の重賞だった馬は8頭中4頭複勝圏で、3着以内になった4頭中3頭が人気を下回ってのものと冴えない。阪神大賞典がタフな長距離戦で疲れが残りやすいことに加えて、詰めて使い込まれているとあっては蓄積疲労が懸念される。特に2走前がダイヤモンドSだと長距離重賞を詰めて連戦していることになるので、3頭とも2走前には人気を下回っていたにも係わらず当日人気を下回る結果に終わっているのも致し方ないところだろう。唯一人気に応えて1番人気1着となったのが前走も2走前の京都記念も1番人気1着だった00テイエムオペラオーで、当時4歳。生涯鮮度が高くて圧倒的な実力馬でもないと苦しいところ。

2走前が2月以前だった場合は14頭中10頭複勝圏で、4着以下になった4頭中3頭が当日4角8番手以降のC系ないしS系となっている。


・阪神大賞典2着馬は21頭中5頭複勝圏
勝ちきった馬がいないように心身疲労はあるが勢いに欠ける分ややイマイチ。3着以内になった5頭は全て前走2番人気以内。人気に応えていてストレスは少なかった。
そして5頭全てが当日3角9番手以内で4角7番手以内。4角8番手以降になった馬は10頭いて当日1番人気11着の12オルフェーヴル、3番人気7着の10ジャミール(ともにステイゴールド産駒)を含めて全滅と惨憺たる成績。やはりC要素やS要素が強い差しタイプには注意したい。

2走前を見てみると3着以内になった5頭はいずれも2月以前で、詰めて使い込まれていなかった。また5頭全て勝っていたように欠けている勢いや好調さは2走前に補っておくのがベターかもしれない。
2走前有馬記念1着の96マヤノトップガン、98シルクジャスティスは阪神大賞典でナリタブライアン、メジロブライトと0.0秒差の大接戦を演じての2着。名勝負に負けた方は勢いに欠ける上その名勝負→接戦のストレスも受けるということで、ともに当日凡走している。

2走前が2月の重賞だった馬は4頭全て当日人気以下の着順とやはり相性が悪く、特に3走前万葉S1着→2走前ダイヤモンドS1着→前走阪神大賞典2着の11コスモメドウは当日競走中止という結果に終わってしまった。長距離OPを詰めて使い込むことの代償を思い知らせてくれる。

・・・GⅡからGⅠへ相手強化という流れだが、条件としてはタフな阪神から単調な京都になるので(延長臨戦ということもあり)、本番で差し追込に回る位置取りショックというよくあるパターンはむしろ危険な傾向になっている。いつだって中身、前走との感じ方の違いが大事。ワンパターンということはない。C要素ないしS要素が強い馬ほどその危険性が高いというのもそうした文脈から来るものだろうし。
前哨戦より本番の方が単調という少し珍しいレース。タフな長距離戦だけに心身疲労は残りやすいが。


・阪神大賞典3~5着馬は38頭中4頭複勝圏
ガクッと好走率が下がる。そこそこ好走しているので心身疲労自体がやはり高めにある。

3着以内になった4頭は前走3角4番手以降。4番手だった馬は6頭立てで、5番手だった馬は10頭立て。少頭数になることが多い阪神大賞典においては好位より後ろからの競馬で軽く差し届かなかった馬たちだが、当日はいずれも3角6番手以内。4頭中3頭は当日の頭数が16頭以上だったので、前走と比べると積極的な競馬をしていることになる。そして4頭中2頭が長距離GⅠ勝ち馬で、1頭は名ステイヤー・トウカイトリック、残る1頭は長距離の消耗戦が得意なハーツクライ産駒と、いずれもタフな消耗戦は歓迎なタイプでC要素やS要素が強い。
多頭数替わりの本番で前走よりも流れの中に入っていって押し切るわけだから、心身ともにタフなタイプが好ましい。単調なレース質を後方からだとタイプに合わない可能性が高いので、前に行くかあるいは早めにマクる形がベター。前に行くわけだから後方続きの馬よりは機動力がある、または活性化されている馬が当然ベター。少頭数の前哨戦ではタフさを活かしきれなかったような馬が面白い。

