第1418回「モスラ デアゴスティーニ版」(東宝特撮映画) | 新稀少堂日記

第1418回「モスラ デアゴスティーニ版」(東宝特撮映画)

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 第1418回は、「モスラ デアゴスティーニ版」(東宝特撮映画)です。アメリカ映画「トレマーズ」(※)に登場するモンスター・"グラノイズ"は、次のような変異を繰り返します。グラノイズ(ミミズ型)→シュリーカー(飛ばない鳥型、鶏型)→空飛ぶグラノイズ→卵→グラノイズ(ミミズ型)。面白い映画でした。


 一方、わが国が誇る大怪獣モスラは、蛾をモデルとしていますので、卵、幼虫、さなぎ、成虫の形態を取ります。モスラ映画の第1弾である本作では、全ての形態を見せてくれます。モスラの大きさは次のとおりです(添付の怪物図鑑から)。


① 卵・・・・長径100m、短径65メートル

② 幼虫(芋虫型)・・・・全長180メートル

③ さなぎ・・・・全長、記載なし

④ 成虫(蛾の形)・・・・翼長250メートル


 物語は、漁船(?)の遭難から始まります。漂流先は、ロリシカ(アメリカ?、ロシア?)の水爆実験エリア内にあるインファント島です。乗員は無事救出されるのですが、放射能障害は全くありません。乗員は、原住民から赤い液体を飲んだからではないかと証言します。無人島と思われていた島に、人が住んでいたのです。そして、小人の妖精(小美人、ザ・ピーナッツ)までいたのです。


 悪人の一味は、早速小美人をビジネスにします。ショーとして見世物にしたのです。「モスラや、モスラ♪」名曲が流れます。この映画を観ていない人は、このシーンだけで、元が取れます。小美人の歌声は、テレパシーとなり、インファント島の卵に届きます。孵化した幼虫は、太平洋をわたり一路日本を目指します・・・・。


 フランキー堺さんが、新聞記者役で登場します。「若い女性であれば、"美人"と書くんだよ」 半世紀前から、マスコミはそう表現してたのかと、妙に納得できるセリフです。わが自衛隊も防衛に努めますが、幼虫モスラを撃退できません。悪人一味は、ロリシカに小美人を連れて逃れます。


 幼虫のモスラは、東京タワーに寄りかかる形で、さなぎとなります。そして、最終形態である蛾となり、一路ロリシカへと飛んでいきます・・・・。立ち寄った先々で、破壊の限りを尽くします。そして、新聞記者たちの協力で、無事インファント島に、モスラと小美人は帰っていきます。


 最近は、"カラー"で表現が統一されていますが、当時は"総天然色"と言っていました。当時、私は小学校の5年生でした。2本立てでしたが、本命はもちろん「モスラ」です。館内が暗くなり、"東宝"を中心に放射状に延びるロゴが映りますと、ワクワクしたものです。


 ですが、当時も今も、「モスラ」より「ラドン」の方が好きです。「ラドン」にみられる、炭鉱内の伏線に子ども心ながら、ストーリーの面白さに感動したからではないでしょうか。これ以降、怪獣を登場させるだけの特撮映画になっていきます。残念です。