第3939回「サイドウェイズ(2009年版)その2人生の道草、ストーリー、ネタバレ」(日米合作) | 新稀少堂日記

第3939回「サイドウェイズ(2009年版)その2人生の道草、ストーリー、ネタバレ」(日米合作)

新稀少堂日記

 第3939回は、「サイドウェイズ(2009年版)その2、人生の道草、ストーリー、ネタバレ」(日米合作)です。サイドウェイの意味は、回り道とか寄り道を意味しますが、映画の内容から考えました、「道草」が最もニュアンスに近いと思います。


「第1日目、土曜日」

 道雄(小日向文世さん)が、LAの空港に着くところから映画は始ります。5分ほど、ぶつぶつとつぶやく道雄のナレーションが続きます。彼がLAにやってきたのは、友人・大介(生瀬勝久さん)の結婚式に出席するためです。道雄が、20年ほど前に、LAに語学研修した際に知り合った仲です。


 道雄は、シナリオを細々として書いており、シナリオ・スクールの講師が正式な職業です。現在、ドラマ化の話も進んでいます。一方の大介は、かつてテレビ・ドラマに出演していました。「キャプテン・ニンジャ」がブレイクしました(?)。全米でそこそこに知られている日本人です。決め台詞は、「ガッテンだ!」、生瀬さんが溌剌と演技しています。現在はレストランチェーンの店長をしています。その関係で、オーナーの娘を射止めたのです。


 結婚式は次の土曜日です。それまで、かつての友人が、小旅行しようというのが今回の企画です。道雄は、カリフォルニア・ワインのメッカ、ナパ・ヴァレーに行くものと考えていたのですが、・・・・。一方、大介の行きたいところは、もちろんラスベガスです。女もいれば、バクチもできます、独身最後の快楽の園です・・・・。


 迎えに来た大介の自動車で、LAを案内されます。結婚相手の実家にも行きます。いい娘さんです。かつてのホーム・ステイ先にも行きますが、そこで、マユコの消息を聞いたのです。ラスベガス行きをごり押ししていた大介も、マユコがいるのなら、ということでナバ・ヴァレー行きに同意します。ホームステイのオバサンは、廃車代わりに、ヴィンテージものの"ムスタング"をプレゼントします・・・・。


 赤いオープン・カーです。ナパ・ヴァレーのモーテルに泊まります。


「第2日目、日曜日」

 朝から、ナバ・ヴァレーのワイナリーめぐりを開始します。疲れ果てたふたりは、夕刻、レストランに行きます。ナンパ目的で、大介は、さっそく日本人の女性二人連れに声をかけますが・・・・。麻有子(鈴木京香さん)だったのです。大介の関心は、もうひとりの女性であるミナ・パーカー(菊地凛子さん)に向います。


 明日の再会を約束して、別々の席で食事を取ったのですが、道雄は、麻有子の成熟振りに驚愕します。20年前に、道雄は彼女の家庭教師をしていたのですが、それ以来の再会です。道雄は、自分たち3人の体験をシナリオにしていたのです・・・・。


 ショックを受けた道雄は、酔いつぶれ、テーブルに突っ伏します・・・・。


「第3日目、月曜日」

 大介は、道雄を連れて、ミナの勤めている軽食堂に朝食をとりに行きます。ミナは、陽気な女性です。「ガッテンだ!」、大介の主演したドラマの決め台詞です。大介はミナに傾斜していきます・・・・。日中は、ワイナリー巡り、夜は、麻有子の家でパーティが開かれます。


新稀少堂日記

 同棲していた女に逃げられた道雄は、料理の腕もそこそこです。料理を担当します、ゲストから高評価を受けます・・・・。その夜、大介はモーテルに戻ってきませんでした。


「第4日目、火曜日」

 麻有子に困った事態が発生します。顧客から、結婚式のために、急にヴィンテージものを集めてくれというのです。彼女は、ワインの会社に勤めていました。東京支店の出店計画もあるようです。その支店長に、麻有子の名前も上がっており、経営者から強く指名されているのですが・・・・。


 あきらめかけた麻有子の背中を押したのは、道雄です。協力するというのです。ふたりでワイナリーを次々と廻ります。大介が確保していたワインも、大介に無断で放出します。新婦の父親が確保していたものです・・・・。一日かけて、多数のヴィンテージものを集めます。