3着以内になった4頭中2頭は前走が休み明け。残る2頭は2月の重賞で連対していて前走はそのストレスで軽く凡走していたリズム。2走前が海外だった1頭(15カレンミロティック)を除けば3頭とも2走前は連対しているので、好調な馬がベターではあるか。
前走6番人気4着と人気を上回る着順だった15カレンミロティックは2走前海外で前走休み明け、3000m以上のレースは当日が2回目、おまけに前走は不利を受けての凡走と、やけに蓄積ストレスが少ない、または鮮度が高いステップだった。心身疲労の軽減材料としては申し分なかったか。


・阪神大賞典6着以下は26頭中2頭複勝圏
一見すると厳しい成績だが当日5着以内になった7頭中4頭が前走10着以下で、前走10着以下なら5頭中4頭が当日5着以内、2頭が複勝圏と一転して脅威的な成績になっている。大敗後でノーストレスな馬には警戒したい。

5着以内になった7頭は当日4角先頭か10番手以降。ここにきてガラッと傾向が変わり、巻き返しパターンとしてよくある極端な脚質が嵌まる形が浮上してきた。位置取りショック付きなら当然破壊力があるわけだが、唯一前に行って好走したのはC要素が強い12ビートブラック。3~5着馬の傾向と同様で、前に行って持ち前のタフさを活かしきる形ということになっている。逆に10番手以降から唯一3着以内になった03サンライズジェガーはリアルシャダイ産駒でL要素が強い(C要素もそれなりにあるが)。
C要素やS要素が強い馬はやはり後方からだと嵌まりきらない可能性も高いということで、単調な京都外回り替わりで追い込むならL要素が強いタイプがベターということになるか。
また7頭中4頭は前走と当日の馬場状態に変化があった。巻き返しにくい臨戦だけにショック材料があるに越したことはない。

2走前を見てみると5着以内になった7頭中5頭は2走前も5着以下に凡走していて、2走前6着以下で前走10着以下だったのが当日3着以内になった2頭である。(11マカニビスティーは2走前地方で5着、06アイポッパーは海外で12着)

長距離重賞の前哨戦ということで心身疲労がポイントになるが、その心身疲労の蓄積がクリアであればあるほど激走の気配が強まるということになっている。03サンライズジェガーはGⅠ初出走で3000m以上のレースは当日が2回目だったが、生涯鮮度の高さにも警戒したいところ。

皐月賞メモ②(その他)

テーマ:
・きさらぎ賞連対馬は9頭中1頭複勝圏
唯一3着以内になったのが90ハクタイセイだが、この年はきさらぎ賞が阪神2000m施行。急坂2000m重賞勝ちとなると心身疲労が心配になるが、間隔が十分に開いていることで問題点が解消されていたことに。

広く単調な京都1800mで連対していた場合は9頭いて当日人気を上回った馬が1頭もいないように相性はイマイチ。L質な舞台から多頭数の小回り中山GⅠへと一気にS質へと転じる臨戦になるため、気分良く揉まれず逃げたり先行したりしていた馬は特に苦しく感じやすいだろう。追い込んでいた場合も活性化やストレスが懸念される。
なるべく忙しさを感じない形が好ましく、前走先行好位ぐらいから当日後方に回る形の位置取り、そして非量系がベターだと思われるが、よほど揉まれ強いタイプでなければ馬群で揉まれるなど精神的負荷が強くなることもできれば避けたい。ちなみに前走先行好位から当日追込に回ったような馬は1頭もいない。
(14トーセンスターダムは特に厳しい経験もなかった量系で、当日中枠から5番手に付け、流れの中で揉まれる形になって大敗)


・共同通信杯連対馬は12頭中5頭複勝圏
きさらぎ賞と1週違いの間隔で、同様に広くて単調な東京1800mからの臨戦。
3着以内になった5頭は前走2角5番手以内。当日は5頭全て1角8番手以降でうち4頭は1角13番手以降。やはり一気に流れが激化するだけに活性化されていて当日大胆に差し追込に回る形が精神的負荷が少なくてベターなのは確かだろう。
また5頭いずれもがC要素やS要素があって、馬群を厭わずアップ質に対応しやすいタイプであったことも見逃せない。特に5頭中4頭が当日1枠か2枠で、7枠だった12ゴールドシップも荒れ馬場を内から抜けてきたように、心身疲労レベル自体は高くないのでむしろ馬群を割れる性質を活かしやすい状態ということになるか。
(ドゥラメンテやイスラボニータなどは2000mの経験がなかったことが懸念されていた気がするけど、タイプと位置取りが噛み合ってさえいれば下手にカテゴリーストレスを溜めないて済んでいることが有利に働くこともあると。ここで言うカテゴリーは"中山"、"2000m"、"重賞"といった皐月賞に近い条件のこと。弥生賞を使うのは基本的にはカテゴリーストレスを溜めにいく行為)


