医師不足に悩む岩手県宮古市の県立宮古病院(菅野千治院長、387床)に医師と偽り勤務しようとしたとして、県警宮古署は8日夜、自称大阪市天王寺区上本町5、無職、一宮輝美容疑者(44)を医師法違反容疑で現行犯逮捕した。共に勤務予定だった知人男性(自称38歳)も偽医者だったとみて事情を聴いている。

 逮捕容疑は、8日午後6時半ごろ、宮古市和見町の同病院官舎前で、職員に対し、医師免許がないのに循環器科の医師と虚偽の申告をした疑い。2人は10日から勤務予定で、8日に宮古入りしていたという。

 同病院によると、一宮容疑者は08年11月ごろ、大阪市内の病院の医師と名乗って宮古病院に電話し、「ニュースで岩手の医師不足を知り、手助けがしたい」などと話した。このため同病院は、一宮容疑者と知人男性を09年末から2、3回面接し、4月中旬に採用を決めた。だが2人は医師免許や履歴書の提示に応じず、今月6日にようやくファクスで医師免許を送ってきたが、厚生労働大臣印などが無いことなどから、県医療局を通じ宮古署に相談していた。

 県医師支援推進室によると、県内の人口10万人に対する医師数は191.9人(08年)で全国37位。宮古地区も医師不足が深刻で、同病院は循環器科の常勤医が不在のため、他病院から派遣を受けていた。菅野院長は「常勤医が欲しいとの思いから、疑問な点も見過ごしてしまった。市民の期待や安心を踏みにじる結果になってしまい申し訳ない」と話した。【宮崎隆】

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