新稀少堂日記

 麻有子は、感謝の気持ちをこめて、道雄にキスします・・・・。その夜も、大介は帰ってきませんでした。もちろん、ミナの家に泊まっていたのです。大介には、土曜日に別人と結婚式をあげるという意識は、完全に欠落していました。果たして、・・・・。


「第5日目、水曜日」

 道雄たち4人は、そろってワイナリーにピクニックに行きます。楽しい一日でした。ですが、麻有子は、大介の義父になる人が確保していたワインの箱の中に、新郎新婦に対するメッセージか入っていることに気付いたのです。大介も、道雄も、これまでに麻有子にもミナにも言っていなかったのです。私の記憶をたどっても、確かに言っていません。


新稀少堂日記

 麻有子は、ミナに責任を感じます。それ以上に腹立たしいのは、道雄と大介です。麻有子は、道雄を激しく責めます。これ以降、ふたりは気まずくなります・・・・。この夜は、モーテルにめずらしく大介が戻ってきました。


「第6日目、木曜日」

 この日も、大介はミナの家に行きます。一方、道雄は麻有子に日本に戻らないかと誘います。麻有子は、頑(かたく)なです。あくまで、アメリカでの活動を望んでいるのです。ですが、日本に帰ることは、道雄だけの願望ではありませんでした。ワイン会社としても、彼女に東京に赴任してもらいたかったのです・・・・。


 その夜、一連の大騒動が起きます。大介は、使い切ったため、男性用避妊具を買いにいきます。ですが、「キャプテン・ニンジャ」を知ってるアメリカ人は多数います。レジに持っていこうとすると、「ガッテンだ」の大合唱・・・・。特に、子どもの間で、人気が高いのです。困り果てますが、何とか買います。


 一方、麻有子から責められた道雄は、ついにミナに告白します。「土曜日、大介は結婚式を挙げるんだ」、もちろんミナは激怒します。機嫌よく帰ってきた大介の顔面を、フライパンで目いっぱい殴りつけます。大変なケガです。おまけに、家を追い出されます。


 大介の災難はそれだけではありませんでした。白バイに止められたのです。ムスタングの登録は切れていました。しかも、顔面には激しい傷があります・・・・。その警官は、女性でした。大介を家に連れて行きます・・・・。眠ろうとした道雄のもとに、大介がSMスタイルで帰ってきます。女性警官は"女王様"だったのです。このあとも、トラブルはさらに続きます・・・・。


「第7日目、金曜日」

 今日は、LAに帰る日です。昨夜は、自業自得とはいえ、大介にとっては厄日でした。ですが、運命は、大介にも道雄にも平等です。道雄が同棲していた女性から電話が入ったのです。結婚していました・・・・。追い打ちをかけるように、シナリオのドラマ化が決定したとの連絡を受けます。


 結構な話なのですが、全く書き直され、道雄の名前はタイトルから外されたとのことです・・・・。道雄は、キレます。道雄の大声に、ワイナリの客たちが振り返ります。店員から出て行ってくれと言われた道雄は、泉水の中に入っていきます・・・・。


 疲れきったふたりは、ムスタングで帰ることになったのですが・・・・。大介が、わざと道端の樹木に自動車をぶつけたのです。「この顔じゃ、説明がつかないだろう?」、バンパーを壊します・・・・。その時、ミナに告げ口をしたのは自分だと、道雄は告白します・・・・。


「第8日目、土曜日」

 何もなかったように、教会で、結婚式が行なわれています。道雄は、笑顔で、新郎新婦をみつめます・・・・。その頃、麻有子は東京に向かっていました。東京支店長の仕事を引き受けたのです。道雄に手紙を書きます・・・・。


「第9日目、日曜日」

 道雄は、ムスタングでナパ・ヴァレーに向います。ですが、麻有子はいませんでした。ムスタングを見かけたミナは、道雄を追いかけ、「ミチオ、マユコを離しちゃダメだよ!」と叫びます。画面は暗転し、エンディングロールが流れます。


(補足) 写真は、"goo映画"から引用しました。


(追記) 感想につきましては、"その1"に書きました。http://ameblo.jp/s-kishodo/entry-11046768884.html