人事コンサルタントのブログ -399ページ目

数値目標について

 成果主義が導入され2年になりますが、さらに、目標の定量制になろうとしています。企画デザイン部門なのですが、定量化できない仕事を担当している人が多く困惑しています。どのように考えればよいでしょうか?(印刷会社のSさん)
 
● まず、目標項目について
 
 成果というのは売り上げや利益など営業数字だけでなく、 各人に求められた役割を全うすることを言います。 一担当者が決められた期限内で、期待通りのデザインを完成させればそれはそれでひとつの成果をあげたといえるわけです。 したがって、あらゆる部門で成果主義は成立します。
 
● また、定量化ということについて
 
 仕事の責任には結果責任と遂行責任があります。 結果責任というのは、やり方方法は別にしてある一定の結果を出すという責任であり、遂行責任というのは、決められたとおりに職務を遂行するという責任です。

  どちらも大事な責任ですが、当然上級管理者は結果責任が大きく求められますし、一般社員には遂行責任が大きく求められます。
 
また、営業や製造などライン部門では結果責任が大きく、スタッフ部門では遂行責任が大きくなります。

 少なくても、部長クラスはどの部門も結果責任が求められますが、それをブレークダウンした部下の目標は、部門によって結果責任を問う目標になったり、遂行責任を問う目標になったりします。 結果責任を問う目標は当然数値目標になりますが、遂行責任を目標の場合は数値目標ではなく、遂行目標になります。(この遂行目標の達成したかどうかの達成指標を数値化することは可能)
 
 無理に数値目標を設定しようとすると、数値化しやすい項目を設定することになり、本来設定すべき目標が設定できなくなることになってしまいます。

 いずれにしましても、 企画デザインの役割を明確にすることが先決です。 役割といっても、ただ単に職務記述書(職務分掌)などによって職務内容を示すだけではなく、「どういった成果が求められているか」を明確にするということです。
 
そして、それを達成するために各人が何をするかとう観点で目標設定するのがよろしいと思います。
 

目標の水準設定

 目標値の水準は、「組織目標達成に貢献する」ということと「本人が努力をすれば達成可能な水準であること。」が前提になる。

  

 達成不可能な目標や簡単にクリアできるものは、適切な目標水準とはいえない。そうなると当然、能力の高い人には高い目標、能力の低い人には低い目標が設定されることになる。

 

● 同じ等級だからといって同じ水準の目標を設定すると、評価はしやすいが、成果は少ない。


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● 個人の能力に応じて目標水準を設定すれば、頑張り甲斐があり、成果が大きくなる。


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 評価のために目標管理を行うのではなく、成果を上げるために目標管理を行うのであるから、このような考えで目標を設定するのがよい。


 ただ、評価のことを考えると不公平感が出てくるので、目標の難易度設定を行うことで解消する様にするとよい。

 

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関西出張

 今週は関西を転々としている。日曜日、高槻に宿泊して、月曜日は南摂津(大阪モノレール)で仕事、火曜日から3日間は和泉府中(JR阪和線)で仕事、その間堺東(南海電鉄)のホテルに宿泊して、また高槻へもどって金曜日の長岡京で仕事に備える予定である。 

 

 同じところで1週間は楽であるが、荷物を持って転々とするのはちょっとつらい。でも、色々なところへ行けるので楽しみでもある。

 

 ただ、こちらで驚いたのは、歩道を歩いていると猛スピードの自転車が後ろから突然出てくることだ。歩道に自転車が多いのにびっくりした。歩道だからと安心はできない。

 

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チャレンジ目標

 当社は、目標管理を中心に評価を行っていますが、近年、個人目標でチャレンジングな目標を設定するものがいなくなりました。目標は挑戦的に設定するようにと指導しているのですが、なかなかうまくいきません。何かよい方法はありますでしょうか。

 

 目標管理の運用について、色々な考えがあるのですが、次のどちらの考えに近いのでしょうか。

 

