福岡地裁小倉支部で審理中の殺人未遂事件の裁判員裁判で、被告の特定危険指定暴力団工藤会(本部・北九州市)系組幹部(40)の知人とみられる男が、閉廷後、複数の裁判員に「よろしく」などと声を掛けていたことが分かった。


同地裁支部は、その後、判決期日を取り消し、対応を検討している。最高裁によると、裁判員に対する請託(依頼)や威迫が理由とみられる判決期日の取り消しは初めて。



裁判員法は、裁判員に対する請託や威迫を行った場合、2年以下の懲役または2 0万円以下の罰金に処すると定めている。今回、裁判員に対する声掛けがあったことで、裁判員の安全などに配慮したとみられる。


一般市民が参加する制度に大きな課題が突き付けられた。


http://www.yomiuri.co.jp/national/20160530-OYT1T50081.html


工藤会系公判、裁判員に「よろしく」 被告知人?声かけ


暴力団幹部の知り合いか 裁判員に「よろしく」  


暴力団幹部裁判、被告の知人が裁判員に声かけか


 周知のとおり、裁判員の身の安全は「危害を加えられた場合の罰則」「請託や威迫を行った場合の罰則」とも裁判官の場合とくらべて非常に軽く、また裁判官ほど強固な警備が行なわれているわけではないから脅迫やお礼参りともにプロである暴力団にとっては非常にやりやすく顕在化しない暴力によって苦しんでいる裁判員経験者が非常に多いのも問題である。


 今回の事件も、裁判員が控え室でいきなり暴力団員(知人としているが組員そのものだ)からすごまれたのを不審に思って所職員や裁判官に訴えたからこそ発覚したものであり、通常は仕返しを恐れて黙っているわけだから氷山の一角もいいところだ。


 筆者の知人も、裁判員として参加した際、あろうことか被告自身が不規則言動として「覚えとれよ!」と裁判員席をにらみつけたという。


 「裁判員法により被告名や事件名、審理内容、経過や裁判員の発言については明かせないが」、参加した感想(これについては規制対象外)として生々しく恐怖を述べて「軽い気持ちで応召したが、もう二度と参加したくない」と震えていた。


 筆者としては何千回も述べてきたようにこのような危険で不要な制度は即刻廃止すべきと確信するが、どうしても存続しないのであれば国会審議のようにインターネット等で生の映像を裁判員裁判に限って公開することと請託や威迫や危害に対する罰則を裁判官並みに強化すること、判決後少なくとも1年間は米国で言う証人保護プログラムのような特別の警護を継続することだ。


 人によってはそれを生涯に渡って保障する必要も出てくる。


 莫大な費用が国家予算を侵食することになるが、それプラス国民に生命の危機を強要してまで求める「誰も実感していない司法参加」っていったいなんだろうということになる。


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