いい薬がある。


大きな切り傷をうけると、その出血にびっくり仰天する。

たいていは慣れたことではないからどきどきする。

周りの人の心配そうな顔を見るとますます不安に陥る。


困ったことにそういう時ますます血が出る。


もちろん止血は最も大事だ。


大きな傷の止血は時々止血を解いて血をめぐらしてやらないといけない。

どきどきが収まらなければその度にまた出血してしまう。


まだ止まってないや・・・
ということになる。


そういうどきどきを、血圧を下げることで収めてくれる漢方薬がある。

気持も同時に落ち着かせてくれるお薬だ。
昔から切り傷に使われてきた薬で用途に適して振り出しで飲む。

煎じるのに40分もかかる漢方薬ではない。

湯沸し機があるところならあっという間にのめるようになる。

そして飲めばひと息つく間に効き目があらわれる。


多分、戦いに明け暮れていたころの武士なら心の鍛錬で薬の効き目ぐらいのことはやってのけたんだろう。そんなに鍛錬できてない未熟な者には、ありがたい薬だっただろう。

びっくりの効き目の薬だけれど、これがないときは・・・
傷を見た人が、
「もう、止まってるね。たいしたことなくて良かった。」
といって、にっこりすることが効く のかなあ。。。
子供さんの怪我なら、駆け付けたお母さんがこれをできればきっといいのだろう。


あたしが子猫を抱いたとき、心を静めてにっこりできるだろうか。そんな自信はまだない。
もちろん同居人を抱きしめて落ち着かせるなんて無理無理。

とりあえず、お薬は用意してある。
「もう大丈夫よお薬がすぐ効くから」
とは言えそうだ。



この漢方薬の効き目とよく似た方法は、現代の救急医療でも、急激な血圧上昇でぶっ倒れた人の血圧を治めることにも、その血圧上昇で破裂した血管からの包帯を巻けない止血の手助けにも使われている。


2003 12/20 14:32