第8081回「古典落語 その306 河豚鍋 二代目桂小南 ストーリー、ネタバレ」
第8081回は、「古典落語 その306 河豚鍋(ふぐ汁) 二代目桂小南 ストーリー、ネタバレ」です。
『 (小南師匠は、)丹波訛りが抜けず伸び悩んでいたところ、師匠の三遊亭金馬(3代目)より上方噺に転向するように言われ、それまで習得した江戸噺を封印した。・・・・ 独特な口調は「小南落語」とも呼ばれた。芸に厳しく、終生「稽古の鬼」と称された。 』(ウィキペディア)
「枕 ふぐの毒」
寒うなってきますと、恋しいのが鍋です(小南師匠は、全国の鍋料理を列挙します)。今でこそ、値もはり高級料理でございますが、かつてはふぐで命を落とした人は少なくありませんでした。
「本編」
旅から帰ってきた幇間(たいこ)が、出入りの旦那の家に挨拶に来ます。「まあ、あがりなさい、一杯やろうじゃないか」、座敷に上がった幇間は、早速奥方から下女にまでヨイショをします。さらに飼い猫まで・・・・。
出されたのが見慣れぬ身の入った鍋料理でした。「これは、ひょっとして河豚でげすか?」と聞きますと、旦那はそうだと答えます。怖いのは幇間だけではありませんでした、旦那も怖かったのです。そこに物乞いが来ました。
毒見代わりに鍋に入れて河豚鍋をほどこします。乞食が帰ると、旦那は幇間に命じます。「おこもさんが、ふぐを食べて無事かどうか見てくるんだよ。大丈夫だったら、わたしたちも食べようじゃないか」、乞食を毒見役にしたんですな。
しばらくして幇間が帰ってきます。「旦那、すっかり空にしていました。大丈夫なようで」、ふたりは食べ始めます。ふぐ鍋ですので格別の美味でございました。旦那も幇間も「旨い、旨い」と言いながら、すっかり食べ尽くします。
その時でした、台所が騒がしくなったのは・・・・。あの乞食がまたやって来たのです。旦那は追い返そうとします。「すっかり食べ尽くしたから、もう食べるものはないよ。それに先ほど施したじゃないか」
「落ち」
「左様で、それなら安心して食べられます」
(蛇足) 結構好きな演目です。乞食を毒見役にしたつもりだったのですが、乞食も負けていませんでした。ちゃっかり旦那と幇間を毒見役にしたのです。
(追記) 随時、「古典落語」につきましては更新していくつもりです。過去に書いたブログに興味がありましたら、ブログテーマ「ねたばれ古典落語」か、下のURLをクリックしてください。