土曜日は映画を見た後、お家で仕事。 
久々に朝5時半までかかっちゃったけど、終了グッド(上向き矢印) 
なんでここまで頑張ったかというと・・・ 
日曜日は昼にバレエを見に行く予定があったからです。 

Kバレエの『白鳥の湖』@オーチャードホール 

始まってすぐに地震が来てちょっとビックリ。 
最初は椅子が小刻みに揺れたので、誰かが貧乏ゆすりしてるのかと思いました。 
長いな・・・と感じた頃に後ろの方から 
「地震だよね?」と聞こえてきて 
あ、地震なんだと思った瞬間にグラッ。 
客席に小さな悲鳴。 
一瞬身構えたけど、 
ケータイは鳴らないし、係の人は動かないし、 
そして何より、舞台はダンサーもオケも微動だにしないので、 
あれ?なんか大丈夫なのかな??という感じでした。 
2、3分心臓がパクパクしたけどあせあせ(飛び散る汗)舞台上の動揺ゼロっぷりってすごいなー。 

そうそう、この日のキャスティングは 
オデット・オディール:荒井祐子 
ジークフリード:熊川哲也 
ロットバルト:スチュアート・キャシディ 
ベンノ:井澤諒 

です。 

井澤くんって意識して見たのは初めてですが、 
パワフルで、割と安定感もあって良かったです。 
これからちょっと注目してみようかと思います。 

私がKバレエの白鳥の湖を見たのは・・・確かあせあせ(飛び散る汗)2回目ですが、 
前に見た時はオデットとオディールは別の人が踊っていました。 
それは哲ちゃんの解釈で 
別人なんだから別人が踊るべき、 
オデットとオディールは違う存在、 
ジークフリードは本当にオディールをオデットと思ったわけではなく、 
違うと理解しつつも惑わされてしまった・・・ 
というようなことを当時言っていて 
ああ、面白い解釈だし、すとんと落ちるなーと思っていました。 
ところが・・・今回は一般の白鳥の湖のように一人二役。 
・・・いつから?なんで??どんな心境の変化??? 
ま、このスタイルが一般的と言えば一般的なんですけどね。 

私はできるだけスチュアート・キャシディが出る回を選ぶようにしているんですが、 
彼のロットバルトはやっぱりいいなーと思います。 
まず、出てきた瞬間の迫力があるので。 
身体がとにかく大きい!というのがいいですね。 
大きな身体で、大きな翼をバッサーっとさせて出てくると 
「うわー!きたー!怖い!!」と感覚的に思うもの。 
そして表現力。 
首を鳥のようにクイックイッと動かすのが気持ち悪ーい!! 
でも羽根を広げるとかっこいー! 
そして悪魔のくせに感情豊かでちょっとかわいい(笑) 

そしてもちろん哲ちゃん。 
相変わらずワクワクさせてくれるわー。 
プログラムの中のインタビューに 
「このまま行ったら僕は振付でも最強になれますね」とか 
「僕を超えるスターというのはなかなか見つかりませんね」とあって 
それもワクワクというかニヤニヤしちゃいました。 
一時期哲ちゃんは「大人になってーウッシッシ」と感じるときがあったのですが、 
ああ、これこれ、哲ちゃんはこうでなくちゃという感じです。 
まだ母に言ってないけど、 
母に「哲ちゃんがインタビューでこんなこと言ってるよー」と言ったらきっと 
「あら、哲ちゃんらしい」と返ってくると思います。 

そんなわけで 
開演前にインタビューを呼んで「哲ちゃん節炸裂だわー」と思ったんですが、 
実際に舞台を見ると、 
「事実でございますー」なんですよね。 

私は本当に彼の演出、美術、踊り、解釈、何もかも好みです。 

哲ちゃんは芝居心がとてもあるから、 
稽古場風景をテレビで見た時も、キャラクターの仕草や感情表現をすごく厳しく指導してたけど、
それがようやく後輩たちにも浸透してきてる気がしました。 
セリフが聞こえるんですよね。哲ちゃんの舞台は。 
・・・以前は「私を助けて!」だったオデットも、今回はなんか
「私のことは構わないで!巻きこめないわ!」でした。 

