漢方薬もきつすぎます。その薬が体を弱らせているのでやめてください。
と言われたと聞きました。
その薬のその構成生薬が合わないとか、その薬は「○○○」な人にぴったりな薬であなたは「×××」だから合わないとか、のういった説明は何もなかったらしい。
是非必要な他の薬があって、やめさせられるならともかく、おなかの弱い赤ちゃんにも、病後のよれよれの方にも、まず間違いの無いといわれる漢方薬であったし、その量もその日の感じによって減るばかりでなく、まず普段から一日分どころか半日分も飲んでいない要る時だけの飲み方であったのに、やめよとの指導に、不可解なものを感じた。
思い当たることがある。
人参が入った処方であるが、人参は高血圧の人には気をつけるようにと注意書きがある。
この注意は、一般的なものといえるのだ。
高血圧を持っていても、人参の必要な人もいる。人参が必要なタイプの人であることをよく確かめた上で、高血圧が気になるなら観察が必要であるけれど、飲みはじめで血圧が上る傾向が無ければやめる必要はだいたいないものだ。
血管がもろすぎれば怖いだろうけれど、上らない人は上らない。
それなのに、ただ薬の名前を調べただけで、やめよと指導が出たというのは、
ははあん・・・漢方薬ばやりで病院でも出すことにしてはいるけど、自分ではからきしわからない先生だな。
わからんといえない子供のようなええかっこしいな先生だな。
あたしなら、こんな先生は願い下げだ。
わからんから、出さないという先生は、きっぱりと
「わからんからしばらくやめてくれ」
とか、
「漢方薬はそっちの先生に任せとくから、何を飲んでるのかはちゃんと知らせてくれ」
とか、言うもんだろう。あたしの付き合いのある先生はそんなふうだ。
漢方薬にはいくつかのタイプの注意がある。
アレルギーとかに引っかかりやすくて、時々そういう人が出るから、そういうことをちゃんと説明して、出るならやめたほうがいいよといった生薬につく注意。
量を少なく使うもので、合う合わないがその人のタイプで激しく異なるために、合う合わないを診断できなければさっさとやめさせなけりゃならない副作用が出てしまうといった生薬につく注意。
様々な漢方処方にしょっちゅう顔を出す生薬で、そのためにあちこちで重ねてもらうと分量が多すぎる勘定になり、明らかな副作用が出る生薬のその重複処方にうながす注意。
これまで、ただ安全と勘違いされ、合う人にも合わない人にもがんがん出した歴史的な背景により、人が死にが出るほどの副作用がでた処方に、おかげでその避けるべき条件(どんな人には絶対だめなのか)がわかってつけられるようになった注意。
合わない人で作用すると、副作用となり、それが時には大慌てな緊急の事態になるためにわからないなら避けておいたほうが無難だからついた注意。
こういったものがある。
人参の場合は、いわば青の場合だ。合う合わないがちゃんと見極めのできる人なら、怖がらずに出せるもともと優しいともいえる薬だけれど、合わない人にだすならもちろん良くない。
その良くない場合が高血圧を悪化させると言うのだから、
飲む側は、わからんかったら先生の前で飲むから、しばらく様子を見ててよ、通ってきますわ。
といいたいところだが、
わからん先生の方は、合わんかったらひょっとして血圧が上って、自分が見てる前で血管が切れて入院なんてやばいよ。そんなリスクはごめんだよ。ってな気分になる副作用の注意だ。
患者にとっては、なれた薬で、それで血圧の薬が増えたことも無い。様子を知って飲んできた薬ですでに怖くもなんとも無いことは、それを出した先生も、患者自身も知っていることだろう。
さて新しく診る事になった先生が、
私はわからん
と言えなければ、患者が欲しいと思って飲んできたこれまでの経過があろうが、やめさせて、その漢方薬で養生していたほかの病気で倒れてくれた方がよっぽど嬉しいことだろう。
こんな先生にはかかりたくない。