・スプリングS連対馬は42頭中13頭複勝圏
1着馬は(6-1-2-12/21)で2着馬は(0-2-2-17/21)と、比較的はっきりとした差が付いている。2着馬からは皐月賞勝ち馬が出ていない。同じGⅡのトライアルではあるが、本番と同距離ではなくて距離が短い分カテゴリーストレスは抑えられていて、1着馬の方が心身疲労懸念がある弥生賞組とは対照的になっている。より勢いがある1着馬がベター。

3着以内になった13頭を見てみると、13頭中11頭が前走2番人気以内。相対的に懸念が小さいとはいえ中山のGⅡトライアルというハードな条件だけに、人気に応えて連対していた方が心身疲労の不安が小さい。
前走3番人気以下だった2頭のうち15キタサンブラックは2走前が500万下で3走前が新馬戦。06メイショウサムソンは2走前が1800mのきさらぎ賞で1番人気2着。蓄積疲労や生涯鮮度がチェックポイントになるのはいつものこと。メイショウサムソンは朝日杯にも弥生賞にも出走していなくて、2000mの経験すらなかった。その分生涯鮮度、カテゴリー鮮度が保存されていたことになる。

脚質面では13頭中12頭が前走4角7番手以内。前走4角14番手の02タニノギムレットは当日1番人気3着と人気を裏切っているように、追込好走後の延長がよくないのは基本ではある。前走逃げていた馬も3頭いて好走したのは当日も逃げたミホノブルボンのみ。極端な脚質ではなかった方が無難だろう。
当日の位置取りについては延長臨戦になる分弥生賞組のように追込に回る位置取りが嵌まりやすいということもないが、当日1角3番手以内で連対したのはミホノブルボンだけで、心身疲労はあるのであまり流れの中に入りすぎず、軽く前走より控えるか好位ぐらいからで十分ということになっている。

また2走前を見てみると前年の朝日杯だった3頭を含めて13頭全てが2走前も連対していた。13頭中11頭が前走か2走前を勝っていて、13頭中12頭は3走前も連対していた。
かなりの好調さまたは継続力が問われていて、蓄積疲労やカテゴリーストレスがきつすぎないレベルで高揚感のあるステップであることが好ましい。ちなみに2走前が2000mの重賞だった馬は1頭もいない。このあたりも蓄積疲労や生涯鮮度を慎重にケアしたい弥生賞連対馬とは毛色が違っている。本番より200m短くて勢い重視なスプリングSと、本番と同距離で心身疲労重視な弥生賞という構図。


・スプリングS3~5着馬は41頭中3頭複勝圏
勢い重視な傾向とあって好走率がガクンと落ちている。とはいえ3着以内になったのは当日9番人気1頭、10番人気2頭なので侮れないが。
3着以内になった3頭中2頭が2走前に2月の重賞を連対していて、前走は3番人気以内で人気を下回っていた。やはりリズムに躍動感があった方がベターだろう。2走前に中山2000mの京成杯を連対していた馬は2頭とも当日凡走しているが。残る1頭の04ダイワメジャーは前走11番人気3着とかなりの激走後だったが、2走前がダートの500万下で3走前が未勝利戦と、異端度が高くて鮮度に溢れた臨戦過程だった。いつものことだが直近の心身疲労を和らげるには2走前以前がカギになる。
好走した3頭のデータからは一定以上心身疲労レベルがクリアであること、リズムや鮮度に好感が持てることが好ましいということになりそうか。前走が前年以来の休み明け(蓄積疲労やスプリングS時点での疲労が少ない)の場合は勝っておきたいのがスプリングS組の傾向だと言える。