 一つは、以前からの目標管理で、「チャレンジ加点主義」の目標管理です。通常業務以外の別のテーマや能力開発、あるいは通常業務の一部を重点目標として設定します。

 

 本人の自主性が重んじられ、チャレンジ目標を設定することが求められます。達成すれば、高い評価となり、しなくてもマイナスはされない仕組みです。

 

これはこれでよい目標管理です。

 

 もう一つは、近年多くの企業で行われている評価連動型目標管理です。これは通常業務そのものを、目標の形で設定します。

 
上司の要望が優先され、必達目標で設定します。
目標の達成度は、評価に連動します。(プラスマイナスあり)
これはこれでよい目標管理です。

 

 目標管理がうまく機能しない例として、この二つを混同して運用している場合が多くあります。

 
チャレンジ目標で評価連動する、すなわち、チャレンジ目標の評価連動型です。このような中途半端な目標管理は機能するわけがありません。

 
 評価に連動することがわかっていて、チャレンジングな目標を設定する人はいません。

 

 チャレンジ目標を設定するのであれば加点主義で、評価連動であれば必達目標で設定する。どちらかにすべきです。

 
社内でどちらの考えでいくのか検討して、統一させるのが良いと思います。

 

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目標の書き方

 会社で目標管理制度が導入されたのですが、事務部門なので営業のように数値目標にはなりません。数値目標でない場合は、どのように目標を書けばいいのでしょうか?

 

 以前、「定量目標と定性目標」の記事で説明したのですが、あらためてここで説明します。



 目標の達成度を客観的に判定するために「後から計測できる表現」にすることが必要です、数値目標でない定性目標の場合も、達成レベルがわかるよう状態や条件(期限、目標が達成された状態のイメージなど)を明らかにし、「~~の状態になる、なっている」「~~の行動をする、完了する」というように表現します。

 

① 現在の条件、レベル、状況を記述する。
  今後○○のような環境変化が見込まれるが、現状の○○を維持する。

 

② 望ましい条件、目標が達成されたときの状況や状態を記述する。
  ○○を実施することにより、○○の重複をなくすようにする。

 

③ ねらいとする改善、革新の内容を記述する。
  ○○処理時間の短縮のため、○○マニュアルを新たに作成する。

 

④ 望ましい結果を記述する。
  ○○処理ミスによる修正作業を、○○をすることにより、発生させない。

 

⑤ スケジュール化する。
  ○月までに、上司の承認をもらい、その結果、○○までに○○を実施する。

 

  ○○処理を、○○することにより、現状の○日から○日以内で実行するようにする。

 

⑥ 複数の状態条件を記述する。
  ○○の定着化(定着とは1~~、2~~、3~~になっている状態をいう)

 

以上のような方法で「後から計測できる表現」にします。

 

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目標管理が不安

 目標管理について研修を終え、目標管理について詳しく理解できていない状況ですが、最近管理職にに昇進し、目標管理を実践しなければなりません。部下の面接を実践する上で得られることはどのようなことですかまた、目標管理を理解しないで実施するとどのようなことが困ると想定されるのですか?

 

 ご相談のお答えします。

 

1.部下の面接を実践する上で得られることはどのようなことですか?

 

 面接は目標を設定したり、評価結果をフィードバックしたりすることも大事ですが、一番大事なのは、部下の話を聞くことです。 それによって、日ごろ見えない部下の行動や考え方がわかります。また、話を聞くことで、部下との信頼関係を築くことができます。 上司が一方的に話すような面接はよくありません。

 

2.目標管理を理解しないで実施するとどのようなことが困ると想定されるのですか?

