Q.遺留分の問題が発生しそうな事業承継では遺留分の放棄が有効か?
A.後継者以外の相続人が事前に遺留分を放棄しておけば、相続・贈与で承継した株式が遺留分減殺請求により分散するリスクはなくなります。
しかし、この遺留分の放棄は、放棄する相続人毎に手続きを行う必要があり、審査を相続人毎に行われます。
したがって、複数相続人がある場合に、遺留分の放棄が認められない相続人が出てくる可能性があります。
遺留分権は非常に強力な権利であり遺留分を放棄することは大変勇気が必要です。相続人全員の放棄が認められるならまだしも、相続人の中に遺留分権を有している者がいる事で親族がギクシャクする事は十分にあり得ます。遺留分の放棄は事業承継のために存在するものではないので、このような不完全な形になってしまいます。これらの事情を踏まえた「遺留分の放棄」によく似た手続きが「遺留分の除外・固定手続き」となります。