KING of POP

マイケルジャクソンを支えた数多くの一流ミュージシャンたち。


低弦=ベースももちろん、世界最高峰のメンツが
キングを支えました。


6/25のラジオ「幻界からの一撃!」では、マイケルの命日にちなんで
「ベースの魅力 in マイケルジャクソン」
ということで

埋もれた名曲をみんなと楽しみましたが

その1 http://ameblo.jp/ryukibass/entry-11884923114.html

その2 http://ameblo.jp/ryukibass/entry-11884947193.html



誰もが衝撃を受けた

その後の影響が多大だった

完成度高さに驚愕した




といえば


やはり

デビュー曲「帰ってほしいの」

を挙げる方も多ことでしょう。



"I Want You Back"

この、あまりに完成されたシンコペーション。

あまりにグルーヴィなリズム。

あまりにへヴィなボトム。

そして広がるスペース。






この当時、このコード進行にこんなベースライン
しかもドラムやギターとのコンビネーションを
絶妙なシンコペーションを思いついて

ここまでの完成度で表現したなんて!!!



そして、当時のモータウンを支えた超絶バックバンドは

「ファンクブラザーズ」




まさに、大ヒット請負人集団。



そのプロフェッショナル集団にあってひときわ輝くグルーヴマスターこそが


「神」ジェームス・ジェマーソンさま。




ジャズベーシストとしてキャリアをスタートさせ
ウッドベースが愛器だったかれは、フェンダーベース(もちろんプレベ)から

まるでマジックの如く、湧き出るグルーヴを録音に残し

それは、以後のすべてのベーシスト、いや音楽家のお手本になりました。





ちなみに、この軽快でいながら粘るギターは
David T Walkerさまの素敵なお仕事。



さすがっ!


話をもどして

ジャクソン5の、I want you Backですが


これこそモータウングルーヴの、モータウンベースの決定版!
などと称されまして。


90年代にモータウンの凄さがやたら取り上げられた時期があって

その際、再び脚光を浴びたファンクブラザーズ。


もちろん
I Want You Backは「究極のベースライン」などと呼ばれて

多くの評論家、プロミュージシャン、プロベーシストが


「さすが、ジェマーソン!」と。


なかには「何小節目のここはジェマーソンの手くせで・・・」
とか
サウンドメイキングに至るまで、ジェマーソン節、と断定して解説してるのもあったり。





だが



「あれはジェマーソンじゃない。私だ」
という者がいた






(まるで「真犯人、数十年後に真実を語る」みたいですね。。。)








それは、ウィルトン・フェルダー











え??










サックスの人、、、、でしょ。。。??









そう思ったあなた、正解






「サックスの人」です。







フュージョン界で一世を風靡した「ザ・クルセイダーズ」のひとです!





いや、ベースかっこいいけど、そっちでなく。


もう、ベースなんか他人にやらせて「俺が主役」とばかりに

素敵過ぎるサックスを吹きまくってるのが、ウィルトンさま。




ソロアルバムも、みなサックス。









けれど、確かに、彼はかつて、スタジオミュージシャンとしてベースを弾いていました。

「ベーシスト」ウィルトン・フェルダー




実はモータウンの曲の一部や、ジョニミッチェルなどのバックでベースを弾いていた事は確認されており
なんと、かの有名な、
ビリージョエルの「ピアノマン」のベースも
ウィルトンさまが弾いているのです!!!

(ビリーのピアノ以外の鍵盤も弾いているらしい)



スゲーマルチミュージシャン!!!




そして、時代性というか

モータウンでは70年代後半になるまで、バック演奏陣のクレジットはなされませんでした。

「ファンクブラザーズ」は有名でしたが



モータウンの膨大すぎるレコードを、誰がどのパートを演奏していたのか
正確に知る手だてはありません。


もちろん、中心のジェマーソン師は、呆れるくらいに膨大なレコーディングをこなしましたが



今まで「ジェマーソン節」と盲目的に信じられてきたベースが

前述のウィルトンさまや、キャロル・ケイさまだったということが判明しました。


キャロル・ケイさま




「このスウィング感は、黒人にしか出せない」

「やっぱり血のなせるワザだね」


なんて、一部の「専門家」が言ってたのに





パツキン白人超美人おねいさま、だったなんて







今もキレイ、すてきなおねえさま。ケイちゃん。









では、I Want You Backは・・・



近年は「ウィルトンフェルダー」と明記されているケースが多くなってきたように思います。

(未だ専門家の間でも意見が分かれている様ですが)





じゃ、この曲も "Isolated" で、聴いてみましょう。




ん??