そんな雰囲気がなんか伝わってくるんですよね。 
だから 
セリフのないバレエの舞台なのに、ものすごくワイワイと賑やかなんです。 
それがとても楽しくて楽しくて。 
あっという間にシーンが進んでいくんですよね。 

それに 
コールドの技術も上がったと思います。 
白鳥たち、本当に美しかった。 
円になって丸くなると、本当に湖面が見えて、 
2幕ラストはスワロフスキーのオブジェかと思うくらい美しかった。 
美しさに涙が出るほどでした。 
休憩時間、 
私の隣の人はどうやらバレエ初鑑賞で、白鳥の湖もよく知らなかったようですが 
そんな方々も「水面に見えたねー」と言ってました。 

ラスト、オデットと天国で結ばれるシーンも美しくて涙が・・・。 

それに 
ジークフリードが死んだ後のロットバルトのうめきも良かったなー。 
あれを見て思ったんですが、 
やっぱりロットバルトって純愛してたんじゃないかなー?? 
美しい人間の女性に恋をして、 
でも愛し方がわからなくて、 
だから白鳥にして自分のそばに置いておいたのに 
ジークフリードという恋敵登場。 
そこで2人を引き離してジークフリードを破滅させようと画策。 
(もうひと押しだぞ!とオディールに指示を出すようなロットバルトの振りが最高) 
ところがオデットが死んでしまってショック! 
その上ジークフリードも後を追ってさらにショック! 
あー・・・なんでだー!好きなだけだったのにー・・・ 

と、見えました。 

実は今まで何でロットバルトがああもオデットを呪うのかよくわからなかったんですよね。 
ジークフリードと結婚するとオデットの呪いがとけるからジークフリードにオディールを差し向けるのか、 
それともオディールを女王にするためにはそもそもオデットが邪魔になりそうだったから、あらかじめ白鳥にしておいたのか、、、 
子どもの頃に 
ロットバルトが王座に就くために、娘のオディールをジークフリードと結婚させたかったという解釈本も読んだことがあります。 
でも、それではオデットを白鳥にする理由にならなくて、 
やっぱり 
娘に似てるオデットが邪魔だったから・・・しかないんですよね。 

そうそう! 
オディールってロットバルトの娘で確定なのかどうかもビミョー。 
娘っていうのは正式な設定なのかな??(調べてみないとわからないー・・・) 
私が娘と思ったのは、子どもの頃に読んだ本にそう書いてあったからなんですが、 
Kバレエのオディールは、とてもロットバルトの娘には見えないのよね。 
「もう少しだ!もっと押せ!」と指示を出すようなロットバルト。 
娘に指示を出してるというよりも、なんか娼婦を雇ってきたみたいよね。 


で、今回、 
あ!そうか!ロットバルトってオデットのことが好きだったんだ!! 
と、ふと思いました。 
好きで、誰にも渡したくなくて、そばに置いておきたくて、 
それであんな手を使ったんだ!と思いました。 
そうすると、 
オデットが死んだ時と、ジークフリードが迷わず後を追った時のロットバルトの絶望も納得なんですよね。 

哲ちゃんがこの辺をどう解釈してるかはちょっと知らないのですが、 
なんか勝手にそこで納得しちゃいました。 
よし、今度から白鳥の湖はその視点で鑑賞しよっと。 


ところで、 
私にとっては子どもの頃から哲ちゃんは哲ちゃんなんですが、 
世間では「クマテツ」と呼ばれているという噂は聞いていました。 
でもイマイチ、ピンときていませんでした。 
そんな呼び方する人いないよーとか思ってました。 
今回の休憩時間・・・ 
あっちこっちから 
「クマテツかっこいいね」 
「ちょっと眠いけどクマテツが踊るとこだけは見ないとね」 
などなど 
クマテツ、クマテツと聞こえてくるではないですかっ! 
初めて耳にしました。 
そうか・・・世間ではクマテツなのか・・・と、むずむずした休憩時間でした。