プロフェッショナルの意味 | 伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

約11年に渡るヨーロッパの様々なステージのラグジュアリーブランドを経て日本に帰国し、衰退産業とも言われている日本の伝統技術を今の形で発信するためのプロジェクト”ARLNATA”アルルナータを主催しているディレクターの独り言です。
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 ファッションやデザインについて考える上で、僕の中でとても重要なキーワードの一つが、“プロフェッショナル”です。“プロフェッショナル”とはどういう意味なのでしょうか。「あの人はプロだ」とか、「プロだからあの人に聞けばいい」とか、何気なく使ってしまう言葉です。Wikipedia(Japanese)を見てみると、

1 ある分野について、専門的知識・技術を有していること、あるいは専門家 のこと。
2 そのことに対して厳しい姿勢で臨み、かつ、第三者がそれを認める行為を実行している人。
とあります。

 一般的に「あの人はプロだ」というとき、その人の仕事に対する“厳しい姿勢”に向けられる尊敬の念や、敬意を表すことが多いですが、この”厳しい姿勢で臨む“というのもまだ曖昧なので具体的には僕は以下のように考えます。

 職務に対して 自分自身の理論を持って取り組む姿勢であり、その姿勢が仕事に対する誇りや、仕事の結果(時には作品だったり)に対する責任、さらに自分自身の成長や、 終わり無きより良いものへの知的探究心から起ること。こういう姿勢をプロフェッショナルだと考えています。

 具体的な例で言えば、服飾パタンナーの場合だと、ここを2ミリ削ればより奇麗に見えるだとか、ここは少し生地を縮ませて縫うと(イセると)より柔らかく奇麗に仕上がるとか、それをしなかったからといって結果が180度変わる訳ではないが、そうしたほうがより良いのだという、さらに上を目指す探究心からそのこだわりを行う姿勢。決してこだわり自体を皆に自慢するためにしているのではなく、みんなにこだわってる所を知ってもらうことを目的にしているのではないということです。もっと言うと、一般の人たちが簡単に理解できる、もしくは真似できる様なことは、プロの仕事とは言えないし、プロの仕事はプロにしか根本的には判断できない。自分がプロフェッショナルとして認められるには一般の人を相手にするのではなく、プロに評価されて初めて認められる、そういうものだと僕は考えています。

 プロの仕事の善し悪しはプロにしか判断できないという前提に立てば、プロが少ない(もしくは居ない)世界では、自分がどれだけ上記のようなプロ意識を持って仕事に挑んだとしても、誰もその価値が見いだせないという、とても悲しい結果が待っている事になります。つまり、どんな業界でもライバルがいたり、自分の存在(価値)を脅かすような人が存在する事は 個人的には大変やっかいなのかもしれませんが、その業界においては、業界自体の更なる技術、レベルの向上のためにはとても必要なことなのです。

 どんな職業でも、より上の作品、商品、サービスを提供しようとする限り、その意味に置いて専門職ですし、この姿勢を持ちながら仕事に挑むのと、挑まないのとでは、人生の豊かさが違う。一般的に定職についている人は起きている時間の約1/3かそれ以上を意識するしないに関わらず仕事に費やしている訳で、 それだけ費やす仕事に、ただ生活費を稼ぐだけの手段ととらえるか、自分の人間としての成長を重ねて、プロとしての意識を持って追求して行くかで、人生の厚みが間違いなく変わってくると思います。

 以上の事を前提に話を進めると、ファッション界にも色々職業がありますが、各人がこういう意識を持ってそれぞれの仕事に取り組んでいるかどうかを考えていけば、色んな問題が浮き彫りになり、またそれを解決する糸口も見つかるのではと考えています。今後は今自分の中で最も重要な点であるプロフェッショナルとはどういうことか、ということ、そしてもう一つのキーワードである(ファッション)センスとはどういうことか、をベースに色々考えを展開して行こうと思います。


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