これ、ピック弾き??






確か、ジェマーソンは「指弾き」・・・・



なんたって、その指の形から「フック」なんて呼ばれたんだもん。




誰かがコピーして弾いた「ニセモノ」??

いや、うっすら聴こえる他のトラックはまんまだし
ちょっとミスったようなフレーズも、オリジナルに酷似していますやん・・・




確かに

「ジェマーソン」に比べると、ちょっとビートが重い印象。

あとは、16分音符の滑舌がジェマーソンらしくないような。
ピックのアタックのせいか、引っ込んで聴こえる(ゴーストっぽく)細かいオブリがあって

あと、ちょっと訛りが強く出てる気がして。


ジェマーソンは、かなり速いパッセージも、むしろフラットなタイミングでジャストに
そして一音一音のアーティキュレーションがもっとハッキリしてるように思える。





同じ "I Want You Back" をカヴァーしたもので
これは確実に「ジェマーソン」という音源があるので聴いてみましょう。




もっと、スウィングが、三連よりなグルーヴですよね。

そして、軽快な印象が強い。

2'00"あたりからのベース、これはもう、まさにジェマーソンな感じ。





ここで、上の方にUPした「ジャクソン5」の "I Want You Back"と聴き比べると。。。

「ジャクソン5」では、同じパート(2'10"くらい~)が
もっとへヴィ。ピッキングアタックも強い。




ちょっとテンポも違うから、何とも言えないな。。。。と云う時は
それぞれ逆を聴いてみよう!


ウィルトンさんの、ちょっと早いテンポのビート。


2'00"あたりから、よく言われる「ジェマーソン・フレーズ」みたいなのが出てくるけど
うん、やっぱジェマーソンの軽快感と違って
ちょっと力強くへヴィに感じるなー



じゃ、ジェマーソン御大の「ちょっと遅め」はというと


0'45"あたりからの「本家ジェマーソン節」

やっぱミッドの強い指弾きぽい音で
ジャストに16分音符を弾き切ってのシンコペは本家の風格。





ええ。

僕は、
I Want You Back は、ウィルトンさま、に一票。




うん、確かに、こういう「ウィルトンのベースが目立ちやすい」曲を聴くと

ああ、あのジャクソン5のベースに近いじゃん!と思えるな。。。









いや~~奥が深い。




録音状態や、その人のその時の気分や体調、マイブームによってプレイは変わるから

昔よくジャズであった「ブラインドフォールドテスト」みたいなのは

ソロイストではないベースにはとっても難しいとは思うけど




こうやって聴き比べると

いかに「グルーヴこそが名刺代わり」
か、ってのはよく判りますね。


音質は、機材や録音状態などでかなり違って聞こえ
フレージングはそれこそ「誰だれ風」っていう変わり身ができる。

でも、グルーヴだけは、その人固有のものなんだなあ~と。







そう。

「意外」ついでに

誰もが大好きマーヴィンゲイの「What's Going on」

このアルバムはジェマーソンの最高のベースが聴けるアルバムとして有名ですが


実は一曲、"Mercy Mercy Me" だけは、同じモータウンの同志
ボブ・バビットさまが弾いているそうです。





みなさん、雑誌やネット上の「真実」

鵜呑みにしていませんか??




右から左へ「シェア」の時代。


あっちいってウンウン、こっちいってウンウンと
うなずいて共感してばかりでは、結局自分には何も身につかないんじゃないかな~

なんて思ったりもします。


せっかく持ってる「聴き分ける力」大事に育てたいものですね!




それにしても「神」ジェマーソン。

ベースだけで聴いても最高だね!



16分のイントネーションが全てクッキリハッキリしてる。


パッと聴き「ゴースト」に聞こえる音も
実は全部「ガッチリ実音」で、その歯切れのよさでモタつかせずにジャストに拍に戻る。

むしろ全体のノリ方はグイグイ引っ張る感じよね。

ジャズの4ビートに近いような。


で、オブリでフワッと膨らむんだけど、歯切れがいいし
音量のコントロールでモッサリ感じさせずに

鋭く掻き切るように「The One」に突入するスピード感。




んん~

だいぶスタイルは違うけど、グルーヴの質とアプローチとしては

実は、ミクスチャー路線ガッシガシのころのレッチリのフリーなんかに

結構似てるんじゃないかな~って、ふと思いました(^-^)








いや~勉強になりました!


てか、何でも出来ちゃうウィルトンさまも凄いし
美貌のグルーヴマスターのケイちゃんも凄い!


タルちゃんの50年前にすでに、あんな美少女系極太ベーシストがいたとは。。。













(^-^)