政府は、消費税を含む税制の抜本改革に関連して、消費税率の引き上げにあたっては、所得が低い人ほど負担が重くなる「逆進性」の解消が課題となっていることから、低所得者に対する負担軽減策の検討を急ぐことにしています。

菅総理大臣は、党首討論で、自民党と公明党の連立政権時代に成立した法律に従い、社会保障に充てるために消費税率を引き上げるとした税制改正の法案を来年3月末までに国会に提出する考えを示しました。消費税を巡っては、所得が低い人ほど負担が重くなる「逆進性」が指摘されており、これをどう解消するかが課題となっています。社会保障と税の一体改革を担当する与謝野経済財政担当大臣は、内閣府の担当者らに対し、この具体策の検討を急ぐよう指示しており、所得の低い人に現金を払い戻す「給付付き税額控除」や、食料品などの生活必需品の税率を低くする「軽減税率」の導入について、議論が進められる見通しです。また、政府の税制調査会も、10日、有識者を交えた懇談会で、この論点について議論を始めることを決めました。政府は、「給付付き税額控除」や「軽減税率」の利点や問題点を整理したうえで、社会保障と税の一体改革の議論に合わせ、ことし6月に向けて、低所得者に対する負担軽減策の検討を急ぐことにしています。


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110211/k10013995411000.html


 逆進性は最初からあるわけだし、エコポイントだの定率減税などという臨時対策がないかぎり、消費税開始の1989年以来この税が消費そのものを低下させる癌であり続けてきたことは紛れもない事実だ。


 消費者・納税者としては小手先の対策もどきに騙されてはならないということだ。


 そのうえで、税率上昇にかこつけた便乗値上げについても、元値に対する値上げ限界比率を設けて、それを超えるあくどい値上げ業者に対してはサラ金業者に対するもの以上に厳しい罰則を設けて防止することも忘れてはならない。


 そして何よりも大事なのは、年金福祉目的で導入されたはずのこの税が一般財源に流用されているという事実だ。


 年間平均10兆円の消費税収、これをそのまま年金財源に充てれば累計200兆円を超えることになり、現在のような年金財政の逼迫を招くこともなかったというのが、何よりの流用の証拠である。


 消費税に絞った使途が一般に明らかにされていないのを隠れ蓑にしてその流用が20年余りにわたって続けられてきたことが何より問題だ。


 その財源の多くが、小泉改悪による所得税最高税率の引き下げや銀行が法人税を払わないことによる税収の穴埋めに使われ続けてきたことは本末転倒そのものであって真っ先に解消すべきものだ。


 こんな状態を放置したままで税率を上げたとしても、狙いとしている年金財源には一銭も使われず、また民主党によるひとりよがり失政である子供手当に流用されて消えてなくなるのが堕ちである。


 やはり当初から決めていた使途である年金、それを充足した後に医療・介護に当て、政権政党依存のバブル政策である(現野党は決してこんなばかげたバラマキはやらない)子供手当などに流用させないよう、野党連合で「消費税使途限定法」(仮称)を議員立法して、可決成立させるべきだ。


 国民としては、これまでのようないい加減な消費税流用が続けられるうちは、決して税率引き上げなど認めてはならない。