第7788回「ミス・マープル中短編 その18、巻尺殺人事件 ストーリー、ネタバレ」 | 新稀少堂日記

第7788回「ミス・マープル中短編 その18、巻尺殺人事件 ストーリー、ネタバレ」

 第7788回は、「ミス・マープル中短編 その18、巻尺殺人事件 ストーリー、ネタバレ」(短編集「愛の探偵たち」に収録)です。


「その18、巻尺殺人事件」

 スペンロー夫人が絞殺されているのを発見したのは、ミス・ハートネルとミス・ポリットでした(いずれも老嬢です)。仕立てを生業(なりわい)とするミス・ポリットが、仮縫いのためにスペンロー夫人の家に行ったのですが、応対に出てこなかったため、お節介なミス・ハートネルが窓からのぞいて死体を発見したという経緯があります。


 被害者のスペンロー夫人は金融投資で成功をおさめた女性でした。疑われたのが、夫人の資産に依存する夫のスペンロー氏でした。当然、ミス・マープルの耳にも、この事件のことが耳に入ります。初動で動いたのが、ポーク巡査でした。


 ミス・マープルは、ポーク巡査が胸に着けているピンに注目します。「このピンですか?ピンを見つけると、その一日ハッピーだと言いますからね」とポーク巡査は笑顔で答えます・・・・。以下、結末まで書きますので、ネタバレになります。


―――――――――――――――――――――――――――――――――








 所轄の捜査に協力します。事件は単純でした。「ポーク巡査が胸に着けていたピンは、現場で拾ったものです。仮縫いと称して、ミス・ポリットは実際にスペンロー夫人に会っていたんです。夫人の後ろからメジャーを巻いた際、そのまま首を絞めたんです。犯行後、いったん外に出たミス・ポリットは、ドアのベルを押し続けたんです」


 スペンロー夫人とミス・ポリットは、かつて召使い女としてある家で働いていました。その屋敷で盗難事件が発生しました。もちろん、ふたりも事件に関与していました。その分け前で、スペンロー夫人は投資でもうけ、ミス・ポリットは金を使い果たしました。動機としては嫉妬もあったと思いますが、スペンロー夫人が過去の犯罪を告白するのではないかとポリットが怖れたからです。


(追記) ミス・マープルの中短編につきましては随時更新していくつもりです。興味がありましたら、お手数ですが、ブログトップ左側にあります"ブログ内検索"欄に"ミス・マープル"と御入力ください。また、ポワロの中短編につきましては、"ポワロ中短編"と御入力ください。