 

 目標管理制度の導入の目的が達成できません。何のために目標管理制度を導入したのか、その目的が達成できないことになります。

 

 また、部下も目標管理制度の本当の目的が理解できずに、批判的になります。評価に連動するのであれば、自分の都合のよい目標を設定するようになります。自分の目標だけすればいいのでしょ、ということになります。職場風土が乱れることになります。

 

 よい仕事をして、よいサービス、よい成果を上げようということが目的のはずなのに、それが、簡単な目標を設定して、楽して、評価をよくしよう、という風になってしまいます。

 

 気をつけてください。

 

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目標水準

 目標値の水準は、「組織目標達成に貢献する水準(会社が求める水準)」ということと「本人が努力をすれば達成可能な水準であること。」が前提になる。達成不可能な目標や簡単にクリアできるもの、また、達成しても組織目標に貢献しないものは、適切な目標水準とはいえない。

 

 ココで問題になってくるのは、この「組織目標達成に貢献する水準(会社が求める水準)」と、「本人が努力をすれば達成可能な水準」とのギャップである。

 

 この2つの水準が、同じであれば問題ないが、多くの場合、「組織目標達成に貢献する水準(会社が求める水準)」が高く、「本人が努力をすれば達成可能な」水準のほうが低い。したがって、このギャップをどうするかということが大事になってくる。

 

 目標管理のよい点は、このギャップが明確になることで、そのギャップを埋めるために、仕組みを変える、やり方を変える、改善する、など手を打つことができ、その結果、全体のレベルアップにつながるという点である。


 ところが、ギャップが明確になっているにもかかわらず、何も手を打たないで、一方的に「組織目標達成に貢献する水準(会社が求める水準)」を部下に求め、部下の意欲を低下させて失敗するケースや、「本人が努力をすれば達成可能な水準」に迎合して、ギャップそのものを見えなくししまうケースが見受けられる。


 いずれにしても、上司・経営者の手抜きであるが、せっかくの目標管理のよい点を活かさないで、結果的に「目標管理に嫌悪感」を抱かせることとなっている。


 社長や役員が目標を決めるだけで、部下に責任を押し付けるような形になっていると、誰もその目標達成に必死にならないし、逆にしらけてしまい成果も出なくなってしまう。

 

 まず、社長はじめ役員が評価連動型の目標を設定して、その達成のために、仕組みを変える、やり方を変えるなど必死になる。

 

 そうすれば、社員も自分の目標達成に必死になり、成果も上がる。


 やはり、成果の上がる目標管理を行って欲しいものである。

 

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目標の難易度の誤解

 目標の難易度設定というと、「低い目標など設定しない、目標とは高いものだ」などの意見があり、目標の難易度設定について、誤解されている部分があるので、ここでもう一度、説明します。

 

 ここで言う難易度とは本人にとってということではなく、本人の格付け等級としてという意味です。

 
 通常、目標は本人にとって、がんばれば達成できる水準を設定するものであり、本人にとってはいつも能力よりはちょっと高い目標水準を設定することが原則です。

 
 すなわち、「目標水準=本人の能力(見込み)+ムリ」ということになり、このムリの部分を何とかしようとすることで、能力開発や業務改善、業績向上につながるわけでです。

 

 したがって、目標水準を設定する際には、本人の格付け等級は参考にするものの、最終的には本人の能力やおかれている環境や見込み等を勘案して、がんばれば何とか達成できそうな水準を設定することになります。

 
 そうなると、客観的に見るれば、能力の高い人は等級に関係なく高い目標、能力の低い人は低い目標となるわけです。
目標設定としてはそれでよいのですが、評価するときの公平感が損なわれることになりますので、その目標は格付け等級としてどうか(難易度)を設定しようというものなのです。

 

 例えば4等級の人が本人の能力が高いことから、5等級相当の目標であっても達成できそうであるということで5等級相当の目標を設定した場合、その目標は本人にとっては適切な目標であっても、本人格付け等級にとっては難易度が高い目標ということになるということです。

 

 その逆に、4等級の人が能力が低いことから3等級の相当の目標を設定した場合、本人にとってはちょうどよいも目標であっても、格付け等級として難易度が低いということになるわけです。

