第2528回「神々の指紋 第七部、永遠の支配者 エジプト2」(ピラミッドとオリオンの三ツ星) | 新稀少堂日記

第2528回「神々の指紋 第七部、永遠の支配者 エジプト2」(ピラミッドとオリオンの三ツ星)

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 第2528回は、「神々の指紋 第七部、永遠の支配者 エジプト2」(ピラミッドとオリオンの三ツ星)です。オリオン座は、都市部で見える数少ない星座です。高松では、こぐま座(北斗七星)ですら見えない夜が多いのですが・・・・・。


 グラハム・ハンコックは、カイロのエジプト博物館を訪れます。著者の心は、天空に飛びます。ここで、ハンコックは、ロバート・ボーヴァルの説を援用します。ボーヴァルは、後にハンコックの盟友となります。


 『 ボーヴァルの発見とは、次のようなものだ。オリオン座の三つ星は、ギザの南の空に見えるが、一直線でないことは知られている。下側の二つの星、アルニタクとアルニラムを結ぶと、三つめの星ミンタカは、その線から左側、つまり東の方向にずれているように見える。


 興味深いことに、ギザ台地の三つの謎のピラミッドもまったく同じ配置になっている。ボーヴァルはギザのネクロポリスを空から見ると、クフ王の大ピラミッドはアルニタクの位置にあり、カフラー王の第二ピラミッドはアルニラムの位置にあり、メンカウラー王の第三ピラミッドはこの二つのピラミッドを結んだ線の東側にあることがわかった・・・・・。これで星の壮大な構図が完成する 』(大地舜氏訳)


 ハンコックは、ボーヴァル説を全面的に認め、「三大ピラミッドは、天空(オリオンの三ツ星)を地上に模したものだ」と主張しています。著者は、この話題を深化させず、カイロ近郊のヘリオポリスに移動します。数多くのピラミッドがあります。そして、エジプト神話も・・・・。


 エジプト神話の中核となるモチーフは、"オシリス"です。ウィキペディアから引用します。"喪失と再生"の物語です。
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 『 同神話によれば、生産の神としてまた、エジプトの王として同国に君臨し、人々の絶大な支持を得たが、これを妬んだ弟のセトに謀殺された。尚、この際、遺体はばらばらにされて、ナイル川に投げ込まれたが、妻であり妹でもある、イシスによって拾い集められ、ミイラとして復活。


 以後は、冥界アアルの王としてここに君臨し、死者を裁くこととなった。その一方で、自身の遺児・ホルスをイシスを通じ後見して、セトに奪われた王位を奪還。これをホルスに継承させることに成功。以降、現世はホルスが、冥界はオシリスがそれぞれ統治・君臨することとなった。 』


 オシリス暗殺と復活は、植物の枯死と繁殖をイメージさせます。農耕神として、エジプトで崇拝されてきました。そのためでしょうか、顔を含めて、皮膚は緑色に描かれています。ただ、神話を再構成したのは、古代ギリシア人です。良き文明の創造者は、良き文明の理解者ということでしょうか。


 ハンコックは、ここでも、神話と天空の星を結びつけて考えていきます・・・・。オシリスは、イシス(オシリスの妻)は、古代エジプトで、いかなる星座とか星に、見立てられたのでしょうか。