母の思い | 母は旅立ちました~娘のつぶやき~

母は旅立ちました~娘のつぶやき~

スキルス性胃がんが見つかってから、約1年4カ月。抗がん剤治療を止めて、緩和ケア病棟に入院していた母は旅立ちました。母大好きなアラフォー娘のつぶやきです。

今日はお仕事をお休みして母のところへ。


お風呂に入る予定だった母と一緒にお風呂に入りました。

髪を洗い、背中を流してあげました。


母の痩せた体・・・本当に想像以上に細くて涙がこぼれそうに

なりました。


トイレに行くのが精一杯の状態の中で・・・

お風呂に入れたのはすごいことですが、母は最期のお風呂に

なるかもしれない、と思い必死で入ったようでした。


一緒に入れてよかった・・・


*****************************************************


夕方、主治医の先生が部屋に来られ(部屋には母とわたし)、

母は先生に「このしんどさは誰にもわからない・・・仕方ないん

だけどきっと自分が感じているほどには家族や周りはわかって

いないように思う・・・こうしてしゃべっていると、まだしゃべれる、

まだ大丈夫だ、と思っていると思う」と。。。


それを聞いていたわたしは、しんどいことは想像がついていても、

こっちが考えている以上に母はもう限界まで来ているのかな・・・

母の我慢強さをいいことに、母に知らず知らずのうちに負担をかけて

いたのかな、となんとも言えない気持ちになりました。


*******************************************************



母の今のしんどさを無くす方法はひとつ。

眠った状態で過ごすこと、らしいです。

(痛み止めなど様々な薬は今使用しているのが限界みたいです。)



母は昨夜、父とわたしに言いました。

「今すぐ、今日明日、とかじゃないけど、もう眠った状態にして

もらいたいと思ってる・・・」と。


みんなそれぞれに覚悟はしていたつもりでも、母も涙を流し、

父は号泣でした。もちろんわたしも・・・



そして今夜、母と二人でいるときにまたその話題に。


母は「いろいろ考えたらきりがないけど、でもおかげさまで

やり残したことはないよ」と。


そして、「あなたには本当に感謝しているよ、あなたがいてくれた

から今日までがんばれたんだよ。でも、ここで苦しむお母さんの姿を

ずっと見るのも辛いよね。お母さんは、もう何もしてあげられないし

ここであなたの姿を見るのと、高いところへ行って見るのと変わりは

ないと思っているよ、ずっと見てるからね。見守っているからね」と。



これまで、これを口にするとお別れが現実的になってしまうと思い

怖くて言えなかったんだけど・・・わたしも母へ言いました。


「お母さんの娘でよかった、ありがとう。わたしは大丈夫!・・じゃない

けど、大丈夫。またきっと会えるはず、それまで見守っててね。」



握った母の手は温かくて、力強くて、、こうして意識がはっきりしている

から辛いと思う反面、このタイミングでちゃんとお互いの思いが伝えあう

ことができて本当によかったです。



緩和ケアに来た目的・・・苦しまずに、楽に、楽に。

本人も家族も一致している気持ちだから、あとは母が限界を感じた

ときに先生にお願いするだけです。