回想録/アウシュビッツ | Travel in an ordinary life

回想録/アウシュビッツ

いつものことながら今日のブログも重いです。そして結構暑苦しい内容ですがお付き合いいただければ。。

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アウシュビッツ。4年前、自分はこの地に行った。負の遺産として広島・長崎/原爆ドーム、セネガル/奴隷島と並ぶ人類の犯した過ちの一つ。ナチス・ドイツ軍が第二次大戦中に人種主義的な国家政策のためユダヤ人や政治犯、同性愛者やジプシーを収容所に集め、虐殺を行った。約150万人の命が奪われたという。

電車により各地より集められた収容者は収容所到着後まず、選別を受ける。働けるか働けないか。働けないと宣告された者はそのままガス室へ送られる。働ける者はその時は生き延びることが出来るが、過酷な労働が待っている。過酷な労働で働けなくなった者はそのまま処刑される。

ここまではよく知られていることかもしれない。

自分がその地を訪れた時、この過酷な環境下で人としての尊厳をかけて戦った人がいたことを知った。一人の牧師である。彼は他の収容者に着せられた罪を、牧師という使命感にかけてその罪を自ら被り、身代わりとなったという。毎日の過酷な環境下で正気を保つことも出来ない状況の中、その使命感を保ち、それを実践に移す姿に自分は人間の強さを感じた。そしてこのような過酷な状況の中で必死で生きようとしている人々を記録し、語り継ぐ必要性が自分たちにもあるのではとも感じた。

名著「夜と霧」(ヴィクトール・E・フランクル著)にはそのときの収容者の心理状況が記されている。
著者本人は元々心理学者であり、ユダヤ人である故、収容所に入れられた。そして生き残り、この名著を残した。
「人は、この世にもはやなにも残されていなくても、心の奥底で愛する人の面影に思いをこらせば、ほんのいっときにせよ至福の境地になれるということを、わたしは理解したのだ。」
本文にある一節。どんな過酷な環境下であっても精神(心)の自由は何人たりとて奪えない。

過酷な環境下で生きるからこそ分かる人間の強さを感じた。
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アウシュビッツ関連、もしよかったら見てみてください。
本 「夜と霧」V・E・フランクル著 池田香代子訳 みすず書房
映画 「シンドラーのリスト」「Life is beautiful」「灰とダイヤモンド」

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