・スプリングS6着以下は53頭中2頭複勝圏
超人気薄ばかりだがさらに好走率が下がる。3着以内になった2頭は前走2番人気7着と4番人気8着。人気を裏切っていてストレスが少なかったのは3~5着馬と同様。そして2走前は2頭とも京成杯1着。3~5着馬の方では2走前京成杯連対馬が凡走に終わっていたが、本番と同条件の重賞を好走したというカテゴリーストレスを受ける分これぐらい惨敗していた方がストレスが抜け切って好ましいと言えるか。
またこの2頭は京成杯では3角5番手以内で、前走は京成杯より後ろの位置になって凡走していた。いわゆるバウンド延長ショックで、さらに当日前に行く位置取りショックを仕掛けた07サンツェッペリンが15番人気2着と大激走したのも頷ける。サンツェッペリンが位置取りショックなら99オースミブライトは前走が不良馬場で当日良馬場。何かしらショック材料も要求されるとなれば相性が極めて悪いステップであることも仕方ないだろう。

2走前京成杯1着で前走スプリングSを負けていて当日も凡走した2頭の方は15ベルーフが京成杯3角13番手。13フェイムゲームが3角7番手。布石(活性化)がイマイチだし、フェイムゲームの場合は前走6番人気4着と心身疲労も懸念されるレベルにあった。

2走前きさらぎ賞1着で当日5番人気4着の08レインボーペガサスなどもいるように、別にバウンド延長などである必要はない。リズムとストレスのバランス、何かしらのショック材料が好ましいという意味のデータで。強い材料がなければひと押しには欠くか。(再現性などまずないので、データは形ではなく意味で捉えておかないと今までにないパターン、例外なんかには対応できなくなる…というのはよく言われるところ)


・若葉S連対馬は26頭中6頭複勝圏(阪神開催参照)
3着以内になった6頭中5頭が前走1番人気。OP特別とはいえ間隔が詰まる臨戦かつ急坂2000mと肉体的には疲労が残りやすい設定なので人気に応えていた方が無難だろう。
唯一前走1番人気ではなく4番人気2着だった09トライアンフマーチは2走前が未勝利戦と鮮度が高かった。もはやおなじみの光景だが、これは裏返すと直近疲労に注意なデータであるとも言える。またそれ以外の5頭は2走前にOP特別か重賞を3番人気以内で連対していた。年明け以降の重賞連対が2頭いるように、OP特別の前哨戦である分だけ蓄積疲労のハードルは下がっていて、既に実績がある実力馬にとっては無難なステップとなっている。
さらに6頭全てが2走前も連対しているように好調で勢いに乗っている馬が好ましいとも言えるが、2走前が下級条件の2000m以上だった馬は1頭もおらず、レベルが低くて流れが緩いレースを経由していると活性化不足の懸念がある。 2走前すみれSも4頭いて全滅。緩い流れを経由するのはいただけない。忙しさやタフさを補完している臨戦過程がベター。

そして6頭中5頭が前走3角5番手以内。OP特別からの相手強化、流れ激化となるだけに活性化レベルや脚質ストレスには注意。なおかつ6頭中4頭が当日1角13番手以降と、大胆に前走より控える位置取りショックが施されている。残る2頭は逆に当日逃げる位置取りショックだったのだが、スペシャルウィーク産駒(14ウインフルブルーム)とブライアンズタイム産駒(07ヴィクトリー)でともにS要素が強く、流れの中に入っていって持ち前のタフさを遺憾なく発揮した形。
総じて当日極端な戦法を取る位置取りショックが嵌まりやすく、それを好むタイプが多いS系は破壊力を増すということだが、臨戦過程においてもS質補完(活性化)が要求されているようにS質要求度が高いステップであると言えそうか。


・前走が2月1日以前だった馬は12頭中1頭複勝圏
ほぼ休み明けという臨戦。唯一3着以内になったのが11番人気なので穴で怖いが、何を隠そうのちのダービー馬10エイシンフラッシュではある。同馬は前走京成杯1番人気1着。休み明けなら本番と同条件の重賞を勝っていても心身疲労の懸念は小さいだろう。そして前走1角3番手から当日1角11番手。休み明けでいきなり中山小回りGⅠの流れを体験することになるので、活性化と当日の位置取りについては象徴的なモデルケースと言えそう。

