「心と身体をゆるめます」量子場調整師 日下 まお @関東  

元 救急センターナース  現 量子場調整師 日下まおのブログです。
あなたの心と身体をもっと知って景色の広がりを実感してみませんか? 


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(風船につかまってモナフォルという町に降りてきたテオは

彗星に住んでいるというピッツ、モナフォルに薬草をおろしているというエルマンと知り合った)第1話はこちら
 
                   12

僕たちはさっき抜けてきたあのお店の並んでいるにぎやかな通りに戻ってきた。

 

間口が広くて女の人達がにぎやかにお喋りしているお店の前でエルマンは馬車を停めた。

 

「あらエルマン、戻ったのね!」

体格のいい女の人がおしゃべりの中からこちらを認めて声をかけてきた。

 

「こんにちは、サラ! モーリスの店に行ってきたよ」

「そう、じゃぁこれからパトリシアのところね。先週、マエリスと一緒に散歩していたわ。足の具合がいいみたい」

「よかった、彼女の好きなお茶をお土産に持っていきたいんだ」

「あるわよ、いつもの量でいい?」

 

エルマンは、おばあさんが好きなお茶とそれから自分用にコーヒーや塩、砂糖、塩漬け肉といった食料、カンテラのオイルなど薬草集めの旅で必要になりそうな品をいくつか買った。

僕とピッツは馬車の中から行き交う人々や買い物客をみていた。

二人とも口には出さないけど、これからどうなるんだろう・・という気持ちがある

何故だか風船につかまってここに来ちゃった僕

彗星から落っこちてしまったピッツ・・

これからのことをどんな風に想像すればいいんだろう 

 

試験に失敗して「もうだめだ」と思っていた僕は家に帰りたくない。

不思議と母さんが心配しているようには思えなかった。

 

馬車の横を三人の男の子が通り過ぎていく。

何か話しながらさもおかしそうに、楽しそうにじゃれあいながら早足で。

ビッツと僕はその子達の姿をずっと見送っていた。

                              

「君達、こういうの好きかい?」

エルマンが差し出した手には帽子が二つ

ひとつは明るい草色で王冠のような形になっているつばのない帽子

それをピッツがかぶってみるとあつらえたようにピッタリだ。

 

「すごいね!エルマン、この帽子ピッツによく似合ってる」

「一目見て、ピッツに似合うと思ったんだよ」

嬉しそうなピッツをみてエルマンが得意げに言った。

「テオ、君にはこれはどうかな?」

それは僕が密かにかっこいいなと思っていたエルマンの中折れ帽子と同じ形!

エルマンの帽子は濃い茶色、僕のは薄いグレー。 

少しつばが広いところもとっても素敵だ。

 

「ありがとう!」

僕とピッツは同時に言って笑いあった。

「これは僕から君達二人への感謝とささやかなエールだよ」

「テオ、格好いいよ!」

とピッツが保証してくれた。

 

 

「あら!かわいらしいお友達と一緒なのね。こんにちは」

エルマンが買った荷物を馬車に乗せる手伝いをしようと身を乗り出したときサラが僕たちに気付いて近寄ってきた。

僕はちょっと恥ずかしくなって「こんにちは」と小さく返した。

ピッツは買ってもらったばかりの帽子を急いでかぶってすこし誇らしげに

「はじめまして」と言った。

「うふふふ、素敵!よくお似合いだわ」

初対面だけどその笑顔でぼくらはいっぺんにサラを好きになってしまった。

 

エルマンはサラに僕とピッツと出会った昨夜のことを話した。

サラは笑顔を消して僕らを交互に見ながらじっと聞いていたけど、瞳の奥は常にキラキラしていて「きっと大丈夫よ!」と言っているようだった。

話を聞き終わったサラは目を丸くして「フー」っと息を長く吐くと

「風船ってユニークね、だけどその風船の行方がわからないのはどうすればいいのかしらね」と僕に言った。

 

そのまましばらく空を見上げていたサラは今度はピッツに向かって

「私の叔父が星のことに詳しいの、彗星のことも知っているかもしれない。何か方法がないか聞いてみるわ」

と言った。

「お願いします!」ピッツは帽子をとってぴょこんとお辞儀をした。

 

サラの店を出発しいよいよエルマンのおばさん、ナタリーの家へ向かう

途中、エルマンはナタリーの家族について話してくれた。

ナタリーの旦那さんはティメオ、鍛冶職人だという。

ティメオとナタリーには娘が一人、それがさっきサラが言っていたマエリスだ。

 

マエリスは祖母のパトシリアのことが大好きで薬草集めにもよく付いてきたそうだ。

でもパトリシアの足が弱ってくると

マエリスはつねに寄り添って唄を歌ったり薬草について学んだり、そしてサラが先週見かけたように一緒に散歩に行ったりしているそうだ。

 

彼らが暮らしている丘の上の家、そこにエルマンも薬草を売ったあと時々立ち寄っては家族に元気な顔を見せるのがここ何年もの習慣になっている

 

僕たちは海を背にして街をぬけていく

 

つづく

 

 

 

 

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