御存知のように債権法改正法よりも先行して相続法が改正されます。相続法の改正は実務上の影響が大きく,早急に改正法を把握しておく必要があります。


概要だけを簡単に述べておきたいと思います。


①配偶者の居住権保護を明文化

 従前から判例では配偶者の居住権を肯定していましたが,これを明文化します。死後も配偶者に無償の居住権が認められることになります。



②遺産分割に対する改正

 ・配偶者の法定相続分を増加させる(詳細は未定)

 ・預貯金等について遺産分割の対象にする

  →今までは可分債権とされ遺産分割の対象ではありませんでした

 ・遺産の一部分割制度の創設

  →相続争いが激しい場合に用いられることになります


③遺言制度の改正

 ・自筆証書遺言の要式を緩和,保管制度の創設

  →エンディング・ノートの売上が増えそうですね

 ・相続させる遺言の効力の明文化

 ・遺言執行者の権限の明文化


④遺留分制度の改正

 ・遺留分減殺請求権の制度の明確化

 ・遺留分の算定方法の見直し(詳細は未定)


⑤相続人以外の貢献に対する配慮

 相続人以外で療養看護に後見した者に金銭請求を認められるようにした。

 →義理の娘さん等に金銭を配分できるようになります


 いずれにせよ大きな改正です。今後の動きが待たれるところですね。