とにかく休み明けなだけにいきなりの忙しさに参ってしまわない程度にタイプ、経験、位置取りなどからタフさを補っておきたいところ。短距離経験しかないような馬も肉体的な対応力に疑問符が付く。


・前走500万下は15頭中1頭複勝圏
鮮度については申し分ないので前走勝っていても特に問題はないだろう。唯一当日1桁人気の94サクラスーパーオーが9番人気2着と好走している。同馬は前走1600mを4角8番手から2番人気1着。ある程度の機動力や活性化を踏まえつつ、当日は4角14番手と一気の相手強化で追込に徹した。2走前には中山2000mで連対していて肉体面での保証もなされていた。

500万下の中長距離戦からでは経験してきた流れが緩すぎるのでよほど活性化やショックが噛み合わないと厳しそうで、疲労も気にしないわけにはいかない。17番人気7着になった馬も前走は1600mを3角2番手1着で3走前がダート戦。活性化と肉体的なタフさの補完が材料となるか。


・すみれS連対馬は11頭出走して複勝圏ゼロ
長距離のOP特別となるとやはり問題は活性化と疲労。唯一当日5着以内になった前走1角3番手で前走1番人気1着。C要素が強いトニービン産駒で、短縮適性や疲労耐久性において不安が少ないタイプではあったが、当日4番人気4着なので可も不可もない内容。
活性化、ショック、タイプなどがよほど噛み合えばというところだが、S質が濃い皐月賞という舞台においては基本的にはそぐわないステップだと言える。


皐月賞メモ①(弥生賞組)

テーマ:
※1990年以降の中山開催参照

・弥生賞連対馬は44頭中17頭複勝圏
前走2番人気以内なら24頭中11頭複勝圏。人気に応えていた馬でも半数以上が凡走しており、24頭中19頭が当日人気を下回っている。本番と同条件のタフな中山2000m重賞を好走した心身疲労は大きい。
3着以内になった17頭中15頭が当日3番人気以内で、当日4番人気以下は16頭中2頭複勝圏。まずは当日3番人気以内の28頭を見ていく。この28頭もそのうち20頭が当日人気を下回っているので決して安定感があるわけではないのだが。

28頭のうち3着以内になった15頭は弥生賞の道中どこかで6番手以内の位置にいた。特に4角では15頭中14頭が6番手以内で、差し追込の基本的なストレス要因は避けたい。
唯一前走4角7番手以降から当日好走した10ヴィクトワールピサも前走は2角5番手で、当日は2角13番手と流れの中に入らず控える位置取りショックを施されていた。当日1着になった6頭中4頭が前走より控える形を取っており、心身疲労があるだけに流れ激化の本番で差し追込に回るショックは有効に機能しやすい。
前走逃げていた馬も3頭中2頭が凡走しており、やはり極端な脚質での好走はストレス要因になりやすいということだが、98セイウンスカイのようにS要素が強くて当日前残りのバイアスにも恵まれるようならそれほど苦に感じないということでもあるが。ただし同馬は弥生賞2着で、前走逃げていた残りの2頭は弥生賞1着だったように1着馬の方がより大きな心身疲労を抱えているというデータでもある。実際弥生賞1着馬は(3-2-6-8/19)で同2着馬は(3-0-1-5/9)と、勝ちきりやすいのは弥生賞2着馬の方。

また2走前が年明け以降の重賞で1着だった場合は7頭中6頭が当日人気を下回っていて連対できた馬は1頭もいないように、蓄積疲労も高いレベルにあるようだと当然期待値は下がる。2走前が年明け以降のOP特別1着だった場合でも9頭中7頭が当日人気を下回っていて連対できたのは3頭。当日1着になった2頭(05ディープインパクト、98セイウンスカイ)に限っては3走前が新馬戦と鮮度が高く、生涯の疲労蓄積は抑えられていた。
特に2走前にも中山2000mの上級条件を使われているようだとカテゴリーストレスが懸念されるので、できるだけストレスの蓄積は回避されているに越したことはない。当日1番人気2着の14トゥザワールドは2走前が京都2000mのOP特別だった。

