「心と身体をゆるめます」量子場調整師 日下 まお @関東  

元 救急センターナース  現 量子場調整師 日下まおのブログです。
あなたの心と身体をもっと知って景色の広がりを実感してみませんか? 

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(僕とピッツはエルマンの馬車に乗ってモナフォルという港町に来た。

エルマンは集めた薬草をモナフォルの問屋におろすのだ)第1話はこちら

                              

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その店で働いている人達の、陽気で活発な様子を見ているのは面白い。

しばらく眺めていたが、ふと通りを隔てた向かい側が公園である事に気付いた。

 

子供達が遊んでいる。

僕より少し歳下くらいのその子たちは、手のひらにすっぽり入る小さなボールを投げ合っている。

ルールはわからないが二手に分かれて勝ち負けもあるようだ。

 

公園のぐるりには木が植えられていて、木の下のベンチにはおじいさんとおばあさんが仲良く腰掛けていたけど、

午後の少し弱くなってきた日差しにそろそろひなたぼっこを終えようかと帰り支度をはじめているようだった。

おじいさんは分厚い本を閉じ、おばあさんは編み物を丁寧にまとめておじいさんの持っていた手提げ袋にそっとしまい込むと二人はお互いをいたわり合うように腕を組んでゆっくりと歩き始めた。

 

顔見知りなのだろう、ボールで遊んでいた子達とその老夫婦は盛んに手を振り合っている。

二人が行ってしまうとボール遊びの彼らは再び熱心に遊びはじめた。

 

まだ日の光が空に残るうちに存分に遊び尽くすぞという決意と集中力がもたらす声は真剣で、なんだか生きている喜びそのものみたいだった。

その喜びは、まるで僕が何年か前に毎日遊んでいたあの空き地に埋めてきてしまったもののようだ。

 

 

「お待たせ」

エルマンの声に振り向くと、さっき声をかけて来たお店の人がエルマンと並んでニコニコしている。

「モーリスさんだよ」エルマンが紹介してくれた。

 

モーリスさんは声もからだもでっかい人だ。

お店での活気をそのままに、顔いっぱいで笑いながら僕らを見ていた。

 

「エルマンがお客さんを連れていたとはな、待たせて申し訳なかったね。こんなお菓子は好きかい?」と僕らに手渡してくれたのは

手のひらいっぱいの大きさなのに持つとふんわり軽い不思議な白いお菓子だった。

「ありがとう、いただきます」

 

モーリスさんにうながされて僕たちはそのお菓子をそっとかじってみた

外はカリッとしていて中はふわふわ、バニラのようないい香りがしてひと口かじると甘くてしゅっととける。

僕と同じように見るのも食べるのも初めてだったらしいピッツも目をまん丸くしている。

「おいしい!」二人の声は同時だった。

「うまいか!それはよかった、じゃあもっと持っていきな」

 

モーリスさんは屈託のない笑顔と大声で

僕とピッツにそれぞれ袋に入ったそのお菓子をたくさん持たせてくれた。

 

「さあ、いこうか!カレル」

エルマンが手綱で合図を送り、カレルはまたあのすてきな蹄の音を響かせ始めた。

馬車が街角を曲がるまで僕とピッツは荷台の後ろから、見送ってくれているモーリスさんに手を振った。

 

つづく

 

 

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