木材の乾燥 Ⅱ | 200年住宅のススメ

木材の乾燥 Ⅱ

KD材とは人工乾燥材を示します(蒸気乾燥がほとんどです)

見た目の材面割れを施工主は、一番嫌い、それを不良品と判断しています。
また、それを説明できない大工さん・工務店さんがほとんどです。

そのため、人工乾燥は、材面割れの少ない方法をとっています。

平成12年住宅瑕疵が施工されて、
120℃で処理する高温乾燥(特に、スギの芯持ち材の人工乾燥)が実施され出しました。

簡単に乾燥を説明しますと材のリグニン成分を軟化させて、
乾燥の進行で材に引っ張りが生じたとき、材面割れを起こさないように処理します。
リグニングの軟化温度は、85℃以上です。85℃以上の温度で、約13時間ぐらい蒸し、
次に、乾球温度120℃-湿球温度90℃で24時間処理するのが、基本です。
リグニングを軟化させること=木の組織結合する組成を破壊させ、強度の成分をなくすことです。
また、高温処理=セルロースが糖分にかわり、耐蟻性を落とすとの話もあります。

しかし、日本の住宅は、25年ほどで、ほとんどが、建て替えているとの現状があります。
故に、極論は、25年持てば、良いってことを考えているようです。

人工乾燥で、木の組織が落ちようが、木が黒くなろうが、
香りが焦げ臭かろうが、間伐材を安く使うには、
当然許されることだと行政は判断しているのです。

伝統工法にこだわり、また、手入れの行き届いた地域の材木屋は、
そのような人工乾燥は、駄目と判断して、処理温度の低い、
低温除湿(処理温度50℃)に変更しています。