"絆"による結婚増加はウソだった!?2011年婚姻数は戦後最低。 | 人材系シンクタンク研究員 本日の雑感

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遅ればせながら、

明けましておめでとうございます。


先月、「雑感」毎日更新の終了をお知らせして以来、

多くの励ましやブーイング(?)を頂き有難うございました。


「今後はトピックスがあった際や個人的なものなど

不定期更新とさせて頂きます」


と、お伝えさせて頂きましたが、

その第一弾として


『HITO総研メルマガ』創刊をお知らせさせて頂きます!

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頻度は月2回、

HITO総研の活動ご報告やニュース、

そして復刻版「雑感」を配信させて頂ければと思います。


ちなみに

創刊号は昨日お送りしたのですが、

その編集後記「雑感」はこういった内容でした↓↓



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(雑感)


昨年の漢字は「絆」でしたが、
クリスマスケーキやおせちといった"絆消費"の好調さが話題になるなど
年末に至るまで「絆」が着目される一年でした。


この「絆」は消費に留まらず
「震災をきっかけに結婚するカップルが増えている」
と結婚増加としても話題となりました。


…が、


データは正直に語ります。


厚労省の発表によると
2011年の年間婚姻数は67万組と戦後最低を記録
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suikei11/index.html


増えていなかったどころか、
戦後最低の少なさだったようです。



さて、この婚姻件数の低下
少子化にとっては重要な意味を持っています。



よく女性の出生率トータルで語られることが多いですが

実は、
結婚後の1人あたり出生率は1972年から2005年までさほど変わっておらず
目立って減少しているのは、婚姻数。



内閣府男女共同参画会議の議員をつとめる

山田教授によると
欧州における少子化の要因が女性の意識変化にあるものの
日本を始め東アジアの主因は未婚化だそうです。



では、なぜ婚姻数が減少しているのでしょうか?



年収の減少や上昇見込みの低下といった経済的問題のほか
女性の高学歴化や意識変化なども大きな要因ですが、



1つ興味深いのは
「出会う機会が減ったから」という原因。


厚労省の出生動向基本調査をみると、
夫妻における出会いのきっかけは
職場や仕事」が1970年以降ずっと1位。


…だったのですが、

1992年の35.0%をピークに下降を続け、
2005年からはついに2位に転落しています。



では
「職場や仕事」における出会いが減少した理由は何なのか…?


強引にでも2人の"絆"を作ろうとする
ある種おせっかいな(?)上司や先輩が少なくなったり、
社内イベントや飲み会の減少など社内の"絆"が薄れたことも
要因なのでしょうか?



…そういえば、
先日お会いした某企業の人事の方が
「複数の若者の見合いの場を設けた」とお酒の席でおっしゃっていましたが、
あれも"絆づくり"という人事の仕事だったのかもしれません。


※参考
第14回出生動向基本調査(国立社会保障・人口問題研究所)
http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou14/chapter1.html
日本の未婚者の実情と、「婚活」による少子化対策の可能性(中央大学・山田昌弘教授)
http://www.myilw.co.jp/life/publication/quartly/pdf/74_02.pdf


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