立柱方式による木造住宅(和風モダン)
外張断熱工法 花游雲月亭
玄関の開口より手洗いを見ているところ
この開口部では大分注意しました。開口
部の壁にRをつけるように指示していたの
ですが、出来ていません。どうしてか?と
尋ねると左官が「鏝が無いのでできませ
ん」と言っていますとのことでした。
そこで、「鏝はなければ作るものです。
鏝が無いといって出来ないというのは
職人の恥でないでしょうか?」と言いまし
た。すると、どうでしょう、監督さんは鏝を
作ってくれ、左官さんに言って開口部に
Rをつけてくれました。感謝多々
出来は格段に違うことは言うまでもあり
ません。(^_^)
p.s. 開口から見ているのは私ではあり
ません。この部分の担当の大工さんで
す。お世話になりました。
玄関の開口部を広縁から望む
北側の雨落し側溝 北側には軒樋が無い
ので、雨が落ちてきた時のために雨受け
の側溝。この後、砂利敷きにする。
玄関庇にも軒樋をつけないので、雨落しの雨
受けの側溝を設計している。北側と同じよう
に、雨を流さないように、雨用の側溝で受けて
雨を処理している。
設計余談
一番最初に施主にお会いした時に、この敷地の周辺の建物を見て回った。その時に施主が「樋があると不細工じゃないですかぁ?」と一人言のようの呟かれました。その時、ちょっとドキっとしたのです。この施主は、かなり難しい方だなあ。。。
というのは、建物の出来を最後に決定するのは、樋や、引き込み電線だったりするのです。引き込み電線は受電用の電柱を建てることにより回避できますが、やっかいなのが軒樋と呼び樋なのです。ほとんどの建物が、この樋によって、ダメージを受けます。どんなに良い設計であってもそこに配慮されていないと陳腐な家、建物になってしまいます。
このことに気がついている設計者はいわゆる建築家といわれている人なのです。ほとんどが、なんの注意も払われずに普通に軒樋や呼び樋を付けています。それは普通のことなので、一般の人も何も疑いもしません。そのことに気がつく方というのは、非常に厄介なのです。というのは、軒樋や呼び樋、縦樋を無くすことや気がつきにくくするというのは、設計上とても難しいことで、お金もかかるからです。
しかし、軒樋や呼び樋を見せなくしたり、分からなくしたりすると出来上がった建物は当たり前にスッキリと際立ってくるのです。どんな建物、ビルでもこれは綺麗だなあとか、格好良いと思ったら軒樋、呼び樋、縦樋を探してみてください。上手にデザインされているはずです。このように、普段気にしない、あって当然のものでも、その処理によって良い建物になったり、それなりになったり、陳腐になったりするのです。
立柱方式による木造住宅(和風モダン)
外断熱工法
設計 天羽英雄 建築設計事務所 天羽英雄