革にオイルを塗りすぎた時の対処法 | やっぱり チャーチ が好き

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チャーチ とは、教会 のことではありません。
Church's shoes のことです。他の靴も履きますけどね。

突然ですが、革に油分を入れすぎた事はありませんか?

タピールのレーダーオイルは、革の油分を補給してしなやかさを維持させ、革の履き皺を目立たなくしてくれます。これをメンテナンス時に適度に塗布することで、これまでよりも革がより柔軟でしなやかな感じになります。いまや、私にとっては靴のメンテナンスに欠かせないものとなっています。

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タピールのレーダーオイル

ところで、レーダーオイルは使用方法にて、『布につけて塗布した後に、余分なオイルを乾拭きしてふき取ってください。』、 とあります。余分なオイルが残ると、そのオイルもそのうち革に浸み込み染みます。そして表面が、油分たっぷりの、まるでオイルドレザーのようなヌメッた感じになります。これは、レーダーオイルを適量に塗布した時でも、調子に乗って何回も重ねて塗布した場合など、同じような状態になることがあります。‥経験者の私が云うのですから間違いありません‥(^-^;

さて、油分が多くなりすぎるとどうなるか、といいますと、その状態の革に靴クリームを入れたとしても、磨いて光らせることができなくなります。油分がリッチになって、しっとりと油分で満たされたような状態の革表面に靴クリームを塗布すると、クリーム成分全部がそのまま表面に残ってしまって、その後いくらブラシで磨いても革が光らないのです~大汗。

油分入れすぎ対応_02
油入り過ぎ状態のアッパー(表面がしっとりしています)

これは私の勝手な解釈なのですが、靴クリームは、革に塗布すると油分と水分が革の中に浸透して、蝋分(ワックス成分)だけが表面に残っていき、この表面に残った蝋(ワックス)分をブラシで磨くことで靴を光らせることができる、と思っています。つまり、革が油分たっぷりになると、ワックス分だけが表面に残るような、油分と水分の革内部への浸透が起きづらくなるのだろうな、‥と思っています。

さて、そうなったらどうするか‥。

「悲しみ」と同様に、「時間」が解決してくれるかな‥、と思って暫くそのまま放っていたこともありました。しかし、何週間経っても表面のヌメッた感じはずっとそのままで、そこに靴クリームを塗っても、やはり磨いて光らせることはできませんでした(‥これも経験済~汗)。

もうこのまま、オイルドレザーっぽいドレスシューズとして履くしかないのか~大汗。‥いえいえ、そんなことはありません。こんな時に私の使う解決策は、デリケートクリーム(デリクリ)によるメンテナンスです。

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正義の味方、デリケートクリーム

デリケートクリームを使って革のメンテをされたことのある方はご経験済みのことだと思いますが、表面に塗布したデリクリが革内部に浸透した後、革表面は非常に乾燥した感じになります。この状態の革表面に靴クリームを塗ると、クリームの浸透がしっかりと行われます。油分が多めに入ってしまった革に対してもデリクリを塗ると、それでもデリクリは革内部に浸透していきます。そしてその時に、表面に残っていた油分を一緒に連れて行ってくれるような感じです。もしくは、デリクリが浸透しきる最後のほうで、油分リッチな感じのモノが革の表面に残っていますので、これを拭き取ってしまってもいいのかもしれません。

いずれにしても、革が油分多すぎ状態のままにしておくのはとてもやっかいです。ブラシはひかかるし埃やゴミも付着しますし‥。靴を磨いて光らせることは、ワックス成分によって表面に被膜を作る意味もありますので、油分を入れすぎたな、と思ったら是非お試しください。

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ブラシで磨いて輝きを取り戻したアッパー

あと、このことで思いついたのですが、レーダーオイルとデリクリを交互に使うことで、革の中に油分、水分を効率的に入れていけるのかも知れな、‥とも考えています。普通だと何年もかけて革のメンテを繰り返す中で、柔らかく、しなやかに育っていく革が、より効率よくしなやかさを獲得できるかも‥と。果たしてどうなのでしょうか?ちょっと気になるところです。