 

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目標管理がうまく運用できない

 伝統のある老舗企業ですが、昨年から評価連動型の目標管理制度が導入されました。その結果、「目標に入っていないことはやらない」など、社内に混乱が起きています。目標管理制度をうまく運用するための方法をアドバイス願います。

 

 ご相談にお答えします。

 

1.制度を運用するためには、教育が必要です。
 

 経営者を含めた目標管理の研修が必要です。
 特に、目標設定に関しての考え方を明確にすべきです。

  

2.その制度は、しっかり運用すると本当によくなるのか、の検証が必要です。

 

 会社にとっても、社員にとってもよくなる制度であれば、運用の意味がありますが、自分のクビを絞めるような制度であれば、誰もしっかり運用しません。

 

3.目標管理や人事考課は、管理職にそれなりの能力が求められます。

 

 経営者を含めた管理者が、ある一定水準以上でないと、いくら立派な制度を導入しても、機能しません。目標管理の前に、管理職としての教育研修を行う必要があるようです。

 

 以上のことから、まとめてみますと

 

1.目標管理制度を運用することが目的でない。企業の業績を上げることが大事である。

 

2.そのためには、経営者や管理者がしっかり管理運営することが必要である。

 

3.そのために、管理者能力の向上が必要である。

4.管理者がしっかり管理するために、一つのツールとして目標管理制度を運用する。

 

5.目標管理の結果は、処遇にも活用する。


 という、ことではないでしょうか。 これを、逆の順番で考えると、多分うまく機能しなくなると思います。

 

 以上、よろしくお願いします。

 

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ノルマ管理と目標管理

 当社でも目標管理が導入されましたが、以前のノルマ管理のような気がして、非常に嫌悪感を覚えます。ノルマ管理と目標管理とどこが違うのでしょうか。
 
 ノルマとは、ソビエトなどの旧社会主義国などで労働者に与えられていた仕事の分担のことです。一方的に与えられた数値的な責任や義務を指します。
 
 目標とは「目的に、期間と達成レベルを加えたもの」であり、一方的に上司が決めるのではなく、よく話し合って決めたものという違いがあります。
 
 しかし、評価連動型目標管理では、上司の要望が優先するので最終的にはノルマのように押し付けられた様になってしまう場合もあります。したがって形式的にはほとんど同じになります。
 
 それでは本当の違いは何でしょうか。
 
 評価のための目標管理ではなく、業績向上、組織目標達成のための目標管理であるということです。そして、この組織目標達成のための目標管理をするためには、目標設定段階で大事なことが3つあります。
 
 一つは、組織目標達成に貢献できる(連動した)目標であること。
 
 二つ目は、本人が努力をすれば達成可能な水準であること。
 
 三つ目は、上の二つが一致するように、指導育成や援助を行い、また、達成できるような仕組み作りや環境を作ることです。
 
 ところが、組織の都合で達成不可能な目標を押し付け、何の支援や仕組み作りもしないで社員を苦しめる、というノルマ管理になっている場合があるのです。
 
 なかには、上司がサバをよんでわざと目標を上乗せして、それで安心しているケースもあります。これでは、目標管理とはいえません。
 
 目標設定がいくら高くてもあまり意味がなく、問題はどれだけの成果を出したかで大事なのです。
 
 そして、その成果を出すための仕組み作りや指導育成によって、組織全体の水準を上げることが目標管理の最大の利点です。そこを忘れてしまうと、ノルマ管理になってしまいます。
 
 もう一つ、ノルマ管理と目標管理の違いがあります。
 
ノルマ管理は、ゴールを決めて、やり方や方法も決まっている。(汗をかくだけ)
 
目標管理は、ゴールはある程度会社の要望で決まるが、やり方や方法はある程度自分で考えて工夫する。(頭を使う)
 
これも、大きな違いだと思います。