第8436回「地底旅行 ヴェルヌ原作 ヘンリー・レヴィン監督 感想、ストーリー、ネタバレ」 | 新稀少堂日記

第8436回「地底旅行 ヴェルヌ原作 ヘンリー・レヴィン監督 感想、ストーリー、ネタバレ」





 第8436回は、「地底旅行 ヴェルヌ原作 ヘンリー・レヴィン監督 感想、ストーリー、ネタバレ」(1959年)です。すべては、古書に書き込まれたルーン文字から始まったという物語です。子どもの頃、ジュブナイルでしたが、熱い気持ちで読んだ一冊です。そして、ヴェルヌの世界が映像化されました。


 実は、この作品は5年前に既に取り上げています。手抜きとなりますが、当時書いたブログから全文再掲させていただきます。


 『 小学生の頃、ジュビナイル版で読んだSFで最も好きな作品が、コナン・ドイルの「失われた世界」とジュール・ヴェルヌの「地底旅行」でした。小学校の図書室に入り浸っていた頃です。スタニスワフ・レムの「金星応答せず」なども好きでした。当時、「金星ロケット発進す」のタイトルで映画化されました。


 ですが、いずれの作品も、原作のイメージと微妙に違うのです。多分、子供心に忠実な映像化を期待したためかと思います。この映画「地底探検」は、1959年に製作されました。ほぼ映画と小説を同時に読んだことになります。しかし、わずかに不満があるのです。ラスト、地底から脱出するシーンです。子供心に、あれはないだろうと考えながら観ていました。


 1959年版の「地底探検」は、地底世界に至るまで過程を丹念に描いています。青年アレック(パット・ブーン)は、オリバー教授にお祝いとして熔岩でできた文鎮を贈ります。その中から錘(おもり)が出てきます。錘には、サクヌッセム(原作では16世紀の錬金術師)の暗号文があり、地底世界の入り口が記されています・・・・。




 オリバー教授は、スウェーデンの地質学者ゲタボルグ教授に問合せの連絡をするとともに、早速アレックを連れ、地底世界の入り口であるアイスランドに向かいます。しかし、オリバー教授たちは襲われます。助けたのは、ハンスという地元の青年です。


 彼ら3人は、地底世界に向かうことになりますが、4人目のメンバーが登場したのです。ゲタボルグ教授も、地下に向かう計画でしたが、殺されてしまいます。その妻が、機器の提供と引き換えに、自分も"交ぜろ"と要求したのです・・・・。


 早朝、4人と1羽(鴨?)は出発します。朝日を受けて、ビームとなった光は入り口を指し示します。後に製作された「マッケンナの黄金」も、黄金の谷を示す方法として同じ方法を取っています。好きなシーンです。そして、いよいよ地下に入っていきます。原作では、地下での温度上昇について、かなり言い訳めいた説明がなされています。ヴェルヌもかなり気にしていたようです。


 ファンタスティックなシーンが続きます。そして、4人以外にも探検者がいることも、次第に明らかになってきます。殺意をもった妨害工作が行なわれるのです。サクヌッセムの子孫です。4人は、彼も連れて行くことにします・・・・。




 苦労しながらついに地底に降りきります。そこは、巨大キノコが林立し、恐竜並みのオオトカゲが徘徊しています。目の前には、地底の海。好きなシーンです。子どもの頃、ワクワクしました。5人は、筏をつくり海に乗り出しますが、遭難します・・・・。


 気が付いた時には、5人は海辺に漂着しています。サクヌッセムの子孫が、1羽を食べてしまったのです。ハンスは怒ります。追い詰めたとき、サクヌッセムは転落します。そして、崩れた後に神殿遺跡が発見されます。アトランティスの遺跡だったのです(こういうホラって好きです)。


 地底世界を発見したサクヌッセムの遺体が発見されます。彼は、ここまでやってきていたのです。火薬を所持しています。指は一つの方向を指し示しています。地上への脱出路ですが、途中が岩石でふさがれています。儀式用の大きな鉢(アスベスト製)に、身を伏せ爆発させます。通路は確保できたのですが、熔岩が噴き出します。4人を乗せた大鉢もろとも地上へ噴出させます・・・・。


 こうして、4人は地上に戻ってきます。4人はヒーローとなりますが、何ら証拠はありません。歓呼の中、オリバー教授は、明確にその旨を述べます・・・・。一生ものの冒険小説です。子どもの頃、刷り込まれたワクワク感は、今なお消えていません。 』(以上、再掲)


(補足) 2枚目、3枚目の写真は、ウィキペディア「地底探検」からの引用です。