清水忍の「インストラクションズ」   


















2015年9月OPEN 「パーソナルトレーニングジムIPF」 株式会社INSTRUCTIONS


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http://www.s-s-instructions.com/


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最近というか、以前からなのですが、私がご指導させていただいているクライアント様からトレーニング中に、

 

「どうしてこれをやるんですか?」

 

と聞かれます。聞かれますというより、気にされます。気にされますというより、知りたい様子です。

 

トレーニングの原則の一つに「意識性の原則」というものがあります。

 

自分はどんな目的を達成するためにどんな手段を取っているのか

 

という事をトレーニングの時には認識している必要があるのです。具体的に言いますと、

 

腕立て伏せをやって、どんないい事があるの?それは私に必要な事なの?

私が求める体の変化にとって、腕立て伏せが有効な理由は何なの?

それは腕立て伏せでなければいけないの?他の運動ではダメなの?

それならばどうしてそのフォームなの?そのフォームが崩れるとなぜいけないの?

 

という事を理解した上でエクササイズを実行できているという事が「意識性の原則」です。これが無いとトレーニングの成果が出にくいばかりか、そもそもそのトレーニングに意味があるのか?という事になってしまいます。

 

「部活の決まりで、スクワット1000回やってます!」

というのは意識性の原則から外れてしまっていると言えます。それでどんな能力が身につき、自分のパフォーマンスにどんな影響を与えるのかの説明がなされていないためです。また、それが単に「1000回行う」という事に意識が向いているとすると、おそらくフォームなどはグダグダになっていて最低限の得られるかもしれない成果さえ得られない可能性もあるという事です。

 

「坂道ダッシュ100本やれ!いいか、これは君たちの根性を鍛えるトレーニングだ!試合でいつも最後に君たちは弱音を吐く事が多いだろ、絶対に弱音を吐かない根性を鍛える事が目的だから、弱音を吐いたら10本プラスするぞ!」と言えば、これは立派に意識性の原則を満たしたトレーニングという事になります。目的がはっきりしているからです。このダッシュで確かに根性だけは間違いなく鍛えられます。トレーニングの内容の良し悪しという話はこれとは別問題という事です。

 

その一方で、

「今日のトレーニングは坂道ダッシュだ。君たちはもっと足が速い方が試合に勝てる確率が高くなる。この坂道ダッシュは速く走るために必要な筋肉を総合的に鍛えられるトレーニングなのだが、そのためには股関節の伸展動作を特に考えながら走れ。できれば100本走りたいが根性トレーニングではないのでフォーム重視だ。フォームが崩れてしまったらトレーニングの意味を成さないので中断して休憩を入れるぞ。」

 

と言えばこれもまた意識性の高いトレーニングになります。

根性トレーニングと比べてどちらがいいかという問題ではなく、目的が相手に伝わっていて、何を重視すべきかが理解されているかどうかが重要という事です。

 

私は以前、高校野球部のトレーニング指導を依頼された際、初めて行った日にピッチャーが自主トレで腕立て伏せを100回やろうと頑張っているのを見て、

 

「どうして腕立て伏せをやってるの?」

 

と聞いたら「もっと速い球を投げたいから」という回答でした。

「腕立て伏せをやると速い球が投げられるの?」という質問をすると「・・・・・」でした。

「腕立て伏せは長時間高回数の動作に疲労しないで耐えられる筋肉を養成するトレーニングなんだよ。1イニングでの球数が多くなってしまった時にへばらないで投げられる能力はつくんだけど、速い球を投げるために必要な能力は直接的にはつかないんだよ。だから速い球を投げる、すなわち関節を高速で動かすという能力を求める君にとって腕立て伏せは目的と異なるトレーニングなんだ。だから腕立て伏せは君にとって時間の無駄だから明日からは中止ね。その代わりにこういうトレーニングをするといいよ」という展開で異なるトレーニングを意識性のもとに指導しました。

 

話をもとに戻しますが、

 

私はトレーニング指導中に、クライアント様にはできるだけこの意識性を高めてもらうために

 

「なぜならば」

 

という話をしながらセッションを進めています。

「手の位置はここにしてください、なぜならば・・」

「肩甲骨をもっと寄せるようにしてください、なぜならば・・」

「骨盤が右に傾いているので、左足で地面を踏む意識を高くしてください、なぜならば・・」

「今日はいつもと順番を変えて、こっちのエクササイズを先にやりましょう、なぜならば・・」

とこんな感じです。

すると、クライアントの皆様は、

自分が今どこにいて、どこに向かっていて、どんな行動をとるべきなのか

という事を常に認識できているため、極めて安心であり、確信をもってトレーニングに打ち込めるのだと思います。

 

だから、時々、あまり言い過ぎないようにと思いその「なぜならば」を言わない時があると逆にクライアント様から聞かれるのです、

 

「どうしてこれをやるんですか?」

 

意識性を高く持っているクライアント様は、みるみる変化していきます。見ていてもとても楽しいです。

 

指導とは知識と技能だけではなく、「指導の仕方」というところが大きなポイントだと思っています。

 

ここまでが読者の皆様へのメッセージでした!

 

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