またタイプ面では弥生賞が少頭数になりやすいこともあって、多頭数・相手強化・流れ激化の文脈が揃うことになる本番ではC要素やS要素が強いタイプであることが好ましい。
(15サトノクラウンは傷が少ないステップだったが、量系が休み明け少頭数を激走した後というのは少しいただけなかった)


一方弥生賞連対で当日4番人気以下だった馬は16頭中2頭複勝圏で最高が3着という成績。3着になった2頭は弥生賞2着と勝っていたわけではないので直近の心身疲労は比較的少なかった方になる。
そして2頭の前走の位置取りは1番手と2番手。差し追込のストレスはなく、前走逃げていた04メイショウボーラーは当日も逃げて3角5番手以内が1~3着を占めるという前残りの展開に恵まれた。朝日杯を逃げて連対したようにS要素が強いタイプでもある。92スタントマンは逆に前走1角2番手から当日1角11番手と思い切って後方に回る位置取りショック。圧倒的1番人気の逃げ馬ミホノブルボンが刻む厳しい流れを追い掛けた先行馬が失速する中を差してきた。父スリルショーはC要素強めのまとまり系。
2走前を見てみると3着になった2頭はともに2走前が前年なので蓄積疲労は抑えられている。2走前が年明け中山2000m重賞の京成杯1着だった01ボーンキングは当日4番人気16着と大敗。

総括すると1着>2着の心身疲労、基本的な脚質ストレス、中長期の消耗度(鮮度)、非量系(非L系)など考えられる要件はさすがに多い。追込に回る位置取りショックやバイアスに嵌まる形での徹底先行など、当日極端な脚質を取った方がベターと言えるかもしれない。
(2走前京成杯1着で当日人気を下回らず3番人気3着の05アドマイヤジャパンは弥生賞2着で比較的直近疲労が少なかったとはいえ内容が濃い。ダービーで大敗してしまうのはさすがに仕方ないが、菊花賞では再びディープインパクトに肉薄する。サンデーサイレンス×ビワハイジ)


・弥生賞3~5着馬は36頭中10頭複勝圏
当日3番人気以内なら7頭中4頭複勝圏とまずまず。ちなみにこの7頭のうち3着以下になった4頭は朝日杯に出走していて、うち3頭が朝日杯で連対していた。朝日杯不出走の2頭はともに当日連対している。スタート直後に競走中止の00ラガーレグルスは朝日杯→ラジオたんぱ杯→共同通信杯→弥生賞と主要な重賞レース3つに参加しつつかなり使い込まれていた。蓄積された心身ストレスが爆発してしまったか。

翻って当日3着以内になった10頭を見てみると、10頭中9頭が弥生賞の道中どこかで4番手以内の位置に付けていた。ここでも機動力を見せていて活性化されている馬がベター。唯一4番手以内の競馬をしていなかった91イイデセゾンは前走4角6番手から当日4角14番手と大胆な位置取りショックを施されていて、流れ激化の本番、勝ったトウカイテイオー以外は1角12番手以降が上位を占める追込競馬に嵌まった形。
追込に回る形でなくても、前走より前に行くか後ろに控えるか、位置取りの変化があった方がベターではある。中途半端な着順からのひと押しが欲しいところだろう。タイプ面では当日よほどスローでもなければやはりC要素かS要素が強いタイプがベター。揉まれにくい形が取れるならL要素が強くても問題ないが。

そして2走前を見てみると10頭中9頭がOP特別か重賞で連対。連対していなかった1頭もGⅠで3着なので、リズムに躍動感があって好調さを残している馬が好ましいと言えるか。特に年明け以降の重賞で連対していた馬が4頭いるように、蓄積疲労が懸念される弥生賞連対馬と違ってやや心身疲労が薄れる分、2走前重賞連対のストレスで弥生賞を軽く凡走という交互のリズムが機能することが見て取れる。
(2008年は弥生賞3,4着馬によるワンツーで、ともに前走4角以内の競馬をしていて当日逃げたキャプテントゥーレが1着、追込に回ったタケミカヅチが2着と位置取りショックで逆襲。ホープフルS→京成杯→弥生賞と中山2000mにこだわって連勝していた1番人気のマイネルチャールズはカテゴリーストレスもあって3着まで。皐月賞の舞台を経験して実績を積んでおくことが必ずしも好ましいわけではないという